くそみそ作者様より、新年のくそみそ最新作が届きました(´▽`)ノシ
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「う~、靖国参拝靖国参拝」
今、靖国参拝に全力で反対している僕は、ごく一般的な新聞記者。強いて違うところをあげるとすれば、特定秘密保護法をきっかけにまた安倍叩きが社是になった新聞社にいるってとこかナ……。名前は赤日新聞之井頭鬼社。そんな訳で、靖国神社にやって来たのだ。
ふと見ると、ベンチに1人の男が座っていた。
「ウホッ! いい男……」
そう思っていると、突然その男は僕の見ている目の前で参道を歩き始めたのだ……!
「参拝(や)らないか」
そういえばこの神社は、参拝するといろいろ大騒ぎになることで有名な神社だった。イイ男に弱い僕は、誘われるままホイホイと神社について行っちゃったのだ(ハート)
彼――ちょっとワルっぽい大臣で振動躁夢醍迅と名乗った。参拝もやり慣れてるらしく、神社に着くなり僕は参拝客の一員にされてしまった。
「よかったのかホイホイ着いてきて。俺は、アメリカに反対されても構わないで参拝しちまう男なんだぜ」
「こんなこと初めてだけどいいんです……僕……振動さんみたいな人好きですから……」
「うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあとことん参拝させてやるからな」
言葉どおりに彼はすばらしいテクニシャンだった。僕はというと、初めて歩く参道に身をふるわせてもだえていた。
しかし、そのときに予期せぬ出来事が……。
「うっ……! ち、中国からの指令が……」
「ん? もうかい? まだ参拝した訳じゃないのに、意外と早いんだな」
「ち、ちがう……そういえば僕は靖国参拝を批判するつもりで来たんです。靖国神社に来たのもそのためで……」
「そうか……いいこと思いついた。お前、いつものように俺に質問してみろ」
「えーっ!? 神社の中でですかァ?」
「男は度胸! 何でも試してみるのさ。きっといい気持ちだぜ。ほら、遠慮しないでお前も参拝しながら質問してみろよ」
彼はそう言うと、たくましい柄杓を僕の前につきだした。
「いきなり手水舎で手と口を清めさせるなんて、なんて人なんだろう……」(しかし、神社の堅くひきしまった手水舎を見ているうちに、そんな変態じみた参拝しながらの質問をためしてみたい欲望が……)
「それじゃ……質問します。A級戦犯の合祀が……」
「ああ……次はお決まりの批判だ」
「海外からの批判が……」
「海外からの批判って、どこからの批判?」
「韓国と中国」
「いいぞ、“韓国と中国の二カ国だけじゃねえか!”というツッコミが入ってくるのがわかるよ」
「くうっ! 厳しい……」
この初めての経験は、赤日新聞社の中では知ることのなかった絶望感を僕にもたらした。あまりに激しいツッコミに、僕の質問はネットの海の中であっけなくさらされてしまった。
「このぶんだと一般の国民は相当我慢してたみたいだな。7万件以上の“いいね!”で総理のFacebookがパンパンだぜ」
「はぁはぁ」
「どうしたい?」
「あんまり厳しくて……こんなに否定されるの初めてだから」
「だろうな、俺も初めてだよ。ところでこの上空を飛びまくるヘリを見てくれ、こいつをどう思う?」
「すごく……うるさいです……」
「うるさいのはいいからさ。このままじゃ静かに参拝できないんだよな。今度は俺が批判する番だろ?」
「ああっ!! で、出る……」
「なんだァ? 今参拝したばかりなのにまた玉串料を出すってのか? 意外と信心深いんだな」
「ちっ、ちがう……!!」
「なにイ? 神社から出たい? お前、今更遅いんじゃねえのか!?」
「しーましェーン!!」
「しょうがねえなあ。いいよ、いいよ。俺はこのまま参拝を続けるからこのまま出ちまえ。中韓から抹殺指令が出てる頃かもしれないしな!」
「えーっ!?」
――と、こんなわけで僕の靖国批判はクソミソな結果に終わったのでした……。
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「う~、靖国参拝靖国参拝」
今、靖国参拝に全力で反対している僕は、ごく一般的な新聞記者。強いて違うところをあげるとすれば、特定秘密保護法をきっかけにまた安倍叩きが社是になった新聞社にいるってとこかナ……。名前は赤日新聞之井頭鬼社。そんな訳で、靖国神社にやって来たのだ。
ふと見ると、ベンチに1人の男が座っていた。
「ウホッ! いい男……」
そう思っていると、突然その男は僕の見ている目の前で参道を歩き始めたのだ……!
「参拝(や)らないか」
そういえばこの神社は、参拝するといろいろ大騒ぎになることで有名な神社だった。イイ男に弱い僕は、誘われるままホイホイと神社について行っちゃったのだ(ハート)
彼――ちょっとワルっぽい大臣で振動躁夢醍迅と名乗った。参拝もやり慣れてるらしく、神社に着くなり僕は参拝客の一員にされてしまった。
「よかったのかホイホイ着いてきて。俺は、アメリカに反対されても構わないで参拝しちまう男なんだぜ」
「こんなこと初めてだけどいいんです……僕……振動さんみたいな人好きですから……」
「うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあとことん参拝させてやるからな」
言葉どおりに彼はすばらしいテクニシャンだった。僕はというと、初めて歩く参道に身をふるわせてもだえていた。
しかし、そのときに予期せぬ出来事が……。
「うっ……! ち、中国からの指令が……」
「ん? もうかい? まだ参拝した訳じゃないのに、意外と早いんだな」
「ち、ちがう……そういえば僕は靖国参拝を批判するつもりで来たんです。靖国神社に来たのもそのためで……」
「そうか……いいこと思いついた。お前、いつものように俺に質問してみろ」
「えーっ!? 神社の中でですかァ?」
「男は度胸! 何でも試してみるのさ。きっといい気持ちだぜ。ほら、遠慮しないでお前も参拝しながら質問してみろよ」
彼はそう言うと、たくましい柄杓を僕の前につきだした。
「いきなり手水舎で手と口を清めさせるなんて、なんて人なんだろう……」(しかし、神社の堅くひきしまった手水舎を見ているうちに、そんな変態じみた参拝しながらの質問をためしてみたい欲望が……)
「それじゃ……質問します。A級戦犯の合祀が……」
「ああ……次はお決まりの批判だ」
「海外からの批判が……」
「海外からの批判って、どこからの批判?」
「韓国と中国」
「いいぞ、“韓国と中国の二カ国だけじゃねえか!”というツッコミが入ってくるのがわかるよ」
「くうっ! 厳しい……」
この初めての経験は、赤日新聞社の中では知ることのなかった絶望感を僕にもたらした。あまりに激しいツッコミに、僕の質問はネットの海の中であっけなくさらされてしまった。
「このぶんだと一般の国民は相当我慢してたみたいだな。7万件以上の“いいね!”で総理のFacebookがパンパンだぜ」
「はぁはぁ」
「どうしたい?」
「あんまり厳しくて……こんなに否定されるの初めてだから」
「だろうな、俺も初めてだよ。ところでこの上空を飛びまくるヘリを見てくれ、こいつをどう思う?」
「すごく……うるさいです……」
「うるさいのはいいからさ。このままじゃ静かに参拝できないんだよな。今度は俺が批判する番だろ?」
「ああっ!! で、出る……」
「なんだァ? 今参拝したばかりなのにまた玉串料を出すってのか? 意外と信心深いんだな」
「ちっ、ちがう……!!」
「なにイ? 神社から出たい? お前、今更遅いんじゃねえのか!?」
「しーましェーン!!」
「しょうがねえなあ。いいよ、いいよ。俺はこのまま参拝を続けるからこのまま出ちまえ。中韓から抹殺指令が出てる頃かもしれないしな!」
「えーっ!?」
――と、こんなわけで僕の靖国批判はクソミソな結果に終わったのでした……。