たまゆら 10 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

 

 

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユノは困っていた

 

 

僕にいきなり告白されて驚いたのもあるんだろう
いつもは笑顔のユノが真剣な顔をして謝るから僕は逆に申し訳なくなった

 

 

「謝らないで下さいよ」
「でもごめん、就業規則だから・・・」
「つまり僕も健人と同じで恋愛対象ではないって事ですか?」

 

 

僕はユノの返事が健人に対するものと同じだった事に一瞬は落ち込んだ

 

 

確かにお店を経営する上でお客と何かあってはいけないのは確かかも知れない
でも好きになるってそう言う事だろうか?
そんな事分かっていても好きになるものじゃないんだろうか?
就業規則に反するからだけではユノの気持ちはわからない

 

 

健人も同じだろう
ユノの返事では諦められない

きっとそんな気持ちだろう

 

 

「だってお客さんだから」
「そうですか・・・じゃあここにこなくなったら僕はユノのお客じゃなくなりますよね?そしたら恋愛対象になりますか?」
「チャンミン・・・」

 

 

困らせてるのはわかってる
それでも僕はユノが好きだから足掻いてしまうんだ

 

 

「それとも・・・やっぱり僕はただの客ですか?」
「俺も…一人の人間だから、規則に反したって好きな人なら逃したくないって思うよ」
「僕には思わないんですね?」

「・・・」

 

 

ユノは黙ってしまう
僕への感情はただの客だって事だ
今まで感じた特別も皆、やっぱり客への対応だった訳だ
僕は完全に振られている

 

 

それでも好きになってしまったから、

 

 

「わかりました。ユノは好きな人がいるんですか?」
「いや・・・」
「じゃあ僕を好きになって下さい、お願いします。僕これからもユノに癒されにここに通ってもいいですか?」
「それはいいけど、俺はきっとチャンミンの事は好きにならないよ」
「それはわからないじゃないですか」

 

 

僕はユノにハッキリ言われて内心は哀しかったけれど敢えて満面の笑みで応えた

 

 

「僕もユノが好きだと気が付いたのは今です、だからこれからは好きになってもらえる様に僕、頑張りますから」

 

 

ユノはやっぱり困っていたかも知れない
それでも僕は店に通った
好きになってもらえる様に努力する事は僕の生活に張りをもたらした

 

 

ユノに会うために、二週間に一回の癒しサロンは欠かさない

最近調子良さそうだから月に一回でもいいよってユノに言われてしまったけど

僕はユノに会いたいから週一でもいいくらいだと言ってユノを困らせた

正直アロママッサージも安くはないから二週間に一回くらいが限界だ

その二週間に一回のアロママッサージが本当に楽しみだった

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はいつもの様にうつ伏せになってユノにマッサージしてもらいながら今日は寝ないぞと言う気持ちでいた

ユノにマッサージして貰ってから全敗と言っていい程僕は毎回寝落ちしてしまう

この施術の90分の間に少しでもアピールしてユノに好きになってもらいたいと思うから時間を無駄にはしたくない

だから施術中でも無駄にユノに話しかける

 

 

それでも、マッサージで僕の体が温かくなる頃にはユノの手も温かくなってくるのがわかって、嫌でもその温かさで僕はいつもやられてしまうんだ
じんわりとマッサージで温かくなった体は僕をスーッと眠りに誘う

 

 

「僕、ユノと居ると気持ちが上がるんです」
「チャンミンそれは俺のせいじゃないよ、アロマの香りのせいだ」
「うん、それもあるのかも知れないけれど、最初からユノの存在が僕を癒してくれてるんです」
「そうか?」
「はい」

「癒されてくれるのは嬉しいけどな」

 

 

どうしたらユノは僕を好きになってくれるだろう
そんな事を考えながら話していると、どんどん気持ち良くなって

 

 

結局僕は眠ってしまう

 

 

今日も安定の負けだ

 

 

「故意でやってるでしょう?」

「え?」

「僕を寝かせて、黙らせようってしてるでしょう?」

「何言ってるんだよ」

「はぁ、折角、2週間に1度一緒に過ごせる時間だったのに」

「チャンミンってそういう感じだった?」

「どういう感じ?」

「いや...愛とか恋とかに熱心というか...そもそもゲイじゃ無いはずだし、元彼女の話してたよな?」

「あぁ、元々そういうのにあんまり偏見はなかったから。って言うか僕だって熱心だし」

「あーそうなんだ、ごめん」

 

 

ユノは後片付けをしながら僕に軽く謝る

 

 

「その後健人とは?」

「健人?別に」

 

 

僕が見る限りにも仕事をする2人は普通に見える

健人は健人で諦めきれずに居るんだろうか?

一応ライバルな訳だけど、健人とはあれ以来話せていないし、どんな気持ちでいるのかも気にはなっていた

でもユノは告られた男と一緒に仕事をしていてもあっけらかんとしたものだ

全く気にしていないようだ

 

 

ユノって結構冷めてるのかな

 

 

「チャンミン、ほら。次のお客さんがもう来てるから、いい加減着替えて」

 

 

ね?

 

 

僕に対してもこんな感じで、スっとあっちに行ってしまう

 

 

一体どうしたらユノの気持ちを惹き付けられるのか...

 

 

 

 

 

 

とりあえず僕はしぶしぶ着替えを始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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