散歩に出かける時は十分に注意する
隣近所の人に犬を飼ってるのがバレると大家さんに報告される恐れがある
俺の住んでるアパートは勿論ペットを飼うのを許されてないからもしバレたらアパートを出て行かなくちゃいけなくなる
早めにペット可のアパートに引っ越しを考えないと、と思っていた
そっと外の様子を俺は伺って犬を連れて外に出た
大きな体を揺らしながら歩く犬と一緒に歩く
出来るだけ人通りの少ない道を選んだ
俺は歩きながらこいつの名前を考える
名前を教えてくれると助かるんだけどなぁ・・・
考えるの面倒臭いし「犬さん」でいいか
「ん?犬さん?」
俺は犬さんが立ち止まって見る方を見た
「ラン?!」
え?
そこに居た人が犬さんをランと呼んだ
ラン?ってまさか
こいつの名前?
じゃぁ・・・・この人は
「ランじゃないのか?!ラン!ラン!!探していたんだぞ」
その人の声に犬さんはその人に纏わりついて尻尾をブンブン振っている
その人は犬さんを抱き締めてワシワシと体を撫でる
犬さんは嬉しそうにその人の顔を舐めた
「あ・・・あの、」
「あ!!!!」
その人がは俺の顔を見て大きな声をあげた
「あ・・・あなたは、」
「すみません、もしかしてこの子の飼い主さんですか?」
「あ・・・はい、先日散歩中に逃げ出してしまって、探していたんです」
「実は・・・俺にこの子がついて来ちゃって・・・それで俺が面倒見てたんです」
「そ、そうなんですか・・・ありがとうございます」
俺は犬さんの飼い主が見つかった事にはホッとしたけど、つまりこれでお別れなのかと思うとなんだか複雑な気持ちになる
「あ・・・じゃあこの子はランって名前なんだ・・・」
「はい」
俺はしゃがんで犬さんをワシワシと撫でながらに話かける
「ラン、良かったな、飼い主さん見つかって」
ランは尻尾を振ってる
このままお別れは寂しいな・・・と思わずにはいられないけれど俺はリードを飼い主さんに渡す
「本当にありがとうございます」
「いえいえ、本当にいい子で可愛くて、ずっと心配してたから、見つかってよかった」
でも、ランは動こうとしなかった
やっぱり俺につてい来る
「ランっ」
「おい、お前の飼い主はあっちだろ?」
「行こう」
飼い主さんがそう言っても動こうとしないラン
俺は本当に飼い主なのか?と思ってしまったけどさっきのランの喜び様は見ず知らずの人では有り得ない
「困ったな・・・」
「本当ですね・・・あなたに随分懐いてしまった様ですね」
どうしても動かないラン
に困り果てた俺達はとりあえずランの好きな様にさせてやろうと言う事になった
ランは迷わず俺の家に向かった
「え・・・ここってペット飼ってもいいんですか?」
「ダメなんです、だからコソっと飼ってて」
「すみませんご迷惑をお掛けして」
でもランは俺の家に入ろうとしてて俺は仕方なく飼い主さんを家に誘う
「散らかってますけど良かったらどうぞ」
「ありがとうございます」
丁度いい、ランの喋る事についても聞いてみたいし、俺はランの足を拭いて家にあげた