電話。
自宅に帰って、渡されたメモをもう一度見直す。
そして、電話をしようか、しまいか、悩んでいた。
「からかわれているだけだったら?」
「もし、電話をして、何を話すというのだろう?」
そう悩んで日々を過ごしていった。
そして、3日経ったある日、
「悩んでいてもしょうがないし、電話してみよう!」
と思い立って、当時持っていたPHSから、渡された彼の携帯番号へと電話をかけてみることにした。
プルルル・・・。
「はい、もしもし。」
聞きなれた店員さんの声。
受話器を持つ手が震えた。
「あ、あの、○○(苗字)ですけど・・・。」
震える声でやっとそう言うと、
「あ・・・!
こんばんわ!!」
と電話の向こうで嬉しそうな声。
何を話すんだろう?と悩んでいたのが嘘のように、会話が弾んだ。
ビデオ屋の店員さんの彼、こと晋也さん(仮名)は、歳は私の7歳上の24歳。
って24!??
当時17歳だった私にとっては充分に大人の男の人だった。
「初めて見たときからかわいいと思ってたんです。」
と言われて、
この人、目がおかしいんじゃなかろうか・・・
とか内心思った。
コンプレックスの塊だった私には、その言葉が不思議でならなかった。
でも、言われなれていない分、とても嬉しかった。
誰かに自分を認めてもらうことがこんなにも心に響くとは。
その時、この人と恋をする予感を感じた。
我ながら単純すぎて、今となっては笑ってしまうのだが。
「今度、ドライブにでも行きませんか?」
という彼の誘いを断る理由はなかった。
車を持っているというだけで大人に見えた。
そして私は、恋に落ちて、いや、堕ちてゆくのだった。