キャラが立つことは、良きことかな。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

キャラが立つことは、良きことかな。

先々週、読点(とうてん)「、」で終わる
コピーについて「次を期待させるようで面白い」と
述べた。そこで、名刺に表記する自分の名前に、
」をつけてみようかなと思ったのだ。
<モーニング娘>というのもあるし。
 
ところが、すでに名前の後に「」を
つけている方がいたのだ。
誰だと思います?ビックリしましたよ。
 
なーんと、仮面ライダー1号こと
本郷猛、俳優にして武道家
藤岡弘さんだった。
オフィシャルサイト を見ると、
なるほど。藤岡弘、になっている。降参です。

 
まいったなぁ、マネできないや。
なんといっても、仮面ライダー=藤岡弘、は
ブルース・リーと並んで

当時の僕たちボンクラ小学生にとって、
心のアニキだったわけで、そんな方と
同じことを中地半端な気持ちでマネするのは
恐れ多いのだ。さて、どうするか。
 
そういえば、現在闘病中の歌手、本田美奈子さん
(マリリン~♪の人)も、名前の後ろに
「.(ドット)」を付けておられる。本田美奈子.と。
なんでも、画数がいいという理由だったらしい。
(最近はソプラノ歌手としてクラシック作品を
リリースしており、好評のようですね)
 
少し前までは、あのプリンスもどう読んでいいか
分からない変な記号を名前にしていたし、
やはりショービジネスの方々は、クリエイティブ度の
高い方?ばかりである。では…
 
 
★今回の!なコピー。
 
 
ぴちょんくんの会社に、
エントリーしてみない?

 
 
ダイキン工業の採用の広告より。
調べたわけではないので、確かなことは言えないのだが、
広告やスローガンで、自社をキャラクターで表現した

有名企業を僕は他に知らない。
 
ぴちょんくん>の知名度がどの程度が知らないが、
思い切ったものだ。いや、とてもコミュニケーション
のうまい会社かもしれない。

 
ぴちょんくんの会社?なんだそれは?と
好奇心をくすぐられて、興味を持つかもしれない。
知っている人は、洒落のわかる会社だと好感度が
アップするかもしれない。
 
ちなみに同社のサイトには、しっかり
ぴちょんくん>コーナーがある。その中の
プロフィール(コチラ に詳しく)
によれば、

ぴちょんくん>とは、
年齢、性別不詳で宇宙人ではないらしい。
冬には「うるおい」と呼ばれちやほやされ、
夏には「シッケ」と呼ばれているらしい。
(なんだ、水分じゃんと言ってはいけないのだ)
 
この<ぴちょんくん>、実はグッズもある。
CD、絵本、英会話本、クレーンゲームの
ぬいぐるみなど
である。
第一弾のCDは、オリコン9位、10万枚以上も
売れている
らしい。未CD化だが、なんと
テイ・トウワ作曲(おお!)のCMソングもある。
 
ダイキン工業は、11年連続増益と業績好調
である。いわゆる“勝ち組み”であるが、
それとキャラクターの関係は別にして、

キャラクター展開の巧さは注目すべきである。
 
空調メーカーという、どちらかと言えば
地味でお堅い印象の老舗企業だが、
キャラクターを作ることで、注目されやすく
親しみやすさも生んでいる。
しかもそのキャラクターのプロフィールも
空調機という商品との相性もふまえて
うまく設定されており、CMや広告にも生かしやすい。
 
ぴちょんくん>を作るにあたって、
どこまで戦略的に捉えていたかは分からないが、
グッズ展開もそつがない。キャラクターの特徴や

世界を上手に生かしているのだ。
 
サイトによると、CDもヒットしており
収益でもけっこう貢献しているはず。
どのくらい稼いでいるかは不明だが、
認知度等での貢献も考えると、広告宣伝マン

というより、役員クラスのような存在かもしれない。
 
安直にやると失敗するが、
このように会社の顔として、オリジナル
キャラクターを作って、広告、PRに使い、
人気が出てくればグッズ販売など
展開を広げていくやり方は、経営資源の少ない、
あるいは乏しい企業や個人事業者の
においても使える手
だ。
実践しているケースだって多いはず。
 
うまくいけばの話だが、キャラクターそのもの
や展開方法によっては認知度と収益面の向上を
図ることが可能
なのだ。
 
個人的には、単に一商品のキャンペーンキャラクター
ではなく、将来にわたって企業の顔であり、企業ブランドと
一体になれるキャラクターを創造
することが、
企業価値を高めるポイントだと思う。
魅力的な経営資源として、PRやマーケティング、
営業活動にも大きく貢献
するはずだ。
 
グローバルな優良企業であるダイキン工業が、
どこまで<ぴちょんくんの会社>として
認知されたいと考えているかは知らないが、

企業コミュニケーションや事業活動という
点で、非常にうまくキャラクターを活用している

ケースだと思う。
小さな会社でも参考になるはず。

 
ところで<ぴちょんくん>だが、
微妙にぶさいくだが、可愛らしさ?もある。
なんだかドコモダケと通じるものがあるが、
みなさんはどんな印象を持ちますか?
 
サイトの<ぴちょんくん>コーナーに
プチ劇場 という、
アニメーションが楽しめるコーナーがあるが、
ここでは、江戸川乱歩の小説のように<ぴちょんくん>が
花火と一緒に夜空に打ち上げられたり(爆死しますよ)、
ゴルフボールと間違えられて、思いきり飛ばされたり
(全身打撲で死にますよ)よい子は真似しないでね
というシチュエーション
もいくつかあり、
ぴちょんくん>、なかなかいい味を出している。

そこが個人的にはポイント高し。
 
最後に、たしかにコピーでは、ぴちょんくんの会社と
書いてあるが、ダイキン工業の会長さんも社長もさんも
ぴちょんくん>ではない。念のため。