今季のドラマは、すごく楽しみ!というのが私的には一つもなくて、はずれだったな~~と思い、記事にも書いていなかったのですが、先日遅れて始まったNHKドラマ「燕は戻って来ない」が、なんだか強烈で。

 

 

これ、代理出産を扱った話なので、実際、日本では大々的に行われてるわけではないと思う(架空の話?)なんですけど、代理出産を斡旋する企業みたいなのがあって、子供が欲しいのに授からない夫婦と、お金がないとか諸事情で、代理で産んでもいいよっていう若い女性をマッチングさせるんです。

 

主人公は、お金がない29歳の女性(石橋静河)で、ボロアパートで一人暮らししているんですけど、実家にもお金がないから援助もしてもらえない。帰省するお金すらない。

それでこのサービスに勢いで登録したら、お金持ちだけど、奥さん不育症でなかなか子供が授からない夫婦(稲垣吾郎と内田有紀)に、マッチングするんですね。

 

稲垣吾郎は、有名なバレエダンサーで、その母親も元有名バレエダンサー(黒木瞳)。

母親は、なんとしても、自分と吾郎ちゃんの優秀なバレエ遺伝子を受け継いだ子供を子孫として残したいと思い、それで吾郎ちゃんは代理母に登録するわけですよ。(内田有紀の意見も聞かず勝手に)

 

でも、内田有紀は卵子がダメなので、そこでの代理出産は、内田有紀との子供じゃなく、全く知らない他人の女性(石橋静河)と吾郎ちゃんの精子を掛け合わせた子供になるわけです。(石橋静河は、卵子を提供するだけじゃなく、自分のお腹で育てて産む)

内田有紀としては全くの他人の子供を自分が育てるなんて、複雑で・・。

それでも、吾郎ちゃんを失いたくなくて、渋々同意する、っていう・・。(子供が生まれないと、黒木瞳がうるさいので)

 

そう言えば、野田聖子さんって、アメリカで↑と同じようなことをして、子供を持たれたんですよね。

(自分の卵子ではなく他人の卵子と自分の夫とを掛け合わせた子供)

 

なので、実際海外では行われている話だとしても、日本で、っていうのがなんか衝撃的だったのと、それを斡旋する企業がね。

もう、人の弱みに付け込むというか、なんというか・・・めちゃくちゃ感じ悪い。(あくまでドラマの中の話です)

若い女性がお金がないのをわかってて、大金をチラつかせて、代理出産を勧めるやり口。

一方、ドナーを頼む方の不妊夫婦は、お金はいくらでもあるから、とことんそこからむしりとろうって感じで。

 

だってその企業は、斡旋しているだけで、自分の腹は一切傷まないわけだし、実際苦しい思いをするのは、若い女性だし、お金を出すのは不妊夫婦なので、本当に美味しい商売なわけですよ。

 

そういえば、そんな小説を昔、読んだことがありました。(代理出産でお金を稼ぐ話)

同じような代理出産を扱った小説で、垣谷美雨さんの小説です↓

 

 

この話も、なんだか後味悪かったな。

 

今回のドラマの原作は、桐野夏生さんで、↑とは全く別の話。

私はこの話は読んだことがないんですけど、こちらです↓

 

 

話それました。

このドラマ、すごく楽しみ!とか、すごく面白い!っていうわけじゃないのですが、なんというか、人間の醜いところや、悲しさ、愚かさ、哀れさ、みたいなものが全部詰まってて。

自分が昔、不妊で悩んでいただけに、気持ちがわかるし、この、人の弱みにつけこんだ商売のことも、手に取るようにわかる。

(当時は、子授けの御祈祷だとか、お守りだとか、子宝温泉だとか、色々なことにお金つぎ込んだものでした。)

 

だからなのか、引き込まれてしまいます。

最初は、気持ち悪い、暗い、見ていて気分が悪い、って思って、たぶんリタイアするだろうなって思っていたのですが、

それが、一話から、どんどん引き込まれてしまって、あっという間に一話が終わった感じで。(役者さんが、お芝居がお上手だっていうのもあるかもしれませんが。)

 

たいがいどのドラマ見ても、途中でつまらないな・・と思うのに、今季のドラマでこんなに引き込まれてしまったのは、これだけでした。

決して気分のいいドラマではありませんが、先が気になるので、視聴しようと思います。

(全10回のうち、いま2回まで終わっています。)

 

今、HPを見たら、5/19(日)の0:40~(土曜日の深夜)に、1~3話を一挙再放送するみたいなので、気になられる方はどうぞキョロキョロ