今回は、私がミセスの中で一番といってもいいくらいだいすきな、忘れられない曲

 

umbrella

 

を考察していきます。

 

umbrellaは私にとって

 

もう会うことはないだろう、大切な人との思い出が凝縮している歌です。

 

 

ということは置いといても、

 

切なくもやさしい、どこか懐かしさを感じる曲だと思います。

 

恋人、友達、家族、ペットなど様々な自分にとって守りたい、大切な何か

 

を思い出させる、そんな暖かな曲です。

 

 

 

この曲の予備知識として

 

・この曲は2013年夏前 (梅雨の時期)につくられた曲(大森さん高2)

 

・ミセスの活動に携わられた方が、この曲が大好きで、その方の葬儀の時にご家族の方がこの曲のでも音源を流してくださり、

温かい気持ちになった。そこで、メンバーでこの曲は音源化した方がいいという話になり、音源化された(2016)

 

・大森さんにとって、ほんとは音源化せずに、自分の心に閉まっておきたい大切な曲

 

ということです。

 

 

 

考察は、作り手の意図、意志、想いをできる限りくみ取る作業なので、

 

ある程度作り手の情報(何歳の時に作られたか、どのような経験をしてこられたのかなど)は必要なのです。

 

 

不幸の雨が降り続き 傘も無い僕は 佇む毎日

伝えられるのに僕らは 壁を作って逃げた 

でもなんでなの

 

人が連なって 生まれる意味も

人が散らばって 消えゆく星が泣いているよ

 

まず、主人公が自分の想いを伝えることができず、葛藤する様子が描かれます。

 

想いを伝えたいのに、自分の気持ちに素直になれずに、壁を作ってしまうんだと。

 

お互い想いを伝えたいはずなのに。

 

 

人というものは、人と人とのつながりで誕生します。

 

しかし、いつか必ず、どんな形でも「別れ」を迎えることになります。

 

そんな人と人との温かなぬくもり、つながりで結びつくことができるのに、

 

なぜ、いつか必ずほどけてしまうのだろう、と。

 

 

この主人公は、せっかく結びつくことができた心も、ほどけてしまうことに絶望しているように感じます。

 

 

 

色がついたら僕に名前をと

空が茜色に染まるあのように

君が笑えるならば側にいよう

僕が傘になる 音になって会いに行くから

 

きっと、相手の方は、主人公と心を通わせていたころ、

 

すごく心が弱っている状況だったのかなと思います。

 

「君が笑えるならば 側にいたい」

 

主人公がこの人を守りたい、

 

(この人の心に降り注いでいる雨の傘になりたい)

 

そう思っていたと考えられます。

 

「音になって会いに行くから」

 

という言葉が印象的で、

 

当時ミセスとして活動していた大森君ですが、

 

この人に歌を届けたり、ふたりで一緒に歌ったりしていたんじゃないかな。

 

 

そんな光景が、この一文によってちらっとみえます。

 

「傘が雨をはじいて音を奏でるように、僕も君のそばで音を奏でるから、まってて。」

 

そんなことをいいたかったのかな。

 

 

 

苦しいけど唄歌うわ歌えど 胸の穴が埋まらなくて

寄り添うために神様は 二人で一つを決めた 

でもなんでなの

 

人が連なって 生まれる意味も

人が散らばって 消えゆく星が泣いているよ

 

 

あの頃みたいに君と寄り添いあいたいのに、お互いにいつからか意識するようになって素直になれなくて、

 

苦しいから歌ったり、歌にしてみたりするけど、

 

君と寄り添いあえなくて寂しいんだ、と。

 

それくらい、主人公にとって相手は大きな存在になっていたのでしょう。

 

それなのに、なぜその気持ちから逃げてしまうのだろう、と。

 

二人で一つ  

 

というのは、傘では相合傘の状態になるのかな。

 

生まれる意味という歌詞が続いていることからも、

 

人と人のつながりを表しているような気がします。

 

ひと二人がであって、紡ぎあってつないでいくのに、

 

なぜ別れがあるのだろう、という意味でしょうか。

 

胸が痛い この痛みに名前をと

じゃなきゃとてもじゃないけど生きてけないよ嫌になるから

降り続けるんだ雨は少しだけでも

僕が傘になる 音になって 会いに行くから

 

主人公のこの葛藤や状況のはざまで苦しむ様子が描かれます。

 

しこの苦しさが何というのかわからないから、

 

この胸の痛みがなんなのかだけでもわからないと、嫌になってしまう。と

 

 

主人公にとって、このような感情になるのは初めてだったのかなとおもいます。

 

心と体は全く逆のことをしてしまう、

 

そして、君とすれ違ってしまっていることがつらい。

 

大森さんは、歌詞にすることで感情を発散させていますが、

 

この感情に名前をつけれないことが、主人公をさらに混乱させてしまっているように思います。

 

恋とか愛とかそんな言葉で済ませたくないという風にもとれます。

 

主人公の苦しさが伝わってきます。

 

 

 

 

君と一緒に何を観よう

僕と一緒でよかったの?

不安なんだ

いつか壊れるのは

なんとなくだけどもわかってるんだ

 

自制をこの節を今までの節の前に置くのか、それとも後ろに置くのかで解釈が変わってきそうですが、

 

後に続く節の感情変化より、私はこの節の自制を今までの節の後に置きます。

 

 

そうなると、いままで一人で葛藤を抱えていた主人公が、相手と二人きりでなにかを観ているシーンに切り替わります。

 

「観る」という言葉から、おそらく映画ではないでしょうか。

(大森君は映画だいすきです)

 

僕とほんとに一緒にいてよかったの?

 

と自信なさげな主人公の様子が描かれています。

 

主人公は自分が付き合わせてしまっている

 

と感じてしまうのでしょうか。

 

 

君と僕の関係は、いつか壊れてしまうだろうと驚きの発言をします。

 

しかし、今までの歌詞から、そう思うのも容易にわかります。

 

相手はそもそも弱っていたのです。

 

相手の心には雨が降っていた雨は止んでしまうということ。

 

つまり、「傘(主人公)」の存在は相手にとって必要なくなってしまうのです。

 

ほんとは、胸が苦しいのは

 

「相手にとっていつか自分は必要なくなってしまうのではないか」

 

という危惧があったからではないでしょうか。

 

しかし、自分は「君」を必要としている。

 

君を守りたいと思っていたものの、いつしか君に守られていた

 

そう気づいたのかもしれません。

 

イカレタものばっかであきれるんだ

この世界の仕組みも

そうあなたも

やり場のないこの感情は

もう空に向かって放つしかない

 

当時、ミセスとして活動をし始めた大森さんが制作した曲は

 

世界に反抗的な、世の中に対して不満がある楽曲が多いなと感じます。(これは主観ですが)

 

けっこうひねくれていたイメージがあります。

 

高校生という多感な時期、まだ大人になりきれていないような時期に、音楽という道に進み、

 

振り向いてくれない社会や、世の中のおかしなところをみたり、触れたり、感じたりしたのでしょう。

 

そしてまた、「あなたもイカレている」と。

 

なぜそう言い放ったのか、私にはわかりませんでした。

 

素直になれず、壁を作る点においては、主人公と一緒です。

 

主人公が勇気を振り絞っても、逃げられてしまったからでしょうか。

 

それとも、彼女の心が弱っている原因になにか理由が隠されているのでしょうか。

 

 

ただ、「やり場のないこの感情」を「もう空に向かって放つしかない」ということなので、

 

寄り添いあいたいのに、それができないのかな。

 

それとも、今まで「雨が降る」という表現は、相手の感情に用いられてきたため、

 

この「空」とは相手のことだったりするのでしょうか。

 

「もう君にこの感情を伝えるしかない」という真逆の意味になります。

 

とらえ方様々ですね。

 

 

「色がついた」

「色が褪せた」

「空が晴れた」

僕に名前をと

もう傘はいいね

僕はただ 会いに行くから

 

「色」とはなんなのでしょうか。

 

雨が降った日は、空が澄んできれいな夕焼けに染まります。

 

そして夜になるにつれ、夕焼けの色は褪せていく。

 

きっと、それだけではないような気がします。

 

「色」とは、思い出なのかなと思いました。

 

寄り添いあいながら歌ったり、悩みをたがいに打ち明けたり、一緒に映画を観たりした思い出は色あせていく。

 

君の心は晴れたけど、僕は君のそばにいたい。

 

だから、この関係に名前が欲しい。

 

もう、僕は君の傘になる必要はないけれども、

 

君の側にずっといたいから、僕はただこの気持ちを君に伝えに行くよ

 

そんな愛のメッセージだと受け取りました。

 

 

 

みなさんは、どう感じましたか?