ただひたすら

土足で心の中踏み荒らされて

考える力も無くなって

耐えるしかなくて


まだ、だいじょうぶかなって

正しさを求めても

ぬくもりを求めても

かえってくるものは何もない


ただ在るのは自分だけ

どうしようもなく自分だけ


孤独ってこういうことなんだなって

初めて知ったよ


子供でもいたら違ったのかな


もういい

もういいよ


疲れた

眠くなって、うつらうつらして


目を閉じると


最期の表情が、涙が、浮かんできて



眠れない


眠るのが怖い


どうしよう



痛い、怖いって、掠れた声で伝えてくる


何も、助けてあげられなくて


見ているしか出来なくて



…なんだか、めまいがしてきたような

2月1日


18時40分


診断が降りたのは 20時22分


主人が永眠しました



なんだか呼吸の仕方がおかしいなと思ったのも束の間

息をするのが苦しそうで

だんだんと呼吸が浅くなって

最期には無呼吸になって

そのまま


乾燥してふちが白くなってしまった目

焦点が合わずぼんやりした目線


逝ってしまう寸前

涙を流してた


私や、お義母さんお義父さんの声に反応したのかな?

それとも、ただ苦しくて流れた涙?


わからない


目を閉じれば今も、最期の呼吸の音が聞こえる




亡くなる数日前、必死に病気と戦い

痩せ細った手から

2人でお揃いで買った指輪がベッドの上に抜け落ちてた


私もね、痩せちゃって指輪のサイズ合わなくなっちゃって、抜け落ちないように押さえながら過ごしてたんだよ




なんだか、本当に、さみしいね





悲しむ余裕なんてないほどに

やることがたくさんあるけれど

落ち着いたら、どうなるかな

…どうでもいいか、そんなこと




今はただ、全てが報われ救われる

高い、高い場所に

ゆっくり、迷わず、のぼっていけるように

祈るだけ




また、どこかで会えるといいな