東日本大震災:女川原発に330人避難 東北電力受け入れ
東京電力福島第1原発事故で原発への不信が広がる中、宮城県女川町では、東北電力女川原発の敷地内の体育館に被災者約330人が身を寄せている。
11日の地震発生直後、高台にある女川原発に地元住民約40人が助けを求めて駆け付けた。原発は避難所に指定されていないが「人命優先」と受け入れを決断。女川原発の相沢利之広報課長は「情報が広がり、駆け込み寺のように次々と住民が集まってきた」と話す。
カキの養殖業を営む阿部金治郎さん(68)も原発に避難した。「めちゃくちゃ揺れた。揺れから20分もたたずに波が押し寄せてきた」と振り返る。
「小高い神社へ」と懸命に石段を上ったが、波は神社の鳥居をなぎ倒した。雪が吹き付ける中、山に登って高台で一夜を過ごした。
翌朝、山を下りると集落は崩壊していた。途方に暮れていると「原発で被災者を受け入れている」とのうわさを聞き、がれきや漂流物であふれた道を約1時間歩いて原発にたどり着いたという。
福島原発の事故は女川原発の避難所で知った。阿部さんは「不安がっても仕方がない。出て行ったら凍え死んでしまうんだから」と話した。
女川原発では11日の地震で自動停止。1号機タービン建屋から出火、1~3号機の燃料プールの水が床にあふれるなどした。
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福島第一原発と雲泥の差!