高嶺の花は愛愛しい 18 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

春になるとユノ先輩は晴れて大学生になってしまった

 

 

なってしまったと言う言い方をする理由は僕にとっててちっともめでたくないからだ

 

 

だってもう学校にユノ先輩はいないんだ

 

 

もう廊下ですれ違う事も、校庭でユノ先輩が校庭でサッカーをする姿を見る事も、渡り廊下で待ち待ち合わせする事も、一緒に帰る事もないのだから、めでたい訳がない

 

 

そして先輩は一流の大学に進学を決めた・・・と言う事は、僕が命がけで頑張っても同じ大学に進む事もできない

ユノ先輩は一流の大学に進んだんだから一流の会社に勤めるだろう

この先、僕がユノ先輩を追いかける事なんて無理に等しい

 

 

そう思ったら、なんだかもうユノ先輩が遠い人の様で・・・

 

 

そして追い打ちをかける様に大学生になったユノヒョンは一気に大人になって見えるもんだから別世界の人なんだ・・・って思って凹むのは仕方がないだろう

 

 

大学生は自由だったし、バイトもする様になったし、車の免許なんかも取ったユノ先輩

 

 

最近はずっとサークルとバイトで会えてない

高校の時は毎日一緒に居れたのに

一緒に帰って一緒に遊んで、ずっと一緒にいた

それが出来なくなって僕は酷く寂しいと思うのに、ユノ先輩はそう思う事もないだろう

そう思うと余計不安な気持ちが大きくなってくる

 

 

「はぁ・・・」

 

 

僕はスマホを見ながら大きなため息をついた

今日もユノ先輩はバイトだろう

親に大学の授業料で負担を掛けてるから少しでも生活費は自分で稼ぎたいとバイトも掛け持ちで頑張っていた

応援するしかないんだ

いや応援はしたい、したけど・・・やっぱり一緒にいたいなって思う

卒業式にキスをしてそれ以降なんの進展んもないしさ・・・

 

 

でも電話したくても色々考えると邪魔になるかなって電話もできない日々だった

勉強する気にもならないのは悶々悶々とユノ先輩の事を考えているからだ

 

 

とりあえずユノ先輩と同じ進路を希望して理数のクラスにしたけど全くやる気が起きない

 

 

僕は気晴らしに本屋にでも行こうと家を出た

 

 

本屋に入って雑誌を少し見て漫画を見た後、一応参考書なんかも見てみる事にする

本屋の奥に行くと数人のグループが居て僕はその人達を避ける様に奥へ進もうとしたら声をかけられてびっくりした

 

 

ユノ先輩だったんだ

 

 

大学の友達だろうか?

クマ先輩じゃないし知らない人達だ

ユノ先輩は僕の所に来てくれた

 

 

「チャンミン!こんなところで会えるなんて!」

「ユノ先輩・・・っ」

「勉強の参考書でも見に来たのか?」

「あ・・・はい」

「そうか、進路はもう決めてるのか?」

「まぁ」

「頑張れよ」

「ユノ先輩・・・あの人達は大学の友達?」

「そうそう、同じ学科なんだ」

 

 

てっきりバイトだと思ってたのに・・・

 

 

「ユノ先輩、この後会えますか?」

「この後か?ごめん、バイトなんだ」

 

 

なんで?バイトは仕方ないけど、それ以外は大学の人と居て僕とは居てくれないんだ?

前はいつも一緒に居たのに・・・

 

 

「そう・・・、わかりました、行ってください、お友達待ってますよ」

 

 

僕はそうやって冷たく言う事しかできななった

 

 

「あぁ、じゃあ、またな」

 

 

行ってしまうユノ先輩

又っていつなの?

 

 

僕はユノ先輩の後ろ姿を見送って寂しい気持ちになるだけだった

 

 

大学に行って僕より一緒に居て楽しい人が出来た?

もう僕の事、好きじゃないの?

一緒に居たいと思わないの?

 

 

僕はなんか哀しくて涙が出そうだった

 

 

「チャンミン!」

 

 

ユノ先輩が戻って来たらか僕は必死で涙を隠した

 

 

「一緒に参考書探すよ」

「え・・・でも、友達は?」

「あーあいつらはいつでも顔合わすし、折角チャンミンに会えたから、又って別れて来た」

 

 

え・・・やば

 

 

嬉しいんだけど?

 

 

「いいんですか?」

「当たり前だろ、今日は授業の課題で視察に来ただけ、それにしても久し振りだな?入学してから色々忙しかったから全然チャンミンと会えなくて寂しかったよ」

 

 

そうサラリと言ってしまうユノ先輩に僕が涙が再び浮かんでくるのを止められない

 

 

「どうした?チャンミン?なんで泣いてるんだよ」

 

 

だって・・・ユノ先輩も同じ気持ちだったなんて嬉しすぎるだろう

 

 

「ユノ先輩・・・ぐすん」

「どうした?」

 

 

先輩は僕の顔を覗き込んで心配そいうだった

僕は思わずユノ先輩を抱き締めて先輩にぐーで頭の天辺を殴られた

 

 

「ここどこだと思ってるんだよ!」

「じゃあユノ先輩の家に行きたい」

「参考書は?」

「いらない」

「いらないって・・・」

「コンドーム買ってユノ先輩の家に行こう」

「?!」

 

 

僕は又ぐーで殴られた

 

 

「痛いしっ!」

「馬鹿なのかお前は!暫く会わない間に何色ボケしてんだ!」

「だって!」

 

 

だって仕方ないじゃないか

 

 

ずっと会えなかったんだから

 

 

ずっと会いたかったんだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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