『アトリエの春』シナリオ No.2 | パク・ヨンウ☆だぁ~い好き(*^^*)  

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パク・ヨンウ氏にぞっこんの
ハギのブログです。
出演作品を通して、
彼の魅力を徹底分析しましょ♪       

15.ジュングの家の前 (昼)


キョンサンデクとヒャンスクが掃除道具をいっぱい抱えて通りを歩いてくる。

二人の服はところどころ濡れており、チマの裾は汚れている。



ヒャンスク (不満そうに)先生がいつアトリエに行かはるかわからへんのに掃除しとくんですか?

キョンサンデク 奥様にはちゃんと考えがおありや。

ヒャンスク 何日かしたら、またすぐに埃が溜まるのに...

キョンサンデク こら!(げんこつをくらわせるように腕を振り上げて) 小娘の減らず口が... お黙り。奥様はもう一回ミンギョンさんのとこへ行かはるつもりや。

ヒャンスク ほんま、どんだけすごい人なん? 奥様がそこまで...

キョンサンデク ほんまにもう... 先生がずっとあんな状態やったら、長くは生きられへんやろうって.. 少なくとも奥様はそう思っていらっしゃるんや...

ヒャンスク あら、どちらさま?


見ると、キジュを負ぶったミンギョンがソンイと並んで門の前に立っている。

表情が明るくなるキョンサンデク。


キョンサンデク あらあら、ミンギョンさん...



16.ジュングの家、居間 (昼)


キョンサンデクについて書斎に続く通路を歩くミンギョン。家の大きさに驚きキョロキョロする。

そびえたつ門をくぐり抜けたミンギョンの視界に、書斎のジョンスクが飛び込んでくる。まるで別世界だ。



(ジャンプ)


居間の前にある中庭。蓮池のそばにミンギョンとジョンスクが向かい合って座っている。

緊張しているミンギョンを、温和な微笑でみつめるジョンスク。

テーブルの上に白い封筒を差し出す。


ジョンスク 2千ウォン入っているわ。先生が受け入れて下さらなくても、このお金は貴女のものよ。

ミンギョン おおきに...


封筒に手を伸ばすミンギョン。爪にたまった垢にきまりが悪い。


春シナリオ_16


ミンギョン あ、それから、さっきお願いしたこと...

ジョンスク ご心配なく。みんな貴女はこの家の雑用をしてくれてるって思うわ。

ミンギョン あ... ほんまにおおきに。

ジョンスク 先生にお会いする前に、支度を整えましょうか。


ミンギョン、きょとんとして怪訝な顔。



17.ジュングの家、浴室 (昼)


(インサート)


ミンギョンの汚れたコムシン(朝鮮靴)が白い運動靴に変わり、

みすぼらしいミンギョンの服は、清潔な新しい服に変わった。


準備を整え終えたヒャンスクが浴室から出る。湯船につかっているミンギョン。

自分を見るジョンスクの視線に顔を赤らめる。


ジョンスク すぐに終わるわ。


ジョンスク、泡立てた手拭いでミンギョンの身体を優しく洗ってやる。

戸惑いながらも、ムードに流されるようにジョンスクに身体をあずけるミンギョン。

ヒャンスクが熱い湯の入った桶を持って入って来、ジョンスクの横に置いて出て行く。

ミンギョンをちらっと見やるヒャンスク。

ジョンスクが手桶で熱い湯を汲み湯船に足してから、手で湯温を測る。


ジョンスク 腕をこちらにちょうだい。

ミンギョン ...


ミンギョンの腕を洗い始めるジョンスク。ミンギョンの手をぎゅっと握るジョンスクの手。その手をじっと見ていたミンギョン、再び、心を込めて洗ってくれているジョンスクを見る。


ジョンスク (舌打ちをして) まぁ... 手がこんなに荒れて... 美しかったでしょうに...



18.ジュングの家、中庭 (昼)


キジュを団扇であおいでやるキョンサンデク。ソンイに人形を渡しながら


キョンサンデク これはぁ... 奥様が買うてくれはったもんや。


ソンイが人形を奪うように取るが、穏やかな表情で、


キョンサンデク おおきに言わんとあかへんやろ。


キョンサンデクをみつめるソンイ。


キョンサンデク おやおや、こんまいのんが睨みよる。


この時、ぶつくさ言いながら近寄ってくるヒャンスク。


ヒャンスク なんで奥様がわざわざ自分で洗うてあげはんのやろ? あの人は手がないんか...

キョンサンデク (キジュを見下ろしながら) 私の記憶ではあんたが初めて来た日ぃも奥様に洗てもろてた思うけど?

ヒャンスク (痛いところを突かれて) そ、それとは、違うやないの。

キョンサンデク 奥様のお気持ちは、まったく同じや思うで。


cut to #17


ミンギョンは、自分の足を洗ってくれているジョンスクを見ている。


ジョンスク さあ、終わったわ。あとは拭き取るだけよ。


立ち上がるジョンスクの鼻の頭に玉の汗...

そんなジョンスクの様子に胸が詰まるミンギョン。



19.アトリエの前の道 (昼)



春シナリオ_19

(インサート)


アトリエにつづく川沿いの道を歩いているキョンサンデクとミンギョン。


アトリエ近くの道。緊張した面持ちのミンギョンを見やるキョンサンデク。


キョンサンデク 緊張せんでええよ...(もう少し歩いて) すぐに慣れるわ。

ミンギョン はい...


答えながらキョンサンデクを見るミンギョン。

キョンサンデクのずっと後ろに、水辺のアトリエが見える。



20.アトリエ (昼)


春シナリオ_20

壇上にぽつんと座り、緊張した表情でアトリエのそこここを見回すミンギョン。

大きな木綿の布で覆われた無表情な彫刻たちと、その周りに見えるノミ、ヘラ、ハンマーなど...

ミンギョンが初めてみる道具は、何となく気味が悪い。

不安に満ちた表情で大きくため息をついたところにバタンとドアの開く音。

ミンギョンが首を回して入口を見ると、アトリエに入ってくるジュングのシルエット。

いっそう緊張した表情で、ゆっくりと立ち上がるミンギョン。

ジュングがその場に立ち止まってミンギョンをじっと眺める。


(ジャンプ)


椅子に座っているジュング。腕組みをしたまま正面の壇上を見ている。

陽のよく当たる壇上に、恥ずかしそうにミンギョンが立っている。

無表情な顔でしばらくの間ミンギョンを見ていたジュング。


ジュング 服を脱いで。

ミンギョン ...え? (おそるおそる) あの... えらいすんませんけど... よう、聞こえへんかって...

ジュング (見て) 服を脱ぎなさい。


ミンギョン、覚悟を決めて来たものの、いざ服を脱げと言われると顔が赤らむ。

震える手がボタンに伸びるが戸惑うミンギョン。

ジュングが椅子から立ち上がり、ミンギョンに何歩か近寄る。

ジュングを見て、ゴクリとつばを飲み込むミンギョン。背を向けてゆっくりとパンティーを下し始める。

そんなミンギョンを見ていたジュングが、苛立った様子で、


ジュング ちょ、ちょっと...


パンティーを下しかけて止まるミンギョン。ジュングの顔色をうかがう。


ジュング そうじゃなくて、上から... ゆっくり...


パンティーを上げて立ち上がり、上着、スカート、そして下着を脱いでいくミンギョン。

やがて美しいミンギョンの肩と背が陽に照らされる。


ジュング 振り向いて...


深呼吸をし、ゆっくりとジュングの方を向くミンギョン。顔を上げることができないまま、両手で胸と下腹を隠して立つ。


ジュング 手は下ろして... 顔を上げて...


ジュングのひと言ひと言に、ミンギョンの赤裸々な裸身が完全に現れる。

ぶるぶると身体を震わせるミンギョン。自分に降り注ぐ陽光を見、ジュングを見る。


ジュング 僕の方は見ないで。


首をすくめぎゅっと目を閉じるミンギョン。

ミンギョンの身体を隅々まで観察するジュングの瞳がキラリと光る。

ジュングの、落ち着いて冷静な注文が続く。


ジュング 横を向いて。(ミンギョンが反対方向を向こうとすると) 反対に... その状態で腕を上げる。両腕とも上に、もっと...もっと!


白い肌に露わになる脇の黒い体毛とたっぷりある陰毛...

つられて上を向く両の乳房。


ジュング 脚を前後に少し開いて、身体を後ろに倒すんだ。


脚を前後に開き、腰を後ろに曲げるミンギョン。


ジュング もっと...もっと!


ミンギョンの身体が弓のようにしなる。

伸びきった腕の先に満開に咲く花びらのように開かれた指...

腰から足首まで、弾力のある動きを見せる筋肉...

意味深長な表情でミンギョンをみつめるジュングの姿...

冷や汗を流してわなわなと震えるミンギョン。背中にもふつふつと汗が噴き出る。



21.ジュングの家 (昼)


門を入ってくるキョンサンデク。ヒャンスクが立って待っている。


ヒャンスク おばさん!... どうやったん?

キョンサンデク 何が? なんであんたがそない気にするねん?

ヒャンスク ふん、モデルって、誰にでも勤まるもんやないから。

キョンサンデク (ヒャンスクを小突いて) 黙っとき。


キョンサンデクが目で合図すると、居間の方を見やるヒャンスク。

ジョンスクが居室で緊張しそわそわしている。


春シナリオ_21a

cut to #20


姿勢を戻し、冷や汗を流すミンギョン。はぁはぁと息を整えていると、続けて投げられるジュングの注文。


ジュング 床に座って...


ジュングの指示通り、目をつむったままポーズを取ってみるミンギョン。ぎこちないが一生懸命だ。

ミンギョンの額を伝って流れる一筋の汗が鼻の頭に留まる。

ゆっくり腰を下ろそうとしたミンギョン。緊張のせいか床にどしんと座り込んでしまった。


ジュング 目を開けてもいいよ。僕の方は見ないで。


膝を曲げたままジュングの指示を待つミンギョン。


ジュング 片方の膝を立てて.. 横を向いて背筋を伸ばす。(身体をひねり) 手で膝を掴んで身体を丸めてごらん。


自分の膝を掴んで身体を丸めるミンギョン。



春シナリオ_21

ジュング もっと... しっかりと。


ミンギョン、どうしろと言われているのか... 視線を泳がせる...


ジュング 今... 君は誰かに殴られているんだ。殴られていると思ってごらん。殴られているから、恐ろしくて...悲しい。


恐怖に怯えるように掌で頭を抱え込むミンギョン。


ジュング そうだ! そうだ、もっと! 殴られているんだぞ。だからすごく気分が悪いんだ。最悪だ。悲しくて憂鬱で、とても痛い。


ジュングの注文を理解したように、実際に殴られてでもいるかのように身体を丸めてうずくまりブルブル震えるミンギョン。

そんなミンギョンのポーズが、まさに思い通りだったのか、満足気な表情を浮かべるジュング。近づいてきて身をすくめているミンギョンの周りを一周する。



22.一杯飲み屋 (昼)


ドラム缶で適当に作ったテーブルが5つ6つ並んでいるだけの小さな酒場。

片隅に置かれたトランジスタラジオから、ニュースが聞こえている。

客がいないのか、ラジオの横でこっくりこっくり舟を漕ぐ女主人の姿。


アナウンサー(F) 勲章を贈られた兵士たちが屋根のない車の荷台に並び、市民に向かって手を振っています。大韓民国陸軍の勇猛さを、遠くベトナムの地で...


松葉杖をつき、片足を引きずりながら飲み屋に入って来た20代後半の男、グンス。


アナウンサー(F) ベトナムに駐屯しているアメリカ海兵ダグラス大将が、わが朴正煕大統領閣下に送った手紙にも白馬部隊の勇猛さを賞賛する...


ラジオの電源を消し、テーブルの隅に投げつけるように、松葉杖を乱暴に立てかける。

その音に驚いて、よだれを拭い眠りから覚める女主人。


グンス 狂った奴らめ。何が勇猛なもんか... いったいどんだけの人間が犬死してぶっ倒れたか、どんだけがまともな身体やのうなったか、ちっとも言いよらへん。あほんだらぁが!


険しい表情で、椅子を足でひっかけ引き出して座る。


グンス 酒くれ、酒。


怖い顔でグンスの前に腕組みをして立つ女主人。


女主人 あんたに飲ます酒はない。

グンス (にらみつけて) くそったれ!


女主人 グンス、あんたも勲章もろたんやろ?

グンス くそ勲章... (たばこを取り出してくわえ) 急になんでそんなこと言うねん?

女主人 あんたには国から補助金がどんだけ出るねん?

グンス 補助金なんか雀の涙や。そんなんで食えるか...

女主人 ソンイの母ちゃんにも、死んだメンソプの分の補助金が出るんやろ? そやのになんであんたはツケを払ろうてくれへんのんや?

グンス 払ろたらええんやろが、払ろたら!

女主人 いっつも口だけや...


この時、飲み屋に入ってくる友人1,2 グンスを見て


女主人 (立ち上がって) いらっしゃい。

友人1 おまえ、ごっつ久しぶりやなぁ。

友人2 おう、グンスやないけ?


友人を見るグンス。面倒くさそうな顔をする。

グンスと同じテーブルにつく友人二人。


女主人 その様子やと、またどっかですっからかんになって来たんやな...

グンス うるさいわ! 黙れ!

友人1 おい、そんくらいにしとけ。


またすったのかとグンスの肩を叩いてクックッと笑う友人二人。飲み屋の全景。



23.ミンギョンの家の中 (夜)


(インサート)


薄暗い夜。ミンギョンの家の周辺 全景。


外から酒に酔ったグンスの声が聞こえてくるや、身体を起こすミンギョン。

キジュとソンイが寝ている蚊帳の中に静かにもぐり込む。

その時、やかましく扉を開けて入ってくるグンスの杖。

ミンギョン、不安そうにキジュをぎゅっと抱く。

蚊帳の中に寝ているミンギョンに向かっていやらしい笑みを浮かべると、さっと蚊帳を払う。

松葉杖でミンギョンのスカートをたくし上げるグンス。

スカートの下にすべすべしたミンギョンの脚がのぞく...

ミンギョン、息を殺し、目をぎゅっとつむってキジュをしっかり抱きしめる。

そんなミンギョンを見て、グンスは何もできず、ゴロリと寝転ぶと不満そうにつぶやく。


グンス ええい、くそっ... ダンナが帰ってきたって言うのに... 起きやがりもせん。クソ女。




( No.3につづく )