ISOを取得している牡蠣生産者さんの視察に行って来ました♪ | For the Love of Oysters

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牡蠣で世界と繋がる♡目指せ!全世界の産地で牡蠣実食!!!

今回で3度目となる、私にとっての巡礼(笑)、
2014年3月3日、広島の牡蠣生産者さんの視察に行ってきました。

タイトルにもある「ISO」とは?
International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略で、国際的な標準という意味です。
その中でもISO22000は食品安全マネジメントシステム、消費者に安全な食品を届ける事を目的としている規格です。

「消費者に安全な食品を届ける」・・・、その全貌をレポートいたします!

まずは広島市内の桟橋からフェリーでGO!


約45分、瀬戸内海で一番大きな島・大黒神島に到着!
麓の筏、海からあげたての牡蠣を頂きます。
これがもうたまらない・・・

Photo by Hiro Yamamoto


美味しい海が美味しい牡蠣を育てる。美味しい海だからこその味わいです。
これは本当に贅沢で・・・、この経験が出来る事に本当に本当に感謝・・・
そしてこの美味しさを100点とし、どれだけ減点をしないて皆さんに届けらるか。
その為に、この味をしっかり覚えておきます。




そして、すぐ近くにある江田島の新工場へ。

Photo by Hiro Yamamoto


新工場はピカピカ!
早速工場内へ潜入です。
紙の帽子・マスク、不織布を着て、さらに足にキャップを着けて完全防備!



まずはコロコロでホコリをとります。
マスクは鏡を見ながら正しくマスクをつける。
手洗い方法に従って、手を洗う。
手洗いの温度は40℃に設定されています標準は38℃ですが少し高めにしているそうです。
また、手で蛇口をひねる必要がないように、センサーをかざすと水道を出したり止めたりできるようになっています。


次にエアーシャワー。1人1人個別に入って、手を上げて2周します。

Photo by Hiro Yamamoto


万全な体制をとってからやっと工場内へ。
前室(最初の部屋)からフィルター制御された大量の空気を流しているそうです。
細菌の増加は温度と湿度によって大きく作用します。このエアー制御システムで湿度を下げ徹底管理。
このエアーの通風量は、加工工場内の空気が10分で入れ替わる流量で制御されているそうです。通気弁制御で流れるシステムで、フィルター制御された新鮮な外気は、逆流はしないようになっています。

前室の一番の清潔区域では、かきフライ加工室・冷凍エリア・剥き身のパックをしています。
この剥き身が美味しいこと、美味しいこと。
海水もそのまま入っているので、火を通して縮みません。

photo by Gen



工場の外、出荷のスペースに出る最後の出口は小さくなっています。その訳は?


風がエアーシャワーから最後の部屋のこの出口に向かって流れるようになっており、
加えて出口を小さくする事により、外からの空気(埃や菌など)を最小限に入れないようになっているそうです。
この出口を出ると後戻りは出来ず、振り出しに戻って、手洗い⇒エアーシャワーの道をたどらないと工場内に戻れないのです。

ここまで徹底されていると・・・ね?安心でしょ?

なにより、工場内が磯の香り・生臭いにおいが全くしなかったこと。

床も壁もぴかぴか。
ここが水産加工場というのことを忘れてしまうほどです。

美味しい海で育った一粒の牡蠣。その一粒一粒に愛情をもって
接してるんだなぁ、と感じました。

殻付き生牡蠣の工場も見学しましたよ!滅菌した海水でトリートメントしてします。


『打ち娘さん』と呼ばれる方たちが剥き身を作っています。とっても速い!
打ち娘さんたちもマスクに防止と完全防備。
そしてその剥き場は部屋になっていて、私たちは窓から見るだけ。中には入れません。


ここでは稚貝を育ててます。見て!こんなにかわいい♪
海に入れるだけではなく、酸素を送ったり、外気に触れさせてたり、丁寧に丁寧に育ててます。


最後は社長さんの安全講習と試食会!!!
牡蠣関する話は本当に興味深い!安全に関してもしっかり教えて頂きました。



こちらの生産者さん視察は、毎回・毎回学びがあり、そして感動があります。
今回も大変勉強になりました!本当に本当にありがとうございます!

来年も巡礼に行けるように頑張ります♪
(写真:大黒神島をバックに牡蠣筏と。)





【後記】
その生産者の名前は、広島江田島にあるかなわ水産。
150年以上続く牡蠣の生産者さんだ。
瀬戸内海の他の島(大黒神、奈佐美島、似の島、峠島)で養殖していたが、牡蠣の安全性を考え1993年に瀬戸内海で一番大きな無人島、大黒神島に養殖場を移動した。
工場は大黒神島から近い江田島にある。



ISO22000は既に4年前に取得していて、取得に2年を要したという。
取得後も、毎日、出口のレバーハンドル取手のアルコール清掃、床の清掃、器具・機械の洗浄・消毒を徹底。試験室の担当者が抜き打ち検査を実施。
工場内の空気環境・室内温度・冷蔵庫・冷凍庫温度(吹き出し温度・除湿設定)は
事務所の集中コントロラーで管理・是正しているという。

もちろん取得以前も衛生管理体制は万全だったはず。
では、なぜ莫大な時間とコストとエネルギーを掛けてISO22000を取得したのか?
牡蠣は海水を凝縮する他にはない特殊な食材。
美味しい海の栄養を凝縮するからこそ美味しい牡蠣ができる。
でももし有害物質が流れ込んでいる海で育ったなら?
もちろんそれも凝縮してしまう。
食中毒、ノロ、肝炎。なにかといえば牡蠣のせいにされてしまうのは、有害物質が混入している海で育った牡蠣を食べたからであって、牡蠣自体が悪いわけでない。
栄養豊富な綺麗な海で育ち、万全な衛生管理体制で出荷されれていれば牡蠣は栄養の宝庫。
国民の重要な食材になりうる。

だた、見た目ではその違いが全くわからないのが牡蠣。それが大いに問題だと思う。

現地まで行って安全を確かめて、そこの牡蠣しか食べないなんて、一般の人には到底無理な話。
現地まで行けない多くの消費者の為に、莫大なお金と時間を掛けてでも、それをISO22000取得という目に見える形で安全をしめしている同社の安全に関しての徹底したこだわり・努力には脱帽してしまう。

全ては消費者の事を考えて。

この牡蠣は安全?なんて一瞬でも不安になるような事がないように、美味しく・楽しく牡蠣を食べる事ができれば、
消費者だけでなく、提供者も生産者も、みんながハッピーになるループが出来上がり、今以上に牡蠣業界が盛り上がるはず。

私は牡蠣が大好き!牡蠣にかかわる全ての人・事・物が大好き!
真の牡蠣好きが1人でも多く増えてくれたら嬉しい。
特にドラマティックな事がある人生ではなかったけれど(笑)、今、こんな経験が出来て、色々な事を考える機会を貰って、オイスターマイスターになってよかった。
本当に感謝してやまない。

一般社団法人 日本オイスター協会
オイスターマイスター
ブラガンザ竹内知子




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