(ミニ短編)僕の気持ち | marymaryのお気楽日記

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今日がまた始まるんだ。



学校に行くのはいつも一人。



だれも一緒に行く人がいないんだ。兄弟もいないから、、、



でも毎日、朝は来るから仕方なく一人で行く。



でも僕は学校に行くよりも帰るときの方がずっと嫌なんだ。



誰もいないからじゃない。母さんが家にいる。



でも、母さんの前で明るくしないといけないと思うと心が重くなる。



母さんはいつもため息をついて、悲しそうにしてるんだ。



なんでそんな風にしているかなんか僕にはわからない。でも悲しそうなんだ。



僕はそれを毎日見るのが辛くて本当は母さんにいろんなこといいたいけど



じっと我慢して、母さんには何も言わないでおどけてみせる。



笑ってほしくて、、、



だけど一杯おどけて見せても母さんはいつも悲しそうに笑う。



もっと笑ってほしいと思って一生懸命おどけると母さんは僕を



鬱陶しそうにみて、最後には僕のことを怒る。



毎日、毎日がこんな風。







家にいるのが辛くなって学校から帰ると公園のベンチに座ってた。



僕のことを怒らして楽しんでる同級生は友達なんかじゃない。



我慢してた。



公園のベンチはなぜか人もいなくてどこにいても僕は寂しいんだって思った。



母さんが僕のことを嫌いじゃないのはわかるけど僕は母さんにどう接したらいいかわからない。



ため息ばっかりついてる母さん。



父さんは夜遅くにしか帰ってこないからほとんど顔を見たことがない。



でもたまに夜中に母さんと喧嘩している声が聞こえるから父さんは家に帰ってきてるんだと思う。



本当は喧嘩している声を聞くのも嫌なんだ。



耳を押さえて声が聞こえなくなるまで待ってる。



たまに僕はいなくなっても誰も気がつかないんじゃないかって思う。



だれも悲しい人なんかいないんじゃないかって、、、







母さん、僕のこともっと見てほしいんだ。



母さん、もっと笑ってほしいんだ。



母さん、僕の話を聞いてほしいんだ。






たぶん僕の心はこのままだったら壊れてしまうよ。



精一杯我慢してるんだ。



でも、もう無理みたいなんだ。



世界中でたった一人見たいな気持ちになるのはもう疲れた。





いつもどおり公園でベンチに座ろうとしたら、おばあちゃんが座ってた。



でもベンチはひとつしかないから隣に座った。



おばあちゃんは、にっこり笑って



”いつもここに座ってる子だね?”



”どうしてしってるの?”



”毎日散歩してるんだよ”



”そうなの”



”いつもひとりで座ってるね”



”、、、”



”いや、別にそれを悪いって言ってるんじゃないんだよ。



おばあちゃんもここらに来たころは友達もいなくて僕みたいに



よくベンチに一人座ってたよ。



そんなことを思い出してね、、、



一人は寂しいだろ?おばあちゃんはその時すごく寂しかったよ。



でもね、今は寂しくないんだよ。家族もいるしね。僕よりも大きい孫もいるよ”



”そうなの?”



”そうだよ、、、



この広い世界に一人しかこんな人間はいないんじゃないかって思ってたけど



そうじゃないんだよ。皆そんなこと考えながらいきてるんだよ、、、



お父さんとお母さんは?”



”いるけど、、、二人とも僕の気持ちなんてどうでもいいみたいなんだ。



心配かけたくないから何も言わないんだ”



"僕はいい子なんだね、、、そんなに無理するこたないんだよ。



子供はもっと言いたいこといって、笑いたいときに笑って、泣きたいときに泣いて



怒りたいときに怒ればいいんだよ。



そんなに大人に気を使うこたないよ。”



”でも、、、でも、、、”



”そっか僕には僕の事情があるんだね。



そして、お父さんやお母さんにも事情があるのかもしれないね。



散歩は好きかい?歩くのは好きかい?”



”好きだよ”



”じゃあ明日から一緒に散歩するかい?”



”うん”



”そうかい!顔が明るくなったね、、、ははは”



”いっぱい歩くの?おばあちゃん”



”おばあちゃんはこれでも足は強いんだよ。僕になんかは負けないくらいだよ”







次の日から散歩が始まった。



おばあちゃんのお庭に咲いてる花の話とかおばあちゃんの子供のころの話とか



東京に来たときは一人だったけど一生懸命勉強して先生になったこと、、、



だから子供が大好きなこと、、、



生きることは大変だけどそれよりももっといいことが生きているとあると言うこと。



それは僕が中学生になるまで続いた。



おばあちゃんは今でも健在で一人で散歩をしている。



たまに一緒に散歩をすることもある。



僕も一生懸命勉強して大学に入り教員免許をとったけど、先生にはならなかった。



臨床心理士になり、悩みを聞く立場になる。



それは、おばあちゃんが僕との何気ない話の中でいろんなことを教えてくれたからかもしれない。



皆、悩んでる。



その悩みの糸口をみつけ、助けになればいい。



僕が皆にとってのおばあちゃんになるのが僕の希望だ。







FIN