https://youtu.be/KxMvJEbEyqk

母 たちえは元来、とても几帳面で綺麗好き。片づけと掃除の鬼。
玉名の借家にすんでいた頃はまだ四女のゆかりが家事や育児のあれこれを手伝ってくれていたので 母も幾分かゆっくりできていただろう。

しかし、ゆかりが就職の為家を出てからというもの、家事の担い手がいない。

母が妹のももえを産んだ時、齢(よわい)42歳と5ヶ月。新しい住まいに引越しを済ませた時には50歳を目前としていた。

たかひろ、ともひろ、ちえこ、ももえはまだやんちゃ盛りの落ち着きのないチビガキだ。

とくにこのちえこというやつがうるさいし元気だしもう大変。

ふみこは高校生。まゆみは受験生。

たちえは統合失調症により暗い暗いトンネルの中。

そんな最中に家族のためにピンチヒッターまりの登場!
たちえは元来お掃除が大好きだ。
統合失調症、昔で言えば精神病を患う前までの彼女の家事育児の完璧なるこなしっぷりにちえこあっぱれである。

たちえが程なくして、外へ出て歩けるようになった頃のこと ちえこは中学生。

たちえはゴミ袋を片手に岱明の家から天水の半ばまでの距離をひたすら歩き、ゴミを拾い続けてなかなか帰ってこないという事件が起きた。

どこか?そこか?と父てるもとと子供達による捜索活動開始!

そして、警察からの通報である。

たちえのいる現場まで皆で駆けつけると、たちえ、集めたゴミをどこに出せばいいのかわからなかったのであろうか、
とある農家のだだっ広い田んぼにも畑にもなっていない敷地に 拾い集めた全てのゴミを投棄していた。

ちえこはこのことを思い出すたびに楽しくて仕方ないのだが、

極め付けは、ちえこが専門学生のころ

たちえは散歩中にみかん農家の育てる美味しそうなみかんを発見した🍊。

たちえはきっとうきうきしながら、みんなに食べさせようとそのみかんをもぎったに違いない。

しかし、その現場をみかん農家の彼か彼女は見逃さなかった!

たちえのこの行為を咎めた農家の方は警察に通報し母は逮捕された。

窃盗である。

母が生まれ育った町は緑に溢れ水に溢れ そこかしこになる果物や山菜、海からとれる魚、ありとあらゆる自然からの恩恵をただで頂くことのできた時代。

母はそれが罪になるとは思ってもみなかっただろう。

たちえはその通報により精神病院へいれることを強要された。

てるもとも家族も暫くはその指示に従ったが 心は悲しくて悔しくて 母が不憫でならない。

たちえは統合失調症の中でも意識はしっかりしているし、しっかりとした意思をもつ人間だ。

薬で感覚を麻痺させ、まるで牢屋の檻の中にいるかのような生活。家族は母を思い胸を痛めては泣いた。

そこから、てるもとは一念発起し、家を増築して母を自由に出歩かせないように どんなに仕事で疲れていても毎日3回のドライブをかかさずにやったし、ありとあらゆる愛で彼女を助けた。

家族も同じである。

母、たちえの行為は本当に責めるべき点も多いにあるかもしれない しかし、わたしには彼女を責めることはできないのです。

あなたのお陰である命。

今日もあなたの元気を祈っています。