ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください








近頃疲れきっていた僕はキュヒョンの提案で癒しサロンに行くことにした


駅から程近いアロママッサージ店は小さな入り口で、階段を下りた地下一階にあった
広くはない店内は間接照明で落ち着く雰囲気で悪くない
そしてなんだろう
アロマの香りか。入店と共にとてもいい匂いが漂って来た


「いらっしゃいませ。ご予約のシム様ですね?」
「はい」
「お待ちしておりました」


上品に頭を下げたスタッフ
僕がネットで指名した男性スタッフだった


イケメンなだけでなく仕草や話し方が上品で独特の色気がある
それは男から見てもいやらしくなく感じて、素直にいい男だな、と思った


男にマッサージされるんだから、どうせならこう言う男の方がいい
店の雰囲気もスタッフも当たりだなと僕は思った


入ってすぐのカウンセリング用だろうその席に進められて僕は上着を脱いで座った


「上着お預かりしますよ。」
「ありがとう」
「外、少し寒かったですよね?」
「えぇ。今日はなんだか」


僕達は他愛のない会話を交わす


「まずは白湯で温まってください」


小さなカップに出て来た白湯は飲みやすい丁度いい温度で、僕はそれをゆっくり一口飲んでホッとする


「まずは体の中を温めて血流を促進するとマッサージで老廃物が排出されやすくなるので」
「へぇ。そうなんですね」
「ゆっくり飲みながら初めてですのでこちらを記入して頂いてもいいですか?」


簡単な情報を書く用紙を僕は埋め尽くしていく


「ご気分はどうですか?」
「え?」
「今日はシム様のご気分に合わせた香を手元にとマッサージのオイルに選ばせてもらおうと思います」


そう言ってそのスタッフはにっこり笑った


「あぁ……。そうですね。最近はちょっと疲れていて」
「そうなんですね。やっぱりお仕事とかですか?」
「えぇ。まぁそんな所です」


仕事は勿論そうだけど、女と別れた事は伏せておいた


会って間もないのに、いきなりそんな話をするのもなぁと思うし
スタッフは「そうですかぁ・・・。」とテーブルに用意されてるアロマの小瓶を指でなぞりながら選び始めた


綺麗な指先


「どんな香が好きですか?柑橘系、ウッドや、フローラル系、ハーブ系。アロマは300種類あるんですよ?ここでは厳選した香だけを置いてますけど」


くるくると目を泳がせて香を選び、僕の前にその小瓶を3つ置いた


「人気があるのはオレンジやグレープフルーツの柑橘系です」


小瓶の蓋を開けて「嗅いでみて下さい」と僕に進めて来る


僕は鼻を近付けて軽く嗅いだ


「あぁ。いい匂い」
「でしょ?グレープフルーツです。こちらはヒノキ」


もう一つ進められて僕は持ってたグレープフルーツの瓶を返す
受け取った店員と指先が触れる


「あ。すみません」
「全然大丈夫です」
「白湯のおかわり淹れますね」
「ありがとうございます」


そんなやり取りをしながら僕は今日の香りを決めた


「お手洗い良かったらどうぞ」
「あ。大丈夫です」
「そうですか、じゃあ早速施術にはいりましょうか」
「お願いします」


僕はスタッフにそう言って微笑かけた
微笑み返してくるスタッフ


本当何とも言えない艶のある男だ


僕はそのスタッフの後につてい施術部屋に移動する
部屋は3つに仕切られていて入り口はカーテンになっていた
中はやっぱり間接照明で落ち着く雑貨が置かれていてお洒落な空間だ


スタッフについてその部屋に入ろうとすると、隣の部屋のカーテンがそっと開き、中から別のスタッフが出て来た
隣に他のお客さんがいて施術されていた様だ
そのスタッフは僕に挨拶をしてから、僕の担当のスタッフに声をかけた


「健人、香は決まった?」
「はい。ユノさん。グレープフルーツとヒノキです」
「あぁ、いい組み合わせだね。でも、シムさん、今日はベルガモットにしてラベンダーを少し足してみませんか?」
「あ………どうして?」
「大分疲れてるみたいだし、寝れてないでしょ?ベルガモットは抗ストレスが期待できるから。ラベンダーは勿論快眠に効果的だしね」


ユノと呼ばれたその人はもう一度僕を見て言った


「とりあえず今日は寝ておいで。健人はとても優しい施術が得意だから癒されると思うよ」
「はい」


正直驚いた
一目で疲れてるのを見抜かれたのも驚きだったけど、寝れてないのは誰にも言ってなかったからだ


後でその人がこのサロンのオーナーだって教えてもらった
そして僕の担当の子は健人と言う名前だって事


オーナーのユノは、アロマの調香師らしく、ベルガモットの香りにラベンダーを足した香りは、二つの香りが合わさって全く違う香になっていて驚いた


ユノが言った通り健人のマッサージは優しく僕を癒し、とりあえず眠った


それはもう全く知らぬ間にだった










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ユノと思わせてケンティ―だった。(笑)