登場人物のおさらい
成瀬 光一(男):高校2年の主人公
成瀬 愛美(女):主人公の妹。やんちゃ好き
福岡 ○○(男):主人公の友達。女ったらしらしい
中山 千里(女):1年の時からの友達
美恵 美恵(女):主人公曰く、オバカ
三越 泰三(男):担任の先生。凍て付くような寒いオヤジギャグが得意。

※前回のお話で誤って6月10日とかかれておりましたが、正しくは4月10日でした。

その1はこちら
その2前編はこちら
その2後編はこちら

----------------------- シナリオここから
4月13日、月曜日。

今日から6時間授業が始まる。
集中力を切らさぬよう、瞑想をしないとな。

そしてだ。
ついに、福岡へジャンケンを試すときが来た。
この週末、必死に今までの福岡が出した手を思い出してみると。
結果、最初はチョキ、その次にグーが多い事が判明。

つまり、一発目がグーで、もしあいこだった場合はチョキを出せば勝てるのだ。
完璧なシナリオ過ぎる。

俺はわくわくしながら学校へ向かった。

教室のドアを大きく開き。

「ちぃーっす!」

今日も気合を入れて挨拶する。
まぁ、誰やねんみたいな顔で見てくるやつが多いが、気にしない。

俺は千里の前へ直行し、借りていたルーズリーフを差し出す。

「おはよ。いつもサンキューな。そして今日も頼むぜ」

千里はルーズリーフを受け取り。

「おはよぉ。今日から6時間授業なんだし、午後だけでもまじめに書いたら?」

「ふっ。俺はいつも真面目さ。ただな、瞑想してて暇がないんだよ」

「またぁー。よく1日中瞑想できるよね。悪い意味で関心しちゃう」

ぷっとニヤニヤしながらそういわれた。

「そうだろうそうだろう。だから、毎日よろしくな」

俺はあえてそのまま返す。

「あ、そうだ、光一くん」

「ん。なんだ?」

「たまには、私のお願いも聞いてもらえない?」

千里は両手をあわせ、お祈りのようなポーズを取る。

「お願い?高く付くぜ?」

「えーー。あのね、友達にプレゼント渡したいんだけど、
 男の子の好きなものってよくわからなくて」

「それは何か?俺様を買い物に付き合わせたいって事か?」

千里は笑顔になり。

「うんうん!出来ればアドバイスほしいなーって思って。
 いいでしょ?たまには私のお願い聞いてくれてもー」

「うーむ・・・女の買い物はなげーからやだよ」

「今回は女の買い物じゃないよ?男性にあげるプレゼントだもん」

「ふーん。で、それは何処の誰に上げる物なのかね?」

俺はニヨニヨしながら質問する。

「先輩だよ。もうすぐ誕生日だから、
 部活のみんなが合わせて買おうって話になったの」

誕生日か。
そういや俺の誕生日も来月(5月)の11日だな。

「へぇー。じゃあ部活のみんなで話し合って聞けばいいじゃん」

「それがね、男の子がほしがるものって意外と出てこなくて。
 そこで、光一くんの出番ってわけ」

「はぁー。俺先輩の代わりかよー。めんどいな」

「そういわずにね?いいでしょ?」

「だが断る!」

「またー。じゃあ、お願いも聞いてくれなかったら
 もうノート見せてあげないよーだ」

こいつ。
駆け引きがうまくなってきたな。。。

「まじかよー!なにそれ、強制すぎね?」

「おねがぁーい。ついてきてぇ?」

瞳をうるうるとさせながら、
両手の平を合わせて顔を近づけてくる。

「ちょっ。ドアップやめてくれ。
 俺じゃなくて福岡つれていけよー」

「だめだよー。福岡君お金持ちだから
 価値観があわないよー」

「はぁ。まったく。じゃあ10分だからな。それ以上は付き合わん」

「えー。10分じゃお店全然回れないじゃんー」

「何件回るつもりだよ!やっぱり俺を連れまわす気満々じゃねーか」

「じゃあ、行く時までにいいの考えといて?」

「はぁー。ため息しかでねーわ。で、先輩って誰よ?」

「3年生の野口先輩だよ。知ってる?」

「ああ、身長高いバスケ部のキャプテンだろ」

「そそっ♪話が早いねー☆」

「わーったわーった。考えとくよ。で、いついくわけ?」

「今週末とかどうかな?」

「あん?俺様の週末をつぶす気か?」

「だってー。今週から6時間授業だし、私部活かるから行く暇ないもんー」

そう言われれば確かに。
こいつ、平日はバスケ部に通いっぱなしだもんな。

「わかったわかった。じゃあ今週の土曜でいいか?」

「うんうん。よろしくね☆」

「はいはい。。。。だが断る」

「じゃあノートなしね」

「・・・・」

千里はルーズリーフをひらひらさせ、交換条件を強制してくる。
くそう。弱み握られたな。

「わーったよ!ちっ」

「わーい☆」

両手を挙げて本気でよろこんでやがる。
くそ、笑顔が微妙に可愛いじゃねぇか。

「んじゃ、土曜な」

「うんうん♪楽しみにしてるよー」

なんかけったくそ悪いが、ノートを人質にとられてしまっては困る。
次回からは行ってやったと言う弱みで断る事にしよう。
俺はしぶしぶと自分の席へ立ち去った。

ん?
美恵の席はがらんとしている。
今日は美恵休みか。

そういや先週も結構休んでたよな。
病気がちなのかもしれん。

バイトしすぎで疲れたか?

そんな事を考えている間にチャイムはなり、
俺の瞑想時間が始まった。


あっという間に午前は終わり、
ついに福岡と対決する日がやってきた。

俺はすぐに福岡の席へかけより、人差し指で福岡を指し示す。

「福岡よ。ついに俺の時代がやってきた。
 もがき苦しむがいい」

福岡はそんな俺を見ても冷静で。

「はいはい。んじゃ、2年一発目のジャンケンといきますか!」

「望むところだ!」

よし!
福岡はチョキを出す!
それて俺はグーだ!

「ジャン、ケン!ポン!!」

勢いよく俺はグーを出した。
さぁ、福岡は!

「あいこか」

だが!ここまでは作戦通り。
グーかチョキを出す確率が高いのだ。
しかし!
次は必ず福岡はパーを出す!
これが俺の研究結果だ!

「あいっこで!!ショ!!!」

風をも見方にする如く、高速に俺はチョキを出した!
そして、もちろん福岡は!!

「お前はパーだーー!!!!」

勝ち誇った笑みで福岡の手を見る。

「お前の頭がパーだよ」

「なっ!!!なんだとーーー!!!」

福岡がまさかのグー!
そんなバカな・・・
俺の研究が・・・

「ば・・・・ばかな・・・こんなはずじゃ・・・」

俺はしばらく動くことが出来ない。
アストロ○の呪文にかけられたようだった。

「バカはお前だって。さぁ、いってこい。俺、焼きソバパンとミルクコーヒーな」

フリーズした俺のチョキの手に、小銭がおかれた。
俺の研究成果は、初日にあっさり否定されてしまうのであった。


その後、俺は高確率で負けていたことは、
言うまでもない。


To be continued.