ヒトヨヒトヨニ 2 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください











僕は隣の人が、長い時間一人でカクテルをちびちび飲んでいるのを見ていて、時計ばかり気にしていたし恐らく待ち人来ずと言ったところだろうと思っていた



案の定電話で振られたっぽかったから気の毒だと思っていた矢先、僕も同じ様に振られた


こんな事あるのか?ってくらい偶然もいいとこで、見ず知らずの男と振られた愚痴を語り合い意気投合してしまった


もう何杯目だろう


チョン・ユンホと名乗った男は酒が苦手だと言ったけど振られてヤケになってるのか、ピッチが早い気がして僕はグラスを取り上げた


「あんた、大丈夫なの?酒は苦手だって言ってたでしょ?」
「美味しくない・・・」
「じゃあやめたら?」
「飲まずにやってられるか!」
「その気持ちは分かるけど、美味しくもないのに飲む必要ないでしょ、結構酔ってるみたいだし」


顔を真っ赤にしてふわふわしてるのか、ゆらゆら揺れてる


「一旦水にしましょう」


僕はバーテンダーに水を貰ってチョンさんに持たせる


「シム・チャンミン!お前優しぃんだなぁぁぁ、なんでこんないい男が振られるんだ?!」
「それ、本当ですよ」
「相手の奴見る目ないな」


そう言って僕をまじまじと見てくるチョンさん


「顔だっていいし、体つきだっていい、勿体ないよ」


潤んだ目が可愛いと思った


この人はネコだな


綺麗な顔は何処か艶があって、男を惹き付けそうだった


「あなたを振った男だってどうかしてますよ、こんな綺麗な人を振るなんて」
「既婚者なんだ、あ、俺の事はユノって呼んでくれ、皆そう呼ぶんだ、俺もチャンミンって呼ぶから」
「いやそれはいいけど、既婚者?!」


僕は驚いた


男同士なんてそりゃ生産性も何もないし、どうでもいいっちゃいいけど、不倫程報われない事はないんじゃないだろうか?


「でも俺が好きだって言ってくれたんだ」
「騙されてますよそれ」
「分かってる、分かってるけど!!そう言ってくれたんだ」
「バカですか」


僕は呆れた
そりゃ振られるわ


「チャンミンを振ったヤツは?」
「僕のは・・・普通です、僕が優良物件すぎて着いて来れなかったんでしょう」
「え?それ、チャンミンに問題があるってやつか?」


ユノはユノで呆れ顔だ


「違います!相手が低脳なんですよ!」
「チャンミン。そう言う言い方良くないと俺は思うぞ、だから振られるんだ」
「は?!僕に振られる要素なんてなかったし!こんな僕を降るなんて、どう見ても相手に見る目ない!」
「確かに・・・、それな」
「でも可愛かったんですよ・・・」
「うん・・・わかる、かっこよかったんだ、俺の彼氏も」


僕とユノは急に想いに耽る


「気も利いて、いつも僕に優しかった・・・」
「そうなんだ・・・好きだったんだな」
「はい・・・」
「俺も・・・」


僕は又酒のグラスを掴んだユノの手からそのグラスを取り上げる


「なんだよ、飲ませろよ」
「こっちにしなさい」


代わりに水のグラスを持たせる


「え〜」
「え〜、じゃありません」
「真似するなよ」


なんか僕のユノの真似がユノのツボにハマったらしく、今泣きそうだったユノなのに今度はケタケタ笑い出した
完全に酔っ払ってる


いっそこれくらい酔えたらいいのに
僕はただでさえ酒に強く酔えないのに今日は結構飲んでるのに全く酔えなかった


「あぁ・・・もう一回電話したら嘘だって言わないかな・・・」
「嘘だったって言って欲しい」
「ですね・・・」
「うん・・・どうしよう別れたのに会いたいよ」


どうしてそんな事言うんだと思った
こっちまで 会いたくなる
ユノはきっと本当に好きだったんだな・・・
まぁ僕だってそうだけど


「僕、もう恋なんてしない、もう二度と恋愛はしたくありません」
「俺も・・・もう無理」
「そうですね、無理です」


僕達はもう恋はしないって誓い合った


「あぁ・・・でも寂しいよチャンミン」
「僕だって・・・寂しいです」


口にしたら余計寂しくなる


ユノもきっと同じ


だからだろう


「なぁ・・・俺らさ、一晩だけ慰め合わないか?」


ユノの目は虚ろだった
酔ってる
相当酔ってるからそんな事を言う


慰め合うってのは、体を重ねる事だろう


今の寂しさを埋めれるのは人肌だけだ


「一晩だけ・・・」
「そう一晩だけ」


ユノはそう言い聞かせる様に繰り返す


「チャンミンかっこいいしさ、タチだろ?俺ネコだし、調度良いと思うんだ、こうして出会ったのも運命だと思わないか?
「確かに、同じタイミングで振られたのは偶然にしちゃ出来過ぎでしょ」
「俺達は慰め合う為に出会ったと思えば後ろめたさもなくなるよ」


後ろめたいのは付き合ってもいない相手と体を重ねる事にか?


それだって仕方がない
僕達は寂しさで泣きそうなんだから


「いいですよ、一夜限りで良ければ」
「うん、そうしよう」


もしかしたらユノは酔っ払ってるし、今夜の事は覚えていないかも知れない


だから、こんな選択だってアリだと思う







僕は虚ろなユノの手に手を絡める
キュッと絡め返してくるユノの指は熱をもっていて、細いけどそれなりにゴツゴツと骨ばっていた


僕はその指を指先で撫でる


「ん・・・」


そんな事で吐息を漏らしたユノに僕は十分そそられた







そして僕達はホテルへと場所を変えた












にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村はこちらから

ランキングに参加しています