ラブストーリー -2ページ目

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください










僕はユノに触れたいと思ったんだ



ただの視聴者でどうでもいい会社の上司だった筈のユノとエロ配信してる内にユノのエロさにハマって行ってたなんて気付く訳もない


でもそう気が付いた瞬間だった


僕はこの配信が20万人弱の人に見られていると思ったら凄く嫌だと思った


僕は配信を止めた


「え?」


ユノがびっくりする


「切っちゃったのか?!」
「...はい」
「え??」


僕はスマホを伏せてしまう


「何やってんだよ」
「もういいです」
「もういいって...ゲリラって始めたと思ったら切っちゃうなんて、見てる人を振り回しすぎだろ」


それは分かってる
でもユノを見せるのが嫌になったんだ
不特定多数の人にこんなエロいユノを見られてると思うと耐えられなかった


「とにかく、もう止めます、ユノとの配信は」
「え...?なんで急にそんな事言うんだよ?もう少しで登録者数だって20万人に達するのに」


ユノは僕に抱かれたくて20万人の登録者数になるのを気にしてるかもしれないけれど
僕はそんな事どうだっていい
元々登録者数には拘っていない
ユノが抱いて欲しいと言うから無理な数字を言っただけなのに、登録者数は間も無く20万人に達しそうな勢いだった


ユノ目当ての視聴者は多い


「いいから、着替えて」


僕はユノに服を着せて部屋を追い出すように帰らせる


「ちょっとチャンミンっ、俺何かした?」
「違います」
「じゃあなんで?」
「兎に角配信はもう出なくていいです、僕一人でしますから」
「...そう」


ユノが納得出来ていないのはその表情から見て取れた
どうして急にそんな事を言い出したのか
僕だってどうして急にこんな事になったのか
まだ整理ができていない


「でも...いきなり配信を止めた事とか、ちゃんと説明した方がいいよ」


そう言うユノにわかりましたとだけ言って扉を閉めた


暫く静かだった外から足音が聞こえてユノが帰ったんだってわかると、僕はホッとして部屋に戻った


ユノの言う通り、説明は確かに必要かも知れない
いきなり配信を取り止めた事で困惑してる人は多い筈だから


僕は配信部屋でカメラを設置して、そのカメラの前に座った


配信を始めると続々と視聴者は増えた


「皆さん、さっきは突然配信を止めてしまってすみませんでした」


チャット欄にはビックリしたとかどうしたの?とかメッセージが流れる


「そうだよね...突然でビックリしたよね」


ユノが居ない事に気付いた視聴者から、ユノは?と言う質問もあった


「ユノには帰って貰ったよ」


どうしてだとザワつくチャット欄
喧嘩した?とか具合が悪いのか?とか色んな憶測が飛び交う


僕はもうユノは配信には出ない事を告げる
どうしてと言う質問に僕はユノが嫌いだからと答えるとチャットではそうなの?と疑う声が上がる


嫌いに決まってる
あんなに毎日仕事を振られて遅くまで残業させられて嫌な上司だ


ただこうして近づいて話すようにもなって、悪い人ではないのはわかった


意外に可愛らしい面があって仕事中に見せる姿からは想像もできなかったエロさに惹かれたのも確かだ


でも


それだけだ


「嫌いです、多分あっちも」


そうだ、じゃなきゃあんなに仕事を押し付けないだろう


僕に抱かれたいと言ったのは単なる興味だ


チャットでは嫌いなら一緒に配信なんて出来ないよと言うコメントもあった
逆で、それって好きだからじゃない?という人もいた


「それはないよ」


僕がユノを好きだって?
あるわけが無いよ


チャット欄は僕とユノの事で大盛り上がりだった


兎に角僕は配信を止めた事を謝ったし、ユノが今後出る事はないと報告も出来た
配信を終わらせようと思った
その時


「俺はっ、嫌いじゃないよ!!」


え?!誰?!とチャット欄も驚いたが
僕はいきなり部屋に入り込んで来たユノに驚く


「あんた...っ」


ユノだって、チャット欄がザワつく


画面には映り込んでいないのに声だけでわかってしまったのか


「俺は、好きだ!仕事に関しては甘えてた部分もあるけど、それはお前の優秀さを買っての事だからっ、嫌がらせでもなんでもないぞ!」
「そ...そうなんですか...って言うか...」
「最初はお前の体に興味があっただけだけど...色々知る内に...多分好きになった、じゃなきゃ配信に出ることを拒否されてこんな気持ちにはならないよな?」


な?って聞かれても困る


ユノはどんな気持ちになったって言うのか


ユノの公開告白に登録者数は増え続けていつの間にか20万人を超えていた


超えたよ、ってチャットのコメントで僕は気付く


ユノも気付いたのか僕を見て言った


「約束だぞ」
「...」
「お前が俺の事嫌いでもいいよ、抱けよ」
「...」


僕はユノが嫌いだ...


嫌いな筈だ




なのに酷く動揺してた







僕はどうしてこんなにユノを見せるのが嫌なんだろう...
どうしてこんなにユノを抱く事に動揺してるんだろう


僕はまだ理解できていない胸のザワつきを、どうしていいかと思い倦ねていた











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