水分の摂り方についてご説明することが、ここ数日、何件かあったので、こちらにも書かせていただきます。
どのくらい水分をとっていますか?
と聞くと、
結構飲んでますよ。
と答える方の詳細を聞くと、
水分の内訳は、珈琲、紅茶、緑茶、アルコール、だったりします
これ、水分は水分ですけど、からだのことを考えると、水としての働きを期待できない可能性があります。
利尿作用が強いのです。
「利尿作用のデメリットは、尿量が増加し、トイレに行く回数が増えること、
尿から不要物以外に必要なものまで排泄されること、水分補給の目的で液体を摂取しても補給にならないことの3点です。
利尿作用が強いと排泄量が摂取量を上回り、身体の液体を失うことで脱水症に陥ることがあります。
春から夏の熱中症、嘔吐下痢症の体調不良の原因の多くは脱水症です。ひどい場合は、死に至ります。」
教えて!「かくれ脱水」委員会 委員長。兵庫医科大学小児科学教授 医学博士。服部益治医師
水は何をしているかというと、からだの中にある老廃物や食品添加物、農薬、大気中の有害物質などを流す、お掃除をしてくれています。
カフェインやアルコールは、このお掃除の役目を果たせない可能性があるのです。
脳梗塞や心筋梗塞といった血管が詰まる病気も水分不足が原因の1つとなります。
血液の80%は水分です。
血液の濃度は常に変動していて、その濃度を適度に保つ働きをしているのが水なのです。
脳も然りです。
脳の80%は水でできており、そのため水をたくさん飲むことが、頭脳の働きを高めるために重要であることも調査でわかっています。
ただの水だと飲みにくい人もいらっしゃるでしょう。
そこで、アーユルヴェーダの診療をしている蓮村先生が提唱している「完全な白湯」の作り方を載せておきます。
からだを良くする魔法の水だと思って飲めたらいいですね
【用意するもの】
きれいな水(水道水でもOKです)
やかん
【作り方】
1. やかんに水を入れ、強火にかけます。このとき、換気扇を回すようにしてください。
2. 沸騰したら蓋を取り、湯気が上がるようにします。このとき、大きな泡がブクブク立っているくらいの火加減にします。
3. そのまま10~15分、沸かし続けます。
4. 沸いた白湯を飲める程度に冷まして、すするようにして飲みます。
【基本の飲み方】
・1日700~800mlを目安に、少しずつゆっくり飲むのが基本です。
・朝一番の一杯、食事を食べながらの1杯が効果的。
・そのほか、時間が空いたときに、ひと口ふた口と少しずつすすります。
この白湯には、
水…滋養や安定を生み出す力
火…熱を生み出す力
風…動きを生み出す力
が入っているそうです。
これはなんのことはない、
水…やかんの中の水
火…コンロの火
風…換気扇からの風
ということなんですが、腰痛や便秘も治るし、元気も出て、メンタルも健全になる、というメリットもあるようです。
保温のボトルに入れて会社や出先へ持って行き、ちびちび飲むのもよいかと思います。
もう一つ注意点を。
水は、多過ぎても飲んだ分だけ多尿になったり、体を冷やしてしまったりします。
東洋医学では、水が必要以上に体内に溜まって悪さをすることを「水毒」と考えます。
では、適切な水分の摂取はどれぐらいなのでしょう?
「例えば、正常な成人の1日の尿の量を体重1kgあたり20mlとすると、体重50kgでは尿量は1000ml、水分の排出量は汗と吐く息で800ml、糞便に100mlとすると合計1900mlになります。水分摂取が同じ量とすると通常の食事から800ml、栄養素の代謝によってできる代謝水が300ml程度ですので必要飲水量は800mlとなります」
内科、泌尿器科、透析が専門の「いきいき.クリニック」横木広幸院長
体重50Kgの人で、食事一回につきコップ一杯ずつ飲みプラス500mlのペットボトル一本分くらいです。
杓子定規に2リットル飲まないといけないという訳ではなさそうですね。
体調と相談しながら水分の質と量を考えてみてはいかがでしょうか?