20070820

 ヴヴ…ヴヴ…

 制服のスカートの中、それもクリトリスをめがけて、鈍い震動が定期的に刺激を繰り返してくる。

「くぅ、ぅぅ…」

 優里は手に持つシャープペンをぎゅっと握り締め、徐々に強くなるバイブレーションの快楽に耐えながら、その振動の音が周囲に漏れないようにと、太ももを力いっぱいに閉じ合わせる。もちろん、そうすれば余計に刺激が伝わり、頭が快感でボーっとしてくるのだが、それを我慢することで余計に快楽の波が襲ってくるのだ。

「メール…誰からかな?」

 股間に挟んでいる携帯電話のバイブレーターが、メールの着信を知らせてくれている。さすがに授業中に確認することもできないまま、長めに設定してある振動に身をゆだねながら、優里は快楽と現実の世界を行き来していた。

「…さん、橘優里さん?」

 遠くから優里を呼ぶ声、それは現実の世界からである。はっと我に返った優里は、教壇から訝しげにこちらを見つめる国語教師、三沢順子の視線に戸惑いつつも、慣れた様子で姿勢を正し、ノートにペンを走らせ始めた。

 携帯電話の振動は既に静まってはいるが、丸みを帯びた形の携帯はまだ股間に当てたまま…ちょぴり椅子に座りなおす仕草をするだけで、その硬い角がクリトリスを刺激してくれるので、優里はフワフワと空中を舞うような感覚のまま、授業が終わるまでの時間を過ごしていた。いつしか、ノートの上では、

「Hシタイ Hシタイ Hシタイ キモチイイ」

 そんな走り書きが、優里の無意識下で書き連ねられている。それは終業を告げるチャイムが鳴り始まるまで続き、ふと気づいて慌てて他の生徒に見られないように、慌ててノートを閉じたのだった。