この、性悪女め。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

この、性悪女め。

コピーを考えるとき、よく堅い表現や小難しい
言い方は分かりやすく、親しみやすい言葉へ
置き換える。「要するに…」「簡単にいうと…」
「分かりやすく例えるなら…」
という風に
発想していきながら。
 
たとえば、東レの広告で、
 
飛行機をダイエットするのも、東レの仕事です。
 
とあるが、これはカーボンファイバーを機体に
使うことで、飛行機の軽量化を実現するという
事を、要するに何というかと考えたところ、

ダイエットという言葉が出てきたわけだ。

これで、ぐんと分かりやすくなる。
 
ところで、これとは反対に
ストレートに言えば分かりやすいのだが、
わざと、どう言うこと?と聞きたくなる
ような表現をしているコピーもある。
どうして、そんな事をするのだろうね。
それはだね…

 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
ボーズは、コンサートホールの宅配を開始しました。

 
 
オーディオ機器メーカーのボーズの広告より。
このキャッチだけでは、何をいっているのか
よく分からない。だから下にあるサブキャッチ
へと進むのだ。そこにはこう書いてある。
 
ご心配なく。ボーズのコンサートホールは
リビングに置けるサイズです。

 
なるほど。それでコンサートホールとは、
一体なんだ?と気になる人はさらに

ボディコピーへ。そこにはコンサートホールの

音響を再現するオーディオについて

書かれてある。商品ついて紹介しているのだ。
 
キャッチコピーは、リードコピー

(あるいはサブキャッチ)を読ませる
ためにあり、リードコピーは
ボディコピーを読ませるためにある

という、売るコピーライティングの
のセオリーどおりの展開である。

 
実際、この広告は通販広告なので、
いかにコピーを読ませるかがキモとなる。
それは、同様にダイレクトメールの
セールスレターやWebサイトでの
セールスレターページの

ライティングにも通じる。
 
すべてのコピーを読ませるために
大切なことは、広告を見た人の
好奇心をかきたてること。

好奇心があれば、長くても人は
コピーを読むというわけ。
 
もし上のコピーが

「コンパクトなのに、感動的なサウンド。」
なんていう陳腐な表現だったら、
あまり好奇心をそそらないでしょ?

 
わざわざ、ストレートで放るのではなく、
変化球を投げるように、「コンサートホール
の宅配」なんて、わざわざ気になるような、
表現をすることで、真相を知りたくなるよう
仕向ける
という方法だ。
 
キャッチコピーだけで、商品価値を
伝え、感情を動かそうと思うと
要するにこういうことだ、簡単に
言えばこういうことだと、うまく
比喩などを使って、分かりやすく表現する。

しかし通販広告などダイレクトに売る
広告の場合は、コピーを全部読んで
もらうため、キャッチコピーなど
最初のセンテンスで完結せずに、次の
センテンスへの橋渡しとして
機能させる。
その際、あえてちょっと
謎めいた表現をした方が効きやすいのだ。

 

恋もコピーも、かけひきしだいよ。

じらして、じらして…その後はうふふ。

コピーの神様は、性悪な女神か。キス