もうすぐクリスマス。
クリスマスに宅配ピザを取られるご家庭も多いんじゃないでしょうか。
それで思い出した、昔、宅配ピザ屋でアルバイトしていた時の話を書こうと思います。
(またまた、昔話シリーズなので、興味ない方はスルーください。)
大学一年生の時、わりと家の近くに、宅配ピザ屋ができました。
30年以上も前の話ですから、当時は、まだ珍しかった。
オープニングスタッフをたくさん募集していて、電話で注文聞くだけなら楽そう、という単純な動機で、当時親友だった子と応募したところ、とにかく人手を集めたかったのでしょう、面接でもろくに質問もせず、即採用、という感じでした。
ただ一つ、面接で全員が聞かれたことがありました。
それは、
「身長、何センチですか?」
でした。
当時は質問の意図がわからず・・。
ところが、出勤初日。
行ってみたら、私の友人は電話で注文聞く係だったのですが、なんと私はメイク(ピザを作る人)に回って、と言われてしまいました。
このバイトには、3つの職種があり、
一つ目が、電話応対。
二つ目が、メイク(ピザ作る人。)
三つ目が、バイク配達要員。
でした。
女子は皆、電話係だと思っていたのですが、男子はバイク配達要員に必要なため、メイクの人員が足りなかったのです。
メイクに任命されたのはショックでしたが、行ってからそんなこと言われても「じゃあ、私帰ります!」と言う勇気もなく・・
仕方なく、一からピザ職人として、作り方のレクチャーを店長から受けることに・・。
唯一救いだったのは、私のほかにもう一人、背の高い女の子がいたことです。
作り手は、主に店長と私と、その女の子、あとは男の子が一人。
この男の子は、バイクで配達する係も両方やっており、日によって、人の足りないポジションに回る、という感じでした。
で、店長から聞いた「身長何センチですか?」の質問の理由・・。
なんと、身長160cm以上の女子は、全員メイクに回す意図だった、と言うのです。
なぜなら、ピザ作るのって、とても力のいる仕事だから・・。
大柄の女性じゃないと務まらないと。
あと、ピザを焼く釜が結構高い位置にあるので、背低い子だと、出し入れが難しい。
私の親友は、身長150cmくらいだったので、まんまと免れました。
そして集まったバイトは、電話は背の低い女子ばかり。
メイクは、背の高い女子ばかり(と言っても二人ですが)になりました。
と言っても、私は当時163cmくらいで、決して「高い」という部類でもなく、普通だったと思うのですが、160以上=メイクというルールがあったので、どうしようもありませんでした。
そして、このメイクが、実はとても大変で・・。
ピザ生地が発酵されて冷蔵庫に入っているところまでは、店長がやっておいてくれるのですが、先に言った通り、その発酵した生地を何度も何度も大理石に打ち付けて、空気を抜かないといけない。かなりの力仕事。
その後、やっと成型と言って、周りにエッジをつけて、その後空中回転させ、オーダーの大きさになるまで遠心力で大きく広げて行くのですが、まあそこまではなんとかできるようになったものの(できるようになった私も我ながらすごいと思いますが笑)、その後トッピングして、大変なのはまたそれから。
巨大なコテのような物にピザを乗せたら、1000度近くもあるような釜の中にそのコテで、ピザを放り込むのです。
釜の扉はめちゃ熱いし、焼いてる途中で、片面だけ焦げないように、一度またコテを中に入れて、半回転させます。
いちばん奥に火があるため、奥だけ焦げやすいのです。
そしてやっと焼けたら、またコテを釜に突っ込んでピザを取り出し、ピザカッターで何等分かして、紙の箱に入れる。
そこまでが仕事なんですが、この釜の出し入れで、何度火傷したことか・・・。
気付けば、常に手はやけどだらけ・・。
そして、トッピングにオニオンやガーリックもあるため(素手でトッピングするため)、毎日手はガーリックやオニオンで臭くなるし、洗っても匂いが取れない。
もう本当に、若い女性がやるようなバイトではありませんでした
そして、いちばん腹立つのが、こんなに大変なのに、メイクの人も電話番の女子も、時給が一緒なのです。
ひどくないですか??
わりに合わないバイトでしたが、一年くらい続けたと思います。
慣れてきたら、また次探すのも面倒で・・。
でもそのうち、私に彼氏ができ、いつもオニオン臭い手で彼に会いに行くのも恥ずかしくて、なんとなく嫌になり、やめてしまいました。
(どこでバイトしてるの?って聞かれて、○○ピザって答えるのも恥ずかしかった。)
まあ、もっと早くやめろ、って話ですが。
次は、本当に電話番とレジだけの楽なバイト(高級レストランのフロント)に移りました笑
そして、私の人生で一番屈辱的なクリスマスは、このバイトしてた時でした。
イブの日、彼氏彼女いる子はシフトに入らない。
私と友人は彼氏いなかったので、この日はシフトに入れられ、一日何十枚というピザを焼き、クタクタになってやっと閉店したのが、22時すぎ。
まっすぐ家に帰る気にもなれず、どこかで食事しようにも、その時間やってるのは、都心部でもなかったので、居酒屋くらいしかなく、安居酒屋に二人で入りました。
でも、イブの日に女二人で居酒屋って、「私たち彼氏いません」と公言しているようなもの。
しかもイブのムードもクリスマスらしい雰囲気も何もない・・。
むしょうに淋しさとせつなさと情けなさと、なんとも言えない感情がこみあげてきて・・・。
恥ずかしくていてられず、早々に引き上げました。
その日以来、たとえ彼がいなくとも、イブは女二人で外に出ることはやめた私です
恥さらしをしているようなものなので。
今となっては、あの頃、なぜあんなに、イブを男子と過ごすことにこだわっていたのだろうと思いますが。笑
バブルの頃ってホント、クリスマスが一大イベントでしたよねー