たまゆら 7 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は暫く眠ったんだと思う

 

 

健人のお陰で、テラスの椅子に座って外の空気に触れていたら少し頭が痛いのも落ち着いた

 

 

屋根のあるテラスで、外は雨だったけどその雨の音が僕を落ち着かせてくれたからなのもあるだろう
雨は気分が落ちるけど、シトシトと降る雨の音は嫌いじゃなかった
今日は自分だけの香水も作れたし、ただユノとあまり話せなかったのが残念には思ったけど、それは仕方が無いとして、次のアロママッサージの日もあるしいいんだ、と自分言い聞かせる

 

 

ユノには他にもお客さんがいて優しいのも自分にだけじゃないと言うのが分かって良かったと思う
優しいのが自分にだけだとしてどうって話でもないんだけど
僕はそれを嬉しく思っていたのには違いないだろう

 

 

今日は一足先に帰らせてもらおう

 

 

僕はそう思って荷物を持ったその時だった
テラスにユノが慌てた様子で現れた
そして僕が座る椅子の横に来てしゃがんで僕を見上げる

 

 

「チャンミン!大丈夫?」
「あ・・・もう大丈夫です、今帰らせてもらおうかと思ってた所で、」
「本当?もう帰る?帰れる?」

 

 

ユノの質問攻めになる僕

 

 

「大丈夫です」
「きっとアロマの香りをいっぱい嗅いでしまったからだと思うんだ」
「はい、健人にもそう言われました」
「健人が?そっか・・・水持って来たから沢山飲んだ方がいいよ、体の中のアロマを流してしまってね」

 

 

ユノは良く冷えたペットボトルの水を僕に渡してくれる
本当に心配してくれたなら嬉しいのに
これは誰にでもユノはきっとこうするんだ
それが当たり前だし、僕は何を期待していたんだろうって思う
と言うか僕はどうしてユノにそれを望むんだろう

 

 

「ありがとうございます、もう大丈夫なので」
「チャンミン・・・?今日は楽しくなかった?」
「そんな事ないです、一つしかない香水が作れて良かったですし」
「今日は他にも生徒さんが居たからチャンミンとはあまり話せなくて残念だったよ、又次の予約楽しみにしてるから」

 

 

ユノはそう言って僕の手を握った

 

 

嬉しい、
嬉しい筈なのに ユノにそう言われても素直に喜べない
それも全部仕事の為の台詞なんだと思ってしまうから
そう思うと辛くなるのは何故?

 

 

ユノは健人の事はどう思っているんだろう
健人はセクシーだったし優しくていい男だ
仕事でもユノのサポートをしていて近い存在なんだろうけど、僕は健人はユノには似合わない
何故かそう思った

 

 

今まで、ユノにマッサージしてもらい色々な話をして、色々なアドバイスをもらって、ユノは僕を凄く癒して、気持ちを上げてくれたけど・・・

 

 

今は全く違う・・・そう思った



なんだか苦しい事だらけだ

 

 

「送ろうか?」
「本当に大丈夫です、自分で帰れますから」
「そうか・・・」
「もう生徒さんの所に戻ってあげて下さい」
「いや、それはいいんだけど、チャンミンが心配で・・・」
「いいので、本当に、健人にだけお礼を言っておいて下さい」
「わかった・・・」

 

 

僕は荷物を持って椅子から立ち上がる
そして出口の方へ向かう
ユノは着いて来てくれて見送ってくれる

 

 

「じゃあ次は、今月の15日だったよね?待ってるから」
「はい」

 

 

でも僕はその予約をキャンセルした

 

 

ユノとの時間は僕を癒してくれない

 

 

 

 

 

 

そう思った僕は癒しサロンに通うのを辞めたんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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