ワタシのなかで“お姫様だっこ”って特別なかんじ
あんなに密着するし、もしワタシなら嫉妬しちゃう
だから
だから
Fさんの態度はショックだった
それはワタシに場の雰囲気も関係ないって感じさせるくらい大きかった
ようやくお姫様だっこから開放されておりてから
ワタシはFさんの方を向けなかった
ワタシ「あ、明日、集中講義が1コマからあるんで、お先に失礼します」
先輩たちに挨拶して
わき目もふらずに外へでた
カラオケの近くにゆぅみんが住んでる
ゆぅみんちに行こう
ぽろぽろぽろぽろぽろ
なみだが出てきてとまらない
すぐに
熊ヒゲさんが追いかけてくれた
熊ヒゲ「おぃ!こぐまどーしたょ?!なにがあった?どーした??」
ワタシ「もぉいいんです、ワタシ。ゆぅみんち行きますから」
熊ヒゲ「ちょっとまてお前!!」
追いかけてきてくれてうれしかった
でも
一番追いかけてきて欲しい人は熊ヒゲさんじゃないのに
ゆぅみんちについてうまく話せないで泣いてばっかのワタシをゆぅみんは黙ってそばにいてくれた
・・・・・・・・・・あ。店長さんからメール
店長さん『大丈夫か?番号しらんからかけれん…』
ワタシ『大丈夫です(^‐^)ありがとうございます』
店長さん『つよいなぁ~、ま、また連絡するよ!!』
強くなんかない
弱いからこんなになってる
付き合うなんていわなきゃよかった
かかってくるだろう電話
かかってこなかったら怖いから
かかってきても出たくないから
ケータイの電源を落とす
落ち着いたころ、熊ヒゲさんがゆぅみんちにきた
熊ヒゲ「Fくんから連絡きた?」
ワタシ「・・・・電源いれてません」
熊ヒゲ「そっか。・・・あいつ、お前いなくなってから、消えたで」
ワタシ「え」
熊ヒゲ「荷物も上着も店のケータイも置いたままおらんくなったで」
ワタシ「え」
熊ヒゲ「もう送別会おわりそーだぞ…あいつに電話したけど充電きれたみたいで連絡つかんし」
ワタシ「・・・・・・・・・・・」
熊ヒゲ「・・・・・Fくん、お前んちおるんやないん?」
まだまだ寒い2月末
上着も置いてどこにいったの??
ワタシんちの鍵なんてまだ渡してないし
どこにいるの?
ゆぅみん「…とりあえず、自分ち帰ってみたら?」
ワタシ「・・・・ぅん。」
外に出たらすごく寒かった
カラオケからワタシんちまで自転車で10分くらい
遠いのに
どこいったの??
ほほをなでる風は冷たくて
はく息もこおりそうに寒い夜
ようやく家についたときはお酒でほてったワタシの体もひえきってた
階段をあがって手前から2番目のドア
ワタシんちのドアの前に
Fさんがうずくまってた
なんだか
付き合ったのは間違いだったとか
もう別れようとか思ってたの忘れて
Fさんを抱きしめた
ワタシ「・・・・・・体が冷たいよ」
Fさん「・・・・お前がいなくなったあと、店長もすぐ出て行った」
ワタシ「・・・え」
Fさん、ずっと震えてる
身体がすごく冷たくて長い間ここにいたんだなってわかる
Fさん「ケータイいじりながら出ていったから、絶対お前んとこに行ったって思った」
ワタシ「・・・・店長さんと会ってないよ」
Fさん「追いかけたら、お前もいなくて店長もいなかった」
ワタシ「・・・ゆぅみんちにいたの」
Fさん「電話かけてもつながらんし、おれのケータイも電池きれるし…」
ワタシ「・・・・・・ごめん」
Fさん「まじで怖かった…お前が店長とどっか行ったんかと思った」
ワタシ「・・・・・・・・・・・・」
Fさん「お前んちいったらいつか帰ってくるだろーって思って・・・」
ずっとうずくまったまま顔もあげずに
ぽつぽつと
気づいてみたら電池なくなったケータイは投げてあった
電池パックもはずれてるくらい
ワタシのこころはだんだん落ち着いてきた
Fさんを抱きしめてたら
ワタシの体温がつたわって少しFさんの身体にぬくもりがでてきた
ぎゅっ
急にうずくまってたFさんの腕につつまれる
Fさん「バレたら困るって思ってた、お前が抱きつかれたりしてるのとかすっげーつらかった」
Fさん「でも、お前いなくなって、バレるとかどーでもよくなって…走ってここまできた」
Fさん「おれ、お前のこと、ほんとに好きだから、だから・・・・」
ワタシ「もう、いいよ」
ありがと
寒いのに
みんなにバレちゃうのに
走ってきてくれて
ありがと
ワタシ「もぅ、大丈夫だよ…おうちにはいろぅ?」
Fさん「・・・・うん」
Fさんのほっぺに涙のあと
そっとふいてあげたら
「涙じゃないやい!!」
ってさ・・・
ありがと
なんだか少し自信もてるよ、あなたの気持ちに
ありがと
後日、Fさんは迷惑をかけてしまった料理長さんとお姉さんにすべて(今までの店長さんのメールとかも)はなし、料理長さんは店長さんのことにびっくり・お姉さんはカンカン
お姉さんが店長さんに『こぐまはFさんのオンナだから手を出すな!!』ってメールしたらしいです
・・・・・・・あとで店長さんから『誰がキミを好きだろーが関係ないけどね!』ってメールきましたけど。