昨年の有馬記念は、ダイワスカーレットが2・6倍の断然の1番人気に応えて逃げ切り勝ち。しかし、2着には14番人気のアドマイヤモナークが突っ込んで馬単3万3490円、3連単98万5580円の大波乱となった。だが、その上位2頭は引退。果たして今年はどんな結果が待ちかまえているのか。2009年の総決算「第54回有馬記念」を週末に控えて、恒例のデータ大作戦がスタート。過去10年を様々な角度から徹底的に分析し、“仕分け人”が馬券に必要な馬、いらない馬を選択する。初日は「戦績&ステップ」を検証する。


〔1〕勝利数、連対率にボーダーライン(古馬6勝、3歳馬4勝未満=3点、連対率40%未満=2点減点)

02年2着タップダンスシチー、03年2着リンカーン、05年〔1〕着ハーツクライ以外は古馬6勝、3歳馬4勝以上をクリアしていた。テイエムプリキュア、3歳馬のセイウンワンダー、フォゲッタブル、リーチザクラウンはいずれも3勝で3点減点。

 また16頭が連対率40%もクリア。コスモバルク、シャドウゲイト、テイエムプリキュア、ネヴァブションが2点減点。


〔2〕GI好走歴は必須(GIで連対なし=2点、3~5着なし=4点減点)

01年2着アメリカンボス、02年2着タップダンスシチー、07年〔1〕着マツリダゴッホ、08年2着アドマイヤモナーク以外の16頭はGIで連対していた。大舞台では実績なしに好走を望むのは難しい。少なくともGIで掲示板は確保していたい。ネヴァブション、ミヤビランベリは4点、イコピコ、エアシェイディは2点減点。


〔3〕重賞実績も必要(1勝以下=2点、今年未勝利=2点減点)

03年2着リンカーン以外の19頭は重賞馬だったが、今回は出走16頭すべてタイトルホルダーで問題なし。また15頭が重賞2勝以上していた。イコピコ、エアシェイディ、スリーロールス、フォゲッタブル、マイネルキッツ、リーチザクラウンが2点減点。

さらに、リンカーンとハーツクライ以外の18頭には当該年に重賞勝ちがあった。エアシェイディ、コスモバルク、シャドウゲイト、セイウンワンダーが2点減点。


〔4〕芝二四以上実績(芝二四以上で連対なし=3点、芝二二以上で連対なし=5点減点。重複なし)

タフな消耗戦になりがちな2500メートルの有馬記念を乗り切るためには、スタミナが求められる。17頭がクリアしていた2400メートル以上での連対を目安とする。ただし、最低でも全頭がクリアしていた芝2200メートルでの連対実績は必要だ。アンライバルド、シャドウゲイト、セイウンワンダーが5点、エアシェイディが3点減点。

〔5〕今年の成績に安定感(GI以外で2桁着順あり、またはGI含め2桁着順2度以上あり=3点減点。重複なし)

同年にGI以外で2桁着順の敗戦があったのは01年〔1〕着マンハッタンカフェのみ。コスモバルク、シャドウゲイト、テイエムプリキュア、ミヤビランベリが減点。

また、同年に2桁大敗が2度あった馬も08年2着アドマイヤモナークのみ。アンライバルド、ネヴァブションも減点。


〔6〕牝馬には狭き門(3歳時に古馬混合GI勝ちなし=3点減点、4歳以上で牡馬混合GI勝ちなし=2点減点)

連対は2回ともダイワスカーレット。女傑ウオッカでも3歳時は11着。ダービー馬、対古馬GIジャパンC4着の実績でも通用しなかった。他にもファインモーションやテイエムオーシャン、スイープトウショウなどがはね返されたことから、連対率100%、3歳時には古馬牝馬、4歳時には牡馬相手でもGI制覇したスカーレットに匹敵する実力でもない限りは、厳しいと見ていい。GI3勝といえどもすべて世代限定戦で、古馬混合のエリザベス女王杯3着のブエナビスタは減点対象だ。テイエムプリキュアも同様。


〔7〕8歳以上は割り引き(8歳以上=2点減点)

02、04年2着のタップダンスシチーが8歳時の05年は12着。実績があっても減点は避けられない。エアシェイディとコスモバルクは2点減点。


〔8〕前走はGI(ステップがGI以外=2点)

ローテーション自体は不問だが、18頭が前走でGIを走っている。GIなら着順は問わないが、GI以外となると、たとえ勝っていても減点対象だ。イコピコ、シャドウゲイト、フォゲッタブル、ミヤビランベリは2点減点。


★初日の結論

1週間を通して、生き残りのボーダーラインは80点に設定。初日の「戦績&ステップ」では脱落馬はいなかったものの、エアシェイディ、シャドウゲイト、セイウンワンダー、テイエムプリキュアが大幅マイナスで危うい状況だ。

トップは今春の宝塚記念馬ドリームジャーニーと一昨年の有馬記念馬マツリダゴッホが減点なしで並んでいる。さすがはグランプリ馬といったところだ。注目のブエナビスタは、減点があったものの上位をキープしている。