ご質問をいただいたので、観直してみました。
記憶していた以上にボリュームたっぷりで見応えがあります ^^
メニュー画面はこんなかんじ。
このイラストがまた、良いのですよね。個性的で。
では、最初の 달콤한 이야기 (甘ったるいお話) から、ゆっくり覗いてみましょう~
「どうして私を警察に突き出さなかったの?」 という、ラストに近いシーンから始まります。
制作の過程を、ソン・ジェゴン監督が解説してゆくスタイルです。
お話の途中途中に、映画の映像が入ります。
「初めは、男性を主人公にしたロマンチック・コメディを作ると面白いだろうと考えていました。ですが、私はロマンチック・コメディというものを作ったことがありませんでしたので、上手く進められませんでした。一方で、やろうと思いながら放っておいた、女性の犯罪者を主役にしたストーリーがありまして、それと融合させれば、新しいストーリーが生まれると思ったのです」
ここで挟み込まれた映像です。最初にデウがデートの申し込みをするシーンですが、思わず吹き出してしまわれたようです^^
初めてのデートから戻ってきて、「今日は楽しかったよ」と言う場面も、表情や口ぶりをいろいろ実験してみられたようです。
「2つの、それぞれ違うストーリーをくっつけましたので、2人の主人公がいるわけです。コメディーとロマンスの2つのジャンルが結合したので、いわゆるロマンチック・コメディができあがったというわけです」
メイキング映像がところどころに挿入されているのが嬉しいですね。
「スタートポイントは女性の主人公。残虐な犯罪に手を染めながらもナルシズムに溺れて、自分の美貌にうぬぼれる主人公です。男性たちが夢中になる女主人公を中心に据えたなら、「犯罪もの」である面が強調されたと思いますが、私が最終的に選んだのは、男性主人公の視点でストーリーを追いかける手法でした。したがって、女性主人公を取り巻く人間関係においては、スリラーと呼ぶには物足りない仕上がりになっていますが、私が選んだ手法は、変化をつけ、緊張感を維持しながら、必要な部分だけを採用したのです」
さらっと見過ごしたような場面も、じっくり打ち合わせしながら撮影が進んでいたことがわかります。
「ヨンウさんの場合、当時は 『血の涙』 で非常に注目されていましたから、様々な評判を聞きました。それで、自ら映画館に足を運んで確認し、直接お会いして作品に関する話もして、とても好感が持てました」
「シナリオにもぴったりだったので、この女優さんで撮りたいと思っていました。ですが最初は、ガンヒさんが別のドラマに出演しているところでスケジュールが合わず、他の女優さんも当たってはみたのですがやはりしっくりこなくて、少々撮影のスケジュールをずらしてでもガンヒさんにお願いしたいと言ってみました。タイミング的に、ガンヒさんもとても映画をやりたいと思っていらっしゃったようで、交渉が成立しました」
撮影に入る前、台本の読み合わせをされている映像です。
続いては、제작과정(制作過程)
先の、달콤한 이야기(甘ったるい話)で流れたのと同じ監督のコメントがベースに繰り返されながら、ヨンウニムとガンヒさんのコメントが加わります。
精神科医との面談シーンからスタート。
撮影風景は、どれもこれも、とっても楽しそうです ^o^
「最初はそれほど興味を感じませんでした。なので、読まずに放っておいたのですが、1ページ読んでみると、やめられなくなったんです。そんな作品って珍しいんですよ。今までで一番早く読み終えたと思います」
「受け取るなり気に入りました。とても新鮮でした。明け方に読んだのですが、刺激的で新鮮で、独特だったのがとても気に入りました」
「どうやってキャスティングしたかって? パク・ヨンウとチェ・ガンヒでなければならないって・・・」
「とても気になりましたね。このシナリオを書いたのはどんな人だろうって。個人的に会ってみたいと思いました。出演するしないにかかわらず、会ってみたくて、それで実際に会って話をするうちに確信が持てたので、お受けしました」
ミナの部屋でボーリングピン男に出くわした後、急に腰痛がぶり返したデウが、バラの花を壁に、無茶苦茶にこすり付けながら辛うじて歩いています。バラの花びらが痛々しい・・・
「とりあえずは、気兼ねなく接することができるようにならないと」
「友達に意見を聞いてみたら、この役はまさにあなたのものよって」(ガンヒ)
「こんなに素敵なシナリオを書いてくださった監督に感謝しています。人って時々、とても幼稚なことを懐かしがるじゃないですか。そういうのを上手く取り入れて、洗練された作品に仕上げてくださった。終わってからますます有難みを感じています。とても個性的な方です」
「途切れることのないところがよかったです。そして、冷徹というか・・・ 監督に欲がないわけがありませんよね、自分の作品なんですから。自分が書いて、自分が演出するんですから、自分の考えが正しいんですよ」
「でも、僕たちの意見を聞いて、それもありだと判断されると、あっさりと変えてくださるんです。そんなふうに演出されました」
「スタッフだけじゃなく、役者もプロですから、私が考えていた以上に、彼らも自分が演じるキャラクターについて分析するし、アイデアを出してくれるんです。撮影の、どこかの時点で、私がそれを認めたんですね。私の意見より、役者が考えてきたアイデアの方が、そのキャラクターによりふさわしいし、より正確な分析だって思えたんです」
「ミナという女性は、自分を囲む壁をしっかり作っていて、外部の人と交流しているようでありながら、絶対にその壁を越えることはない、そんな女性だったように思うんですね。それが、チャンミと一緒に山へケドンを埋めに行ったあたりで、視聴者はミナの心境の変化を感じられると思います。チャンミの言葉(私も一緒に埋めるつもり?)がミナの壁を穿って入ってくるような感覚。その頃、デウに対する感情も変わりつつあるんですよね。それまで出会った男性に感じたものとは違う感情です」
デウがミナをお姫様抱っこして寝室に連れ込むシーンは撮影中にも笑いを誘っています
「キスシーンの撮影が、結構早い段階からあったんですよね。よそよそしい関係ではいけないと思ったので、キスシーン撮影の前日に100万ウォンほど使ってみんなにごちそうしました。そこで、ガンヒさんとたくさん話しましたね。ガンヒさんはあまりお酒が飲めないんですけど、それでもたくさん話はできました」
「そういう部分について、とてもクールでしたね。演技は演技、プライベートはプライベートなんだからって。愛し合っている者同士の役なんだから、ラブシーンを負担に感じる必要はないって。ガンヒさんがそう言ってくれたので、ありがたかったです」
「女優さんの側が、ラブシーンに対する拒否感が強いと演技も難しいのですが、そういう面ではとても楽に、、、とくに話し合ったわけではないのですが、感じでわかりました。とても自然でリラックスできるようにしてくださって、感謝しています」
「今日はキスシーンの撮影がたくさんありますが、どんな気分ですか?」とスタッフが質問しています。
「どんな気分かって? うーん、思った以上に先輩らしくリードしてくださるのでラクです」
「相手の女優さんに誤解されてはいけないし、口臭があってもいけないし、、、ワンシーン終わるごとにブレスケアしていた記憶がありますね」
(問題のキスシーンは、<削除シーン>のコーナーでじっくり *^^*)
「相手のことは、やりづらいんじゃないかって気遣いましたが、私の方は、無理矢理、という感覚はありませんでした。デウというキャラクターにとってキスシーンはとても重要な部分でしたので。 役者にとって難しいのは、状況が理解できなかったり、そのシーンの必要性がわからないときです。そういうのが難しいんですけど、この作品ではそんな場面は全くありませんでした」
「ミナとデウのような、あんなキスシーンを演りたいと思っていました。わざとらしくなくて、美しく見えるかどうかはわかりませんが、本物の恋人同士がするようなキスシーン。ヨンウさんとも同じ気持ちで臨めたと思いますよ」
ここで、一夜を共に過ごした後、デウが詩を書いた! というシーンの映像が流れます。
「ケンカして、仲直りして、男性が3年ぶりに詩が浮かんだ、というシーン。そこで、デウが詩を読み上げるのですが、英語で書いた詩を韓国語に翻訳して読めと言われます。大ウケする場面ではありませんが、とても温かな、優しい笑みがこぼれるシーンだと思っています」
最初はデウが、胴着をコンコンと叩くことになっていたようですが撮影しながらミナのしぐさに変更。
そしてもう一度、エレベーター前でのお別れのシーン。
2年後のシンガポール。
「撮影を進めながら、エンディングには複数のアイデアがありました。そんな中で私は、恋愛当時の激高した感情を、2年3年経ってから振り返ると、当時の自分がどうしてあれほど熱かったのだろうって思う、そんな感覚を表現したいと思いました」
「気楽な気持ちで再会するシーンがあった方が、観客も肩の力を抜けるし、美しくしあがったと思います。キスして、クールに去っていく。一番ふさわしいエンディングになったと思うし、お気に入りです」
後は少し、主題歌が流れる中でスタッフたちの撮影中の様子が流れて、おしまい、です