ハッピーバースデー 8 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

チャンミンに教えてもらった住所に俺は向かって歩いていた

俺の家からはそう遠くなくて丁度いつもの散歩道を挟んで向こうくらいだった

 

 

俺はチャンミンに渡された地図とにらめっこしながら歩いてると向こうからチャンミンとランが歩いて来た

 

 

「ラン!」

 

 

俺が呼ぶと、ランは走って俺の所まで来てくれた

 

 

「どうしたの?」

「あ、道が分からないかもしれないと思って迎えに来ました」

「そうなの?ははっ、わかるよー」

「すみません」

「謝る事ないけど」

 

 

チャンミンは律儀だ

 

 

「もうすぐなんで」

「うん、ありがとう」

 

 

チャンミンに招待されたチャンミンの家は結構立派なマンションで勿論ここはペット可らしい

セキュリティもちゃんとしてて広いエントランスを抜けてエレベーターで部屋のある階まで上がった

 

 

「すごいな・・・チャンミンの家」

 

 

俺は自分のボロアパートが恥ずかしくなってしまった

良くあんな家にあげたもんだ

でも大型犬って飼うと色々大変だしお金もかかるからランみたいな立派な犬を飼ってるのも納得だった

 

 

「リビングでどうぞランと楽にしていてください、僕食事を用意するので」

「あぁ・・・」

 

 

とは言われても緊張してきた

チャンミンって何者?

 

 

俺は辺りを見回してリビングでどうしていいか困ってしまう

もしかしてこんな気さくに仲良くなれる相手じゃなかたんじゃないか?とさえ思えてくるくらい自分とは身分が違う気がした

 

 

「ユノ?」

「え?」

 

 

キッチンから出て来たチャンミンはいつまでも立ってる俺を不思議そうに見て「座って」と言った

チャンミンは既に用意もしていたんだろう、準備にそう時間もかからずできた料理をテーブルに並べてくれる

 

 

「手伝うよ!」

「え、いいですよ今日は招待したんですから」

「緊張しちゃうからさなんか」

「え?なんで又」

「だって・・・」

「緊張してるのは僕の方です、お口に合うか」

 

 

チャンミンの料理はテーブルいっぱいに並べられ、その見た目もとても美味しそうで俺はびっくりした

 

 

「本当料理上手なんだな」

「味はどうだかわかりませんが、さぁ座ってください」

 

 

チャンミンは椅子を引いて俺に進める

 

 

俺は料理の前に座った

 

 

「こんなものじゃランの件のお礼になりませんが、どうぞ食べて下さい」

「そんな事ないよっ!ありがとう」

 

 

見た目も美味しそうだったけど食べてみたら間違いなく美味しかった

美味しいって食べるとチャンミンは目茶苦茶嬉しそうにそうに顔をくしゃっとさせて笑った

 

 

俺の胸がぎゅー!ってなるのを感じた

 

 

こんないい男でこんな立派な家に住んでて、料理が得意でおまけに美味しい

そんな男に優しくされてる俺・・・

 

 

駄目だ駄目だ

 

 

先日、恋愛では痛い想いをしたばかりだ

新しい恋なんて有り得ない

あんなに寂しかったのに、

あんなに哀しかったのに、

もう新しい恋か?チョンユンホ!

少し節操がないぞ

 

 

俺は頭をブンブン振ってチャンミンに不思議そうな顔をされた

 

 

それから話をしながら食事をした

 

 

「そう言えば、ランが喋ったって話、ランは何て言ったんですか?」

「その話・・・今する?」

「どう言う意味ですか?」

「いや、あんまり楽しい話じゃないから」

 

 

俺は思い出すのも嫌だったけどランの事だからってチャンミンにあった事を話し始めた

 

 

俺が彼氏を待っていた事、そこにランが現れた事、そして救われた事

 

 

「えっ!じゃあ別れたんですか?!」

「ん?別れたってはっきり言ってはないけど・・・まぁもう俺に気持ちはないし、あっちにはもう男がいるし・・・ってなんだよその驚き」

「え・・・あ・・・、すみません」

「うん?」

 

 

俺はチャンミンに違和感を覚えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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