6月がやってきた。

自分が生まれた月というのは不思議にもいつだって"生まれ直し"をさせられる。

古きフェーズからの卒業があったり
新しい自分自身との出会いがあったり

もちろんそれに伴い
人との別れや出会いも起こって。

毎年5月末あたりからの約1ヶ月間は私にとってとても楽しみで心踊る時節なのだ。




2023年に入ってから長らく私は、地下に潜るような生活をしていた。
体調が良くない日が多く、明るい気持ちになれない日々が続いていたから何事にもやる気が起こらなくて。

約束してたコンサートもほんまに行けるんかな?って正直不安だったのだけど、務川くんの演奏を聴きたい一心でいざ出陣。

先生に久しぶりに会えてお喋りに花が咲いたおかげもあってか、開場の頃にはどんどん体調が善くなっていっているのがわかった。




この日、5月26日は
日本センチュリー交響楽団の定期演奏会ハート

@ザ・シンフォニーホール

























指揮: 出口大地
ピアノ: 務川慧悟
管弦楽: 日本センチュリー交響楽団


〜プログラム〜

・イベール
ディヴェルティメント

・プロコフィエフ
ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16

・ドヴォルザーク
交響曲第6番 ニ長調 作品60 B.112





実は私、プロコフィエフが苦手^_^;(笑)
というか、現代音楽自体あまり積極的に聴くことがなくて
今回はソリストが"務川くんだから"という理由のみで即買いしたチケットだった。

なんてったってエリザベート国際ピアノコンクールにおいて素晴らしき成績をおさめられた彼の十八番のひとつでもあるし!と、
約1年ぶりの彼の生演奏に期待を込めてこの演奏会に臨んだのだった。



















務川くんが登場する直前、
後光ならぬ?天の祝福かのような光が舞台うえから差しているのをみつけた。

今思うと確かにこれは、ここに居た偉大な音楽家たちを褒め讃える神々の表れだったことがわかる。

それくらい、筆舌し難い一流の芸術がそこには在った。




暫く(弾くのも聴くのも)ピアノから離れていた私は、「ピアノってこんなに美しい音だっけ?」とものすごく新鮮な衝撃を受けた。
と同時に、私もまたピアノに触れたい!という懐かしい衝動が起こった。

1音1音が尊く完璧で、聴衆を完全に惹き込んでいく.. そして、信じられない手捌きで彼はあの巨大な作曲家からの挑戦に受けて立っていた。
その姿にこちらは片時も目が離せなかった。

あの曲の持つ"魔"のようなものが見事に表現されていた。その臨場感から少し恐怖さえおぼえたのは、私だけではなかっただろう。

普段、プロコフィエフの音楽が持つ"魔"の性質は私の五感には心地悪く避けてしまいたくなるのだけれど、彼の演奏はなぜかそうは感じさせなかった。
いや、むしろ完成された美の中に浮かぶ"魔"は美しいままで、畏れながらも目が離せない様な言い表し難い魅力を解き放っていたのだった。



1年の年月を経て、務川くんの演奏は鳥肌が立つほど進化していた。

〈進化〉というとなんだか、下から上に昇ったような、あるいは劣から優に登ったような、そんな印象を招きがちだけれども
そうではなくて寧ろ"次のフェーズに移行した"という方が正しい感覚を私は受けた。

このコンサートの数日前にもパリでの演奏会で聴衆を虜にしたと聞いていたのだけれど
それもそのはず。あの芸術的完成度の高さを観れば耳の肥えた欧州のクラシックファンを唸らせるのも必然だと思った。


プロコみたいな超技巧曲って、指をまわすのに必死だからか?割とガヤガヤわちゃわちゃ感が全面に出ている奏者も多いのだけれど
彼の演奏は終始それが無く、所作が一貫して整っていた。見事だった。
そして、音質が非常に艶やかだったのが印象的だった。


指揮の出口マエストロとは同年代仲間らしく、息ぴったりで、センチュリー響の演奏もさらに磨きがかかっていて全体としての仕上がりは圧巻。キラキラキラキラ
まるで細胞がみるみる蘇るように、私自身が再誕してゆくのが感じられ、私にとっては忘れられない最高の演奏会になった。





ソリストアンコールは

ラヴェル 〜鏡〜
『悲しい鳥たち』












まるでクリスタルの音の雫がホール全体を舞うような、なんとも不思議な空間が生まれていた。
務川くんのラヴェルはいつだってフランスの夜を想わせる。

タイトルは後から知ったけど、まさに私はこの日まで、"悲しい鳥"の様だった。
(悲しい鳥は悲しみを感じないようにするための努力なんてしないのかな?)と、帰り道でふと思った。
彼の弾くそれはきっと、「悲しみは、悲しみのままでいいんだよ。」と言ってくれていたような気がして... それまで抗っていた堅い何かがすーっと溶かれていくのを感じた。

悲しい鳥は、悲しみを抱きしめた瞬間に苦しみから解放されたのだった。

























このホールのパイプオルガン側の席は、私のお気に入り席のひとつラブラブ

マエストロの指揮やソリストとのタッグ、オケの動きがよくみえてすっごく楽しいの!


あと、この会場は写真撮ってても注意されないし、どころか、快く「ありがとうございました♪」って言ってくださって毎回本当に心地良い。





あと、あと!
この日は最後に特大のラッキーがあってネ♡

ペンを所持していない状況で務川くんにサインをねだったら
(どんな状況やねん笑い泣き)
なんと、ご自身のペンでサインしてくれたぁ!

















最高すぎひんかてピンクハートピンクハートピンクハート

ひと足早い誕生日プレゼントを貰った気分でるんるん!
いつも優しい務川くんに感謝感激あめあられでございました。

ヽ(^。^)ノ




次は8月、ここシンフォニーにて
務川くん×大阪フィルのメンデルスゾーンなので今からめっちゃ楽しみ!ラブラブラブラブ
(最前列とったよー爆笑)









そしてそして
今日はもう一つ演奏会日記を♪



5月28日に行った
亀井聖矢くんの凱旋リサイタルツアー初日ハート

@ザ・シンフォニーホール















ロンティボー国際音楽コンクール1位を祝しての全国ツアーということで
会場全体が祝福ムードに包まれてました♡












席は3列目
手元もしっかり見える席でしっかり臨場感を感じとれてよかった!

初・亀井くんの演奏会だったけど
想像どおり出で立ちがもうアイドルっぽいというか(勿論良い意味で)
そらブロマイドも売れるわなぁというキュートな印象ラブ



プログラムは


〈ショパン〉
・3つのマズルカ 作品59
・幻想曲 作品49
・アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ

〈ラヴェル〉
・ラヴァルス
・亡き王女のためのパヴァーヌ

〈ストラヴィンスキー〉
・ペトルーシュカからの3楽章
「ロシアの踊り」
「ペトルーシュカの部屋」
「謝肉祭」





久しぶりに聴いたマズルカop.59。
やっぱり好きだなーと思った。
たぶん58より好き。

亀井くんの演奏は思っていたのとは少し違って、よりマイルドな仕上がりになっていた。
奏者によってはもっと強めのフォルテを出す人もいればもっと抑揚をあからさまに付ける人もいるけれど、実際のショパンの演奏はどんなだったのだろうか?.. とあらためて考えさせられる。
クラシック音楽の正解とは、果てない可能性の宇宙に在ると言っても過言ではない。
そう考えれば本当に大変な仕事だな、と思う。




幻想曲とアンスピ大ポロはなんとなく、次のショパンコンクールを視野に入れてるのかな?という雰囲気を少し私は感じたのだけれど、もしそうなら次回のショパコンもすごく楽しみだね。
(牛田くんもきっと出るだろうにおねがい)

まだまだその日まで時間があるわけで
彼のショパンがどう進化していくのか、期待したい。



それにしても!

亀井くんの体力ったらメラメラキラキラ
ヘヴィー級の超技巧曲ばかりをこれでもかと詰め込んだプログラムで全国行脚するんだもの!すごいとしか言いようがないわ。

ラヴァルスもペトルーシュカもおそろしいほどにパワーを使うはずだけど、さすが若さもあってか?弾き終えた後も爽やかなお顔で(笑)

挙げ句の果てに
アンコールは

ラ・カンパネラとイスラメイ!ドキドキドキドキ


聴衆は「待ってました!」と言わんばかりの拍手喝采キラキラ私ももれなく、イスラメイ期待組だったから(笑)めちゃテンション上がっちゃって、
会場大興奮の内にコンサートは幕を閉じましたとサ ^ ^















このスタインウェイは
務川くんの弾いたピアノと同じだったのかな?

とても洗練された伸びのある貴賓高い音のする楽器でした♡







この日はめずらしく、ピアノ仲間(亀井くんとほぼ同世代のピアノ男子)と一緒に聴きに行ったので帰りにちょっと寄り道.. コーヒー

演奏会の感想等を語り合うゆるーい午後だった♪♪














ピアノだけでなくカメラもできる彼が撮ってくれた写真(ノ´∀`*)

お酒は全く飲まないけど
ワイングラスは写真の花になるなぁラブラブラブラブ











不意打ちの表情笑









明日は誕生日。

いろんな方々からの励ましと愛のおかげで、とても善き状態でお祝いの日を迎えられそうです。

生きていれば、ハレノヒもアメノヒもあるのが自然で、過去も今も未来も間違いなどひとつもなくって、ただただ在るいのちを生きるだけでじゅうぶんなのだ、ということを

あらためて今感じられていることが幸せ。

そして
自分自身にHappy Birthdayと言ってあげられる私がいることが幸せ。



クラシック聴きに行くと元気になるんだってことにも気づけてよかったし、
これからも自分自身の心とからだが喜ぶことを積極的に選びとっていきたいと思う四十路であります。






明るいニュースが流れない昨今ですが
外界にふりまわされず、自然と在るわたしを大切に、日々幸せでありたいものですね。


みなさま、
これからもどうぞよろしくお願いします。

(*˘︶˘*).。.:*♡



yu-co














親愛なる占星術家keikoさんより
バースデーカードが届いた♡

嬉しい。

郵送が嬉しい。
名前の手書きが嬉しい。

本当にありがとうございます!