日本語記事もあちこちでみかけるようになると、登場人物の名前の表記がハギの訳と合わないぞ?! というケースが噴出しますので、ちょいとここらで解説を。
俳優さんの芸名については、日本で一般的にどう表記されているか調べて書くようにしているのですが、今現在の 『純情』 のように、公開前の映画では、日本語字幕にどの表記が使われることになるかわからないため、とりあえず可能性のうちのひとつで訳し、その後の記事ではなるべくみなさんを混乱させないよう同じ表記を使うようにしているつもり・・・なのですが、これがなかなか ^^;;; うまく管理できていないことがあって申し訳ありません。
ハングル文字は、子音14個、母音10個を組み合わせて使用するのですが、日本語と大きく違う点は、
① 子音で終わる単語がある
② 文節の頭にくると清音で発音するが、それ以外は濁音になる
のふたつです。
たとえばこのたびの<国民の初恋>役、ハギはスオギと訳していますが、ハングルで書くと 수옥 です。
수옥ちゃんは分解すると
ㅅ= S,
ㅜ = U,
ㅇ = (文字の頭にくると子音がないよ、という意味),
ㅗ = O,
ㄱ = K/G
つまりSUOK/SUOG となります。
最後の子音は日本語では書き表せないので、英語などでも一般的に行われているように、KにはUをつけて書いたりします。スオク、ですね。
最近のニュース記事ではこちらで書いているものが多いようです。
じゃあどうしてハギはスオギと書くのか?
子音終わりの単語、というのは、単語ひとつで発音するときはいいのですが、文脈の中で登場すると音が詰まって上手く流れません。ですので、次に出てくる母音とくっつけてリエゾンさせるんですね。英語と同じです。
また、大きい声で叫びたいときなど、なかなか子音終わりでは力が入らないのですが、母音をくっつけると声が出やすいものです。
先に、수옥ちゃんと書きましたが、この「ちゃん」にあたる部分に、韓国語では「I」もしくは「A」の母音を付けます。大きな声で呼びかけるときには「A」、それ以外は「I」という程度に区別できれば外国人として上出来です。
つまり、SUOGI とか SUOGA となります。 「A」は大きな声で呼びかけるときだけにしか登場しませんから、SUOGI の方を取って、ハギはスオギと表記しています。映画の音声から聞こえてくる音として、「スオク」はあり得ないですが、「スオギ」の方は頻繁に耳にされると思うので、ハギはこちらを選択しました。 耳に届く音と、字幕で読んだものとが一致すると、聞こえている気になるじゃないですか! (なりませんか?)
『純情』 の中の仲良し5人組は、キルジャを除く4人が子音終わりの名前なんですよね。
イ・ダウィ君演じる 개독 は、スオギと同じようにK/G音で終わっているのでスオギと同じように表記すればケドギになります。
ギョンス君演じる 범실 は、
ㅂ = P/B
ㅓ = O
ㅁ = M
ㅅ = S
ㅣ = I
ㄹ = L
で、BOMSIL
これに同じくIとかAとかを付けて BOMSILI, BOMSILA と呼び掛けることになります。
この名前は、最初の音をポと書くかボと書くか(実際の発音はその中間音)も悩ましいところですが、ポムシリとか、ボムシラとか、ちょっと名前らしくない感じがするかな? と思ったので、ボムシルとしました。みなさんの感覚ではいかがでしょうか。いろいろなパターンが考えられますが、ボムシルというのが韓国人の男の子としてしっくりきませんか?
とはいえ、少し古い時代の回想というイメージを出すため、仲良し5人組の5人とも、名前がちょっと田舎臭いです( ´艸`)
子音の点かないキルジャさんは、吉子さん。
20年以上前の田舎町、という設定ですが、みなさんの名前はさらにその20年前ぐらいの時代に流行ったもののような気が・・・・・・
そのままでは<芸名>らしくない、と思ったのでしょうか。ボムシルが大人になったはずのヨンウニムの役名は 형준 (ヒョンジュン) です。ぐんと現代らしくなりますね^^
ㅎ = H
ㅕ = YO
ㅇ = 最後にくると ingの ングって発音
ㅈ = J
ㅜ = U
ㄴ = N
同じようにリエゾンするので、ヒョンジュニとか、ヒョンジュナとかになります。
氏のシが付くときはヒョンジュン・シ です(#^.^#)