あっさりプレーより、ポストプレー。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

あっさりプレーより、ポストプレー。

サッカーを観ていると、「ポストプレー」なる
言葉が出てくる。これは、相手陣内で、DFを背に
主にFWがボールをキープして、味方にパスを
出したりするプレーのことである。
 
例えばFWにボールを入れて相手DFをひきつけ、
「タメ」をつくって、空いたスペースに
パスではたいた
ボールを後ろから
飛び込んできたMFがシュートを
打つというイメージ。
 
実はコピーでも、こんなポストプレー
みたいな表現があったりする。
ええ、ホント?
どうかなぁ、まぁ見てよ。
 
 
今回のなコピー。
 
 
待たせずに引き出せる?
それでこのネーミングなんだ。

 
 
平日の疲れには休日がある。
では、
休日の疲れには?

 
 
最初のコピーは、りそな銀行の商品<まったなし>
2番目のコピーは、<養命酒>の広告より。
どちらも、どこか中途半端というか、
不親切というか、商品の価値を伝えきって
いないとか、そんな印象がしませんか。
 
駄目なコピー?いえいえとんでもないっす。
ちゃんと受け手のアクションを
計算した表現である。なぜそう言えるの?
 
2つのコピーに共通しているのは、
広告を見た人に「答えを探す」
アクションを促すような
表現をしていること。
 
最初のコピーでは「それでこのネーミングなんだ」
という部分。そう言われると、「このネーミング」
って何?と答えを探して広告を見てしまう。

そして<まったなし>という商品名を発見する。
「待たせずに引き出せる、まったなし。」
ストレートに伝えるより、見た人に商品名を
発見させる方が、印象に残りやすいと思う。
 
広告を見た人を、受身の状態から
能動的な状態にする
ことで、
より知覚しやすくしているのだ。
 
2つ目の<養命酒>も然り。
「では、休日の疲れには?」と訊かれると
一瞬「何だろな」と考えてしまう。
 
ちゃんと「養命酒があります」と答えは
広告に用意はされているけど、質問を
投げかけられることで、
能動的な姿勢に
スイッチ
すると思う。
「休日の疲れには、養命酒。」

あっさり伝えられるより、印象に残りやすい。
 
おおむね、僕らは広告を見るとき、
ぼーっと受身の状態でいることが多い。
いくら分かりやすく価値を伝えようと
しても、表現があっさりしていると、
印象に残りにくい
ことだってある。

 
でも、能動的な状態にするような
表現で覚醒!してあげると、見た人が
広告に参加する
ので、印象が強まるのだ。
 
サッカーのポストプレーのように、
コミュニケーションに「タメ」を
つくる、そんなイメージでしょうか。
こういうアプローチのことを、
コピー時間差攻撃と呼んでいる。(僕だけ)
  
あっさりストレートに伝えるよりも、
答えを見つけさせるなど「タメ」を

つくって、見た人を能動的にすると、

より知覚しやすくなるよ。そんな話でした。