ナヨンの語りです。
ナヨン) あの人が、私のところへ来てくれたの。
ナヨンが、夫からひどい暴力を受けて、夫を絞め殺すシーンが映ります。
その後、アパートの屋上から飛び降りようとしたナヨンの腕を、ハンチョルがつかんで引きずりおろしました。
ナヨン) あのとき、彼が来てくれたの。
ハンスは、ナヨンの話を聞きながら、ソンニョの後をついていきます。
ナヨン) あの人に尽くしたわ。本当に、最善を尽くしたのよ。 こんなことなら、最初から来てくれないほうがよかった。私を、引き留めたりしなければ。
ハンチョルが寝ている間に、ナヨンはハンチョルのカバンの中に、結婚式の契約書が入っているのを、そして、新婚旅行用と思われる飛行機のチケットが入っているのを、みつけてしまいました。
ナヨン) 私が話したの。あの人が、私たちを裏切ろうとしているって。私が、みんなを誘ったの。あの人を、監禁しなければって。
ところがハンチョルは、逃げ出すことに成功しました。
それが、ドラマの冒頭のシーンです。
ナヨン) 行かないでって言ったのに。私のそばにいてって。ここで年老いて死ねって!
ハンス) どうして二人を殺した?
ナヨン) 私は探し出そうとしたのに、あの人たちは、殺してしまおうって言うから。
そこまで話す間に、ソンニョとハンスは鍵のかかった屋上の扉にたどり着きました。
ハンス) ハンチョルと、一緒にいるんだろう? 病院にいるんだな?
ハンス) すぐにそっちへ行くから。 俺が行くまで妙な真似はするな。
と、ハンスは上ってきた階段を駆け下りようとしたのですが、そのとき、ソンニョが扉の鍵を開けました。
その音に振り向くハンス。
ちょうどその頃、ナヨンもどこかの扉を開けて外へ出ます。
ハンスがソンニョの後について屋上に出てみると、なんとそこで、芥子の花が栽培されていました。
ナヨン) ねえ、知ってる?
ナヨンからそう言われて振り向くと、そこに・・・・・
ハンス) やめろ。
ナヨン) キリンは最初から首が長かったわけじゃないんだって。高いところにある葉っぱを食べるために、仕方なく変化したんだって。生きるために。
ハンスが駆け寄りましたが間に合わず、ナヨンは動けないハンチョルを抱いて、虚空に身を投げてしまいました。
ショックを受けたかに見えるハンスですが・・・
芥子の花を見て、また、ナヨンの話を思い出します。
(ナヨン) 寂しさは欠乏を、欠乏は、空っぽの盃になるの。
(ハンス) 空っぽの盃。何を注いで飲む?
(ナヨン) 欠乏した人間は、空っぽの盃に似てるわ。空っぽの盃には、何だって入るもの。
(ナヨン) だけど、満たされた盃は、砕けて、八方に飛び散り、ただ、粉々になるだけ。
ハンスの目の前では、芥子の花の鉢の間をソンニョが鼻歌を歌い、ステップを踏んで走り回っています。
そこへ、、、クム社長から電話がかかってきました。
クム社長) おい! この野郎! 本気で死にたいのか!!
すごい剣幕です。
クム社長) どこだ、どこにいるんだバカヤロー!!
ハンス) 社長、花はお好きですか? 金じゃなくて花。花だよ花!
ハンス) やかましい!!
はしゃぎまわるソンニョに大声を上げるハンス。
ハンス) ちょろちょろしやがって。
荒い息を吐きながら、電話に戻るハンス。
ハンス) 花は嫌いか? 花は嫌いかって聞いてるんだよ。
ハンス) もうちょっとだけ辛抱しろよ。大人なんだから、多少嫌なことだって我慢しなきゃならないんだよ。
ハンス) OK? 花が金で、金が花なんだ。そうなんだよ。OK?
正気とは思えないソンニョを目で追いながら、
ハンス) 少々問題は残っているが、それは俺が何とかするから。
ここでハンスは笑顔に。
(ナヨン)人を取って喰らう怪物、本当にいるかしら?
ナヨンの声と、ハンスの笑い声の余韻を残して、扉は閉じられました。
これで、 END です。