2人を病院に連れて行った。
病院から薬局まで歩きながら、双子の後ろ姿を見る。

何気なく双子を見る人は、可愛いって思うんだろうな。
うちの子達は一卵性でそっくり。
声は甲高く、いかにもお子ちゃまです、って声。天真爛漫。
人見知りはしない方。

うん、かわいい。

だが、それは罠なのだ。
その後ろを歩く母の顔を見てみるがいい。
何と深い眉間の皺。
しかめっ面。
張りつめた神経。
…そう、なにせ彼らは自由人。自由人の母は、自由ではいられないのだ。

小学校高学年になった兄の方は、まじめできっちりしている。おかたいですね、って母は思うことも。
弟さん達は奔放ですね、って母は思うことも。


双子達、幸せそうだなぁ。毎日楽しいだろうなぁ。
思いがそこに行き着いたとき、母は幸せを感じることができる。

自由人を見て、もっと笑っていられたらなぁ。