(短編)友達と恋人のあいだ28 | marymaryのお気楽日記

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気ままに読んだ本の感想や短編などをかきたいです。コメント大歓迎です!

レポートのために図書館で本をさがそうと思っていた。



しかしその目的とは裏腹に、恋愛小説につい目がいってしまう。



まるでレポートとは関係ないとはわかっていながら自分の今の気持ちを



確かめたくて、、、、、



現代の恋愛物だとあからさまなような気がして江戸時代の花魁の恋愛の本をみつけ



資料のような様子で読み始めた。



花魁の恋はとてもはかないもので、読み進めるほどにかなわぬ恋と



花魁と言う仕事の性を感じさせ、自分ではどうにも出来ない恋愛の糸のもつれは



最後には花魁の死と言う形で終わった。



時代背景が違うとはいえ、一人の恋こがれる男性への不信といとしい想い



それはいつの時代でも変わらないそんな風に思った。



しかし、気分は余計におちてしまい、ますます駿一郎に対する疑問の山が



曖昧になるどころか明確になってしまった。



見たくないものを見せ付けられた感じだ。



私は花魁みたいになるのだろうか?



現代的な話ではないにしても、女性の心理はかわらない。



それにしても、今時そこまで恋愛に制限があるわけではない。



軽い気持ちで選んだ本が私の心を重い気持ちにしてしまった。





あ~読まなきゃよかった。





レポートどころではなくなり、新鮮な空気を吸いたくなって外に出た。



木陰にあるベンチに座って遠くを見ていると



静かに歩み寄る人がいた。目を向けると岳だった。



”生きてるか?なんだか朝とかわらないな~”



”うん、、、なんだかね、、、、ちょっと寝不足。”



”本当に寝不足か?違う理由がありそうだな”



”そんなことないけどな~”



”それならいんだけどね”



”なんか敦から変なメール来たよ”



”変だったか?あいつらしいと思ったけどな”



”だって2.3日いなくなるって~どういうことよ~”



”妹の体の調子がよくないんだよ”



”嘘?”



”優のメールには書いてなかったか?”



”一言も、、、”



”心配させたくなかったんだな、それがあいつらしいんだよ



あれであいつ結構責任感強いから、特に妹のことになると、、、”



”そうなんだ、、、”



皆口に出さないだけで、いろいろ抱えているものがある。



いつも馬鹿言ってパチンコしてる敦の時に見せる真剣な眼差しを思い出した。



私の悩みなんて小さすぎる。



やっぱり辛くても駿一郎にあってきちんと聞こう。



それがどんな結果であったとしても、、、、




つづく