私はビリヤードを習っています。習い始めて三年近くになります。
その教室に年頃も私と同じくらいか少し上くらいの女性が習いにきました。
週に一度の練習でまるで上達しない私とは大違いの女性です。
練習の様子をみていると私とは集中力が違うのです。
わき目をふらず、会話は先生への質問のみだけです。
毎回、教室での時間内に五分程度のティータイムがあります。
そのとき、彼女が私に自宅への招待を申し出てくれました。
一心不乱に練習に打ち込んでいる彼女の姿からは、
私にとっては驚くほど唐突でした。元来、人が好きな私は遠慮しながらも申し出を受けました。
方向音痴の私は住所・電話番号を聞き彼女が指定してくれた日に訪問させてもらいました。
我が家から近い方向とはいえ、比較的郊外に位置する彼女の家は
驚くほど広大な土地と豪邸でありました。
まるで私の心は初めて訪れる家政婦のようにおずおずと玄関のブザーを押しました。
出迎えた彼女は満面の笑みを浮かべて気さくに自宅へと案内してくれました。
まるで異次元の世界。
大げさかもしれませんが私がこれまでにお付き合いした人達のどの家よりも
品が良く、調度品のセンスの良さに心の中で感嘆の声をあげました。
おまけに広大な庭にはテニスコートまであり、
休日にはご主人とプレーを楽しむようです。
その中で私が一番驚いたのは彼女お気に入りである数々の
パワーストーンクラスターでした。
クラスターは居間の飾り棚やキッチンのテーブルに愁然と構えているのです。
中でも居間の一角に置いているヒマラヤ水晶は素晴らしいものでした。
彼女はそのヒマラヤ水晶に毎日感謝の言葉を述べ、
守ってもらっていると話していました。
ご主人はある会社の会長職であること。そのご主人が今後も健康であること。
そして子供に恵まれなかった彼女は共に人生が終わるまで仲良く生きたいこと。
これらを話してくれました。
ヒマラヤ水晶は最界最高峰の山です。
そこで取れる水晶は最も希少価値の高いものといわれています。
また万能の石としても名高い石です。
持つ人を守り、力を発揮してくれるパワーストーンです。
確固たる信念をもちビリヤードに挑戦する彼女の支えは
ヒマラヤ水晶だと思いました。
常日頃、自分の夫の健康を気遣っていると錯覚している私です。
彼女は常にご主人の健康・ご夫婦が共に仲良く生きていけるように
ヒマラヤ水晶に念じているのです。
その彼女の姿に、私は強さや優しさを感じずにはいられませんでした。