そう言えばの不思議な話 | sumi. 墨 素身

そう言えばの不思議な話

散歩を連れていく事で溺愛したヨークシャテリアの三匹のワン。

1番年上のお母さん。

調子が悪く病院に通っていたのだが、そんな不安な毎日を遠い土地で心配していた。

ある日の昼。

雨が降る予報だったので、出勤前に少々外を覗こうとベランダに出ると、

“バサバサ”と音をたてて降り立つカラスが手の届く位置に。

狂暴とも聞きますからベランダからソッと部屋へ戻る。

ベランダの床に降り立つと、引っ切り無しにドアをカツカツとクチバシで突く。

まさかとは思った。

今日、天に旅立つ日なのではないかと...。

こんな話を書き綴るのですから予想はドラマの様に筋書通りに進んでしまう事に嫌気がさしますが、その日連絡が入る。

『死んじゃった...。』

不思議な事だ。

死に目に会いに行く。

とは聞いた事があるが、偶然と不思議な体験と、にわかに信じたくないノンフィクション。

あなたは今、天で走り回っていますか?

思い出がよみがえる。

君は甦らない。

家族と共に写る穏やかで元気な姿。

それは寂しい事との背中合わせである事。

それは拭いきれずに、

有難う思いと共に、

涙にかわるのだ。