2020年にスキービンディング FRITSCHI DIAMIR TECTON12 の歩行性について記事を書きました。
ビンディングつま先側(トゥーピース)に設置されているバンパーによって、スキーブーツの踵を上げる動きが制限されるという内容です。
その結果、歩行性が悪いというものでした。
とにかくジルブレッタは歩きやすく、林道などの長距離歩行では疲労の差となって現れます。
手前が往年の名機ジルブレッタ、奥がFRITSCHI DIAMIR TECTON12
踵のあがる角度が違います。
その原因がトゥーピースに設置されたバンパーとブーツが当たる事によるものです。
その結果、歩く際にスキーが持ち上げられて疲れます。
さて、北海道が誇るS岳荘で改良されたFRITSCHI DIAMIR TECTON12を見てきました。
結論から言いうと、他のTLTビンディングと同程度まで踵が上がるように改良されています。
因みに、G3 ION10
MARKER KINGPIN13
これだけ踵が上がれば、キックターンでも問題なさそうですね。
歩行性に影響を与える「ビンディングの踵を上げられる角度」について、TECTON12は相当改善されたことがわかりました。
しかし、ブーツの形状も歩行性に影響を与える重要な要素だと思われます。登山靴はふくらはぎと靴が干渉しないように後ろ側が凹んでいますが、スキーブーツは滑走時の安定性を考慮してふくらはぎ付近までサポートする構造になっています。この構造がスキーブーツの歩行性を悪くしている要因でしょう。
そう考えると、滑走時の安定性と歩行性の両立は、今後のブーツ設計の課題の一つだと思います。