まず始めに、犠牲になられた日揮社員の皆様の、ご冥福をお祈り申し上げます。


またこれは、中東情勢をほんの少しだけ聞いた事がある拙ブログ管理人が、個人的な考えの範囲から出てるかどうか分からないままの話を並べただけの話であり、中東情勢に詳しい人が見たらまだまだピヨ子レベルの情報である事をご了承の上、お読み頂けますと幸いです。





前回のエントリで、アルジェリアの事件に関する2chの書き込みとJETROのファイルを紹介しましたが、それにしてもこの話、どのメディアで見ても、どこかの都合で出来た広報を見せられてる感がやたらに強いと思うのは、私だけではないと思います。


今は少し変わってきましたが、事件当初からしばらくの間はずっと、アルジェリアではなくモーリタニアのメディアからの情報ばかりが流れてましたが、その辺にしても何で???って事ばかりです。


レポーターやコメンテーターはこのような事は断じて許せない的発言で終始、背景については「マリでの紛争」のあたりを軽く扱って、視聴者をなんとなく分かった気にさせといて、どこを切り取っても核心に触れる話は一切こちらに届いていないような、個人的には胸の感覚のおさまりどころがない感じがずっと続いています。





前からずっと思っていたのですが、私達日本人はエネルギー源の9割近くを中東の石油やガスに依存しているそうで、にも関わらずその中東の国々やイスラムの人々については、ほぼ無知と言ってもいいくらい知らない事だらけな気がします。

http://www.yonden.co.jp/life/kids/museum/energy/japan/003.html


まぁ、ほんの数年前に「ハワイってどこの国ですか?」「中国と上海は別の国ですか?」などと言っては、上司の血圧を上げ続けた私が言うのも心苦しい話ですが。



友人から聞いた話だと同じイスラム圏でも、戒律を厳格に守るハードイスラムが多い地域や、かなりゆるめなソフトイスラムが多い地域もあって、家族の中でさえその割合が変わる事もあるらしく、少なくとも中東を一つの国と同じ感覚で見るのは誤解の始まり、といった印象を受けます。


そして中東に暮らす人々のリアルな話を聞くと、いくら子供の頃からコーランを学んでいるとはいえ、その解釈は本当に人によって様々なんだろうな、と考えさせられます。



なので一部の人が「異教徒は皆殺しにしろ」と考えていたとしても、全ての人がそう考えているわけではなく、実際コーランには「裏切り者は」と書いてあっても、異教徒についてそのような記述はなかったように記憶しています。


そういった「考えてみたら当たり前の話」も、私達は当たり前のようにひとくくりに考える習慣を持っている事が多く、この件に限らず、複雑な背景があるはずのこの事件についても、分かりやすい善悪の対象を基準に、物事を単純化して見てしまう傾向があるように思えます。





というかこの話、今後のエネルギー事情にものすごく関係してくるはずなのに、その点全然騒がれていないのはどういう事でしょうか?


現在、無事だった日揮の社員さん達は順に帰国したり、現地で事にあたったりしているようですが、その間現地での作業は当然通常通りにはいかないでしょう。そしてこの件が落ち着いたからといって、今までと同じ状況で続けられると考えるのは、非常に難しい状況だと思います。



そこで、この状況を一番喜んでいるのは誰か?という事も頭をよぎります。今現在中東で最も幅を利かせ、インフラ事業を獲得し、エネルギー資源獲得に一番やっきになっている国はどこか?やはりそれは、中国でしょう。


何より通信網の80%を掌握しているということは、その国のあらゆることに関与出来る権利を得ているのと同じような気がします。そして現在これはただの私の思いつきですが、アルジェリア事件の情報が常にモーリタニアのメディアからのものであった事も、無関係ではないような気がします。



フランスの植民地政策やその背景、現状についても、やはり無視は出来ないでしょう。(まだよく知りませんが(汗)少なくとも「日本軍は植民地時代にひどい事をした」という、世界史的に間違った認識を捨てない限り、理解どころか触れる事さえ不可能な話が、ここには山ほどあるような気がします。


本当に私自身知らない事だらけで、書いているにつれ「調べなきゃリスト」がどんどん増える一方です。本当はこういうの、学生時代にちゃんと土台作っておくべき事なんですよね。




エネルギー資源の争奪戦と、それに関する情報戦は、少なくとも私達一般市民の「善良で良識ある人々」の発想では、とてもじゃないけど考え付かない事が山ほどあるようで。


にも関わらず、未だ世間一般では、こういった問題も「良識ある常識人」としての意見が一番喜ばれ、それをメディアが大喜びで利用して加工しまくりの情報を垂れ流している気がするのは、私だけでしょうか?



たぶんこの話をきちんと考える事は、今後のエネルギー事情や成り行きを理解する為の基礎となるような気がするので、とりあえず私もまずは「中東ってどこ?」から卒業し、暇を見つけてJETROの資料から目を通してみたいと思います。