ハッピーバースデー 3 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

朝起きると、俺と一緒に寝ていた筈の犬がいなかった

俺は寝惚け眼で辺りを手で探ってみるけどあのふさふさで温かかった感触を感じる事はできなくて、俺は暫く考えさせられる

 

 

夢だったのか・・・

でも確かに俺はあの犬を家にあげた・・・よな?

じゃあどこ行った?

 

 

俺はハッとして体を起こす

 

 

「どこ行った?!」

 

 

俺は急に不安になる

 

 

「大丈夫、僕はここにいますよ」

 

 

俺はその声に振り返る

又だ

 

 

又あの声がした

 

 

でもそこにいたのは犬だった

確かに昨日助けた犬がそこに座っていた

デジャブだ

昨日声が聞こえた時もこの犬が座っていた

 

 

「・・・・お前なの?」

 

 

でも犬は答えない

そりゃそうだ

何度も言うけど犬が喋る訳がないのだ

 

 

俺は頭を掻き毟って本当にどうかしてしまったのかと思った

寂しいあまりに幻聴が聞こえているのかもしれない

 

 

王子様の様な声を俺は求めているだけなのかも知れない

 

 

俺は犬の頭を撫でて散歩でも連れて行ってやろうかと思う

でもリードがない事に気が付いて断念した

それより餌か・・・

何か買いに行かないとな

って言うかこのままここに置いておくつもりか?

ここはアパートだし、黙ってここで飼い続けるのは無理だ

こんな立派な犬だ、きっと飼い主がいたんだろう

探してるに違いない

 

 

俺はどうしたらいいか考えて警察に連れて行くことにした

 

 

俺は家から犬を連れて出ようとすると、どうした事か犬は座り込んでしまって動かない

ここに来る時は俺について来たのに今度はいくら呼んでも、いくら俺が先になって玄関に出ても、梃でも動かないんだ

 

 

「おい、ここではお前を飼ってやる事はできないんだよ・・・頼むよ、一緒に飼い主を探そう?」

 

 

俺は犬と同じ目線にしゃがんで頭を撫でながら話しかける

 

 

犬はじっと俺を見ていた

 

 

「おいで」

 

 

そう言っても動かない

 

 

「どうしよう」

 

 

大きな犬だったから連れて行くにも抱えて行ける大きさじゃないし

俺は本当に困り果てた

 

 

でもこの犬に助けてもらった様な気もして無下にもできない

ここで飼ってもいいのなら飼いたいくらいの気持ちはあったけど

隠れて飼うにしても限界があるだろう

 

 

それでも・・・

 

 

「・・・しょうがないな」

 

 

俺は殆ど諦めていた

 

 

「ありがとうございます」

 

 

俺はその声にびっくりして床に腰を付いた

 

 

「お前?」

 

 

やっぱりお前なの?

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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