今日に限って雨が降った。
雨は嫌いではないのだけれど,今日のはいただけない。
命からがらで高速道路を走った。ただでさえ苦手意識があるのに,雨の高速だなんて怖い。
 
ナビ頼みだったんだけど,それも心許ない気がして,
「どこでおりるんでしたっけ?」
などと電話をしてみる。ナビよ,信じなくてごめん。
で,無事に目的地に到着した。
 
そこでは,思いがけない再会や出会いがあったりして,それが面白かった。
久々に再会した友達と昼食を共にし,近況や会わなかった時間のことを話した。
 
帰りは,あんなに怖かった高速に心地よささえ感じた。
相変わらず雨は降っていたし,水しぶきで煙ることもあったけれど,
自分も水しぶきをあげて走るのは,なんだか気持ちいい気がした。
ちょっと寄り道してお土産を買った。
ご当地ものを買ってしまう。
 
 
いくらメールをしても電話をしてももどかしく,
結局空虚は埋まらない。
これを感じながらやり過ごしたり,じっと堪えたりするのもまた,
人生の妙なのか。しみじみ。
嫌われても,逆に好かれても,無関心でいられても,
じっと私の歩みを進めていく。
でも,つかみたいんだ。
「もう人生,カウントダウン。」なんて冗談めかして言ってたら
「まだ早いよ。」なんて,どこからともなく返事が。
早いかどうかなんて分からない。
アラフォー時代にしかできないことってあるかもしれないし。
 
私の根底にはなぜかいつも「無常」の文字が漂っている。
だから高速も怖いのか。
 
ある日,「無常とは何か。」彼に問われた。
どう答えようかと考えた。下手に答えたくなかった。
また辞書を持ち出したり,平家物語の解説を眺めてみたりした。
そして彼に返答しながら,私の心の中にまた沁みた「無常」。
 
いろんなことを思い出したり,この感情がどこから来るのか考えたり,
好きな曲を聴いたり,一緒に歌ったりしながら車を走らせた。
心地いい時間でもあった。
雨の高速。