群馬県藤岡市の関越自動車道で46人が死傷した高速ツアーバス事故は、夜通し1人でハンドルを握る運転手の過酷な勤務実態を浮き彫りにした。「あすは我が身」「夜行のワンマン運転が許されていること自体がおかしい」。地方から東京へと客を運ぶ運転手たちは、不安や不満を口にする。
【運営会社に多数の法令違反】「陸援隊」運輸局が特別監査
2日午前9時、東京メトロ葛西駅前(東京都江戸川区)。ホテル街を高速ツアーバスの男性運転手2人が歩いていた。東京ディズニーリゾート(TDR)から北西へ3.5キロ。この街は、地方都市とTDRを往復する運転手たちの仮眠場所になっている。眠気をこらえながらハンドルを握る日々。関越道の事故は人ごとではない。
前夜に会社がある石川県を出発、2時間ごとに休憩を取り、交代で運転しながら朝になってTDRに着いた。駐車場にバスを止めて路線バスで葛西駅まで来ると、会社が予約したラブホテルへ。同じ部屋でダブルベッドの脇に簡易ベッドを置き、体を横たえる。このホテルで多くの同業者が仮眠しているという。
「人間の体は日中熟睡するようにできていない。ワンマンの夜行運転なんてとてもできない」。男性運転手(47)は顔をしかめた。
車内は消灯後、静寂に包まれる。果てしなく続く単調な風景。カーブでは徐々に速度を落とし、曲がり終え静かにアクセルを踏む。背後から客の寝息が聞こえ始めると、自分も睡魔に襲われる。
「夜行バスは日中のバスとは別の乗り物だ」。同僚男性(54)も言う。「日中、どれだけ寝ても眠いときは眠い」。たばこは吸えないので、ガムやチョコレートで何とかこらえる。「ヒヤッとしたことのない運転手など多分、一人もいない」
国内団体客の減少で立ち行かなくなった観光バス会社は、00年に貸し切りバス事業の規制が免許制から許可制に緩和されると、ツアーバスにこぞって参入するようになった。客の中心は都心へ向かうビジネス客だが、地方のバス会社は都内に車両を置く場所がない。JR東京駅や新宿駅と広大な駐車場があるTDRを組み合わせるコースが一般化した。
2人は2年前から夜行バスを運転している。北陸-東京間を連続3往復という過酷な勤務もある。バブル期に500万円近かった年収は300万円余りにまで減った。石川-東京間の料金は4000円を切る。「価格競争は運転手の賃金と安全管理に跳ね返る。家族はツアーバスには乗せたくない」
同じころ、葛西駅近くのビジネスホテルのロビーで、30代の男性運転手が時間をつぶしていた。明け方に着いても、チェックインできるのは早くて午前10時だという。
大阪のバス会社に勤務し、観光バスを運転しているが、繁忙期はツアーバスのシフトに入る。「原則、2時間で交代。月に4~5回の休みもある。それでも夜の運転はきつい」。1日のワンマン運転の上限を670キロとする国土交通省の指針を事故後に知り、「机上の空論」と感じた。総務省によると、約9割の運転手が睡魔に襲われたり居眠りしたりした経験があるという。
大阪-東京間を当たり前のように1人で運転させる会社があれば、夕方まで観光バスに乗せ、そのまま夜行バスに乗務させる会社もあると仲間から聞いた。「運転したこともない役人が基準を作っている。基準を作る人は夜中にハンドルを握ってみてほしい」。男性は訴えた。【市川明代、馬場直子】
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どう判断するかは個人の問題です
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