35歳でうつ病と診断された。
うつ症状は10歳頃からからオンオフを繰り返している。
うつ病は、とても辛い。
意欲減退、不眠、吐き気、疲労感・・
数々の不快な症状に、
生きる気力も奪われていく。
消えてなくなってしまいたい、
そんな気持ちになる。
休養も得られず、
誰のサポートも受けられなければ、
落ちるところまで落ちていく。
今回、髪の毛がものすごい勢いで抜け落ちて、
”いいかげん生き方変えようよ”と、
自分からのメッセージがあって、
初めて心療内科へ行き、
会社も休職した。
髪の毛が抜けていなかったら、
自分と十分に向き合うことのないまま、
同じことを繰り返していたのだろう。
今までと同じスタンスで仕事をし、
理想の男性を追い求め続けていただろう。
あー、なんで髪の毛抜けるかな。
父親、禿げてるしな。
生まれつき髪少なめだしな。
お願いだから髪の毛抜けるのだけはやめてください。
何でもしますから。
という訳で、初めてうつ病の原因とメカニズムについて勉強した。
知れば知るほど、うつ病になるように育てられたとしか思えなかった。
良く分かったことがある。
理想の男性像、それは父親そのものだったということ。
高収入、ハイステータス、頭脳明晰、
一見品があって、自分を高めてくれる。
外面100点満点の父は、
家では絶対的独裁者だ。
特権意識が強く、自分中心。
母への暴言暴力は日常茶飯事だ。
母は父の奴隷と化している。
そんな環境で生き抜く為に、
父のエゴを満足させる言動を学んだ。
そして父のエゴを満たす成果を出せば、
暴力を振るわれることも、
暴言でめった刺しにされることもなく、
むしろご褒美が貰えることも学習した。
健全な家庭で育った人には分からないだろう。
これを無意識にやってしまうから、
抑圧された感情がストレスとなって蓄積し、
病気になるまでおかしいと気づかないのだ。
うつ病の原因を何となく理解し始めた頃、
母になぜ父と結婚したのか聞いたことがある。
母は、
”食いっぱぐれないと思ったから”、だと。
それが理由だったら、他に誰かいただろう。
別にガンガン昇進しなくても、
トップの座に付かなくとも、
普通に働いてくれる人で、
良かったんじゃないかい?
毎日奴隷のように扱われて辛くないの?
”最初はすごく優しかったんだけど…”、と。
確かに父のようなタイプは、
最初はとても優しくて紳士的だ。
が、結婚後に豹変する。
”でも私(母)が我慢すれば良いと思って”
”最初は反発したけど暴力振るわれて。
だから何も言わないことにした。
もう慣れたし、聞き流せるし、
忘れられるようになったんだよね”
これを母の口から聞いたとき、
やるせない気持ちでいっぱいになった。
私は何一つ忘れてなんかいない。
両親とは分かり合えないので、
距離を置いている。
2人ともいっぱいいっぱいだったのだろう。
子供にどれだけ不安と恐怖と悲しみを植え付けていたかなど考える余裕すらない程に。
そう思うことにしている。
理想の男性像が父親そのものだったのは、
条件付きではなくて、
どんなときも愛してくれて、
大切にされたかった、
そんな父親から得られなかった
満たされない思いを、
父親のような男性との恋愛関係で
補おうとしていたからだと学んだ。
潜在的にずっと欲していたもの、
それは‘’安全基地‘’というものだ。
‘’いつでも不安を受け止めてくれて、
安心していられる居場所‘’だ。
夫はそれを安定的に提供してくれる。
夫に、何か不安なことがないか聞いてみた。
「最近お腹にガスが溜まるんだよね。」
そこそこ安心していられる居場所を
私も夫に提供できているのかなと思う。
本当に大切なものはそれ程多くはない。
ハイステータス男性と結婚した母は、
感情を捨てた。
社長と結婚した父方の叔母、
豪邸に住んでいるが何度も空き巣に狙われ、
家にいても安心できないと。
社長だった義理の叔父は、
ストレスで若年性アルツハイマーになった。
長女は自らこの世を去った。
玉の輿婚活セミナーを開催していた女性講師、
ハイステータスの元夫に好きな人ができ、
離婚された。
決してハイステータス男性との結婚を
否定している訳ではない。
ハイステータス男性との結婚でなくとも、
起こりうることだ。
人生はプラスマイナス、ゼロ。
そう思う。
山高ければ谷深し。
山がそこまで高くなければ、
谷もそこまで深くはない。
どこかで帳尻が合うようにできている。