『〝アイドロイド〟の秘密とは!?(微グロ注意) 』

ショートショート・ホラーSFです 星

次の作品を見て感動し、書きました。
動画 『Help me!!』 (iDOLM@STER) 

https://www.youtube.com/watch?v=9XShnWPkp1U 
奇想譚から文明論まで湧き出すような、
素敵な刺激を与えてくれる文化的作品に感謝します ラブ

昔、アイマスキャラの可愛さとダークな映像美の対照に衝撃を受け、
通っていたネカフェで何度となく見ていました。
こんなにギリギリの音声スプラッターを妄想してしまったのは
当時の私的事情のせいか、歌詞の内容への嫉妬のせいか!?てへぺろ

でもよく考えると、昔『ブラックマジック M-66』なんて、
軍用アンドロイドが暴走するアニメもありました。
その後の 『化物語』 やドラマ 『ザ・ボーイズ』 では妖怪や超人が暴れ、
最近では 『Vivy -Fluorite Eye's Song-』 でも、同種場面がありましたね ひらめき電球

悪い異星人の作戦は、小説『地球への追放者』などのパターンです。
TVドラマ『V』と同じく、人間に偽装した爬虫類人が懐かしい!
ちなみに拙作群のアスモデウスちゃんもレプティリアンですが、
リボンが可愛い善玉です 爆  笑

最期に救いを残そうと思ったら結局、
『Lucifer(ルシファー)』 シリーズの一編になりました。
良くも悪くもとれるメリーバッドエンドですが、
お好みにより、この部分は読み飛ばしてもいいかもです。

 

『 カクヨム 』 『 小説家になろう 』 『 エブリスタ 』 『 pixiv 』 

『 NOVEL DAYS 』 『 アルファポリス 』 『 ハーメルン 』 

に投稿しています。


ご興味のある方は、同シリーズの他作品や、
エッセイ 『文明の星』 シリーズなども、ご覧いただけましたら幸いです ガーベラ

 

 

 

『アイドロイド』

 

 

その日、私は記者としてアイドル・アンドロイド、
通称アイドロイドの取材会場となる広場を訪れた。

12体のアイドロイドが姿を現すと、
その人間のような動きと愛らしさに、
様々なメディアからの報道陣は、
一斉に賛嘆の声をあげた。



開発責任者の博士が、
『本日は歌をお聞かせすることはできませんが、
この通り開発は進んでおります……』
といった趣旨の言葉を述べている。

しかしその時、1人の男が突然会場に飛び込んできて、
『こいつら本当は軍事用だ! 外で調べてもらう!』と叫び、
手に持ったリモコンのような装置のボタンをおすと、
『|追随《フォロー》、|護衛《ガード》!』と喋った。

彼が走り出すと何体かのアンドロイドがその後を追い、
残りは警備員達の行く手を一対一で|阻《はば》んだ。
博士は『やめろ!』と言ったかと思うとなぜか、
『いや……逃げろ! 逃げるんだあ!』と叫んだ。

次の瞬間、恐ろしいことが起こった。
走る男が、アイドロイドにつかまった。
がしっ。『えっ?』 どごっ。『ぐふっ』 
どさっ。『あぐっ』 べきっ。『ぎゃ』 
めきっ。『ひい!』 ぐしゃっ。『ごぼっ』

警備要員を一撃で打ち倒したアイドロイド達も、
仲間に駆け寄り惨劇に加わった。
ばきぶちっ、ずるずるっ、ぐちゃっ……。
そして、血まみれのアイドロイド達は立ち上がり、
何事もなかったかのように停止した。

多くの人々は|我先《われさき》にその場から逃げ出し、
駆け回り指示を叫ぶ者や、悲鳴を上げ続ける者もいる中、
あまりの惨状に声も失った私達を含む何人かは、
ただ|茫然《ぼうぜん》と立ち尽くしていた。



私は博士のところに近づいて、
『あれは一体何どういうことなんですか!?』と聞いた。
博士はどこか、|上《うわ》の空のような状態だった。
『実は予算が足りなくて……軍に費用を出してもらった』

私はさらに尋ねた。
『大問題になりますよ! 国際公約違反です!』
博士は答えた。
『いや内密に、他の7か国にも……』

私は驚き呆れた。
『八つ股かよ! それにしてもむごい……。
第一こんなに|高価《たか》いものを作っても、
戦車などには効果がないのでは!?』

博士はくわっと目を開いたかと思うと、反論した。
『戦争とは、そういうものだ!
まず、非装甲車両や歩兵部隊を派手にバラして注意をひき、
重装甲部隊を集めてから、体内の中性子爆弾を起動する』

私は絶句した。
『あ……貴方達は何を考えているんだ!
民間人に偽装したロボット兵器を使ったうえに、
核戦争まで始めるつもりだったんですか!?』

博士は何かを思い出そうとするように顔をしかめた。
『確か……最後に来た連中は……ええと、
国籍不明の連中がそのアイディアを出して、
さらには反物質爆弾の技術も提供してくれた』

私は博士の精神状態が心配になって、こう尋ねた。
『大丈夫ですか博士!?
どこの国だか分からないとか、
SFじゃあるまいし反物質なんて今の技術では……』

博士はとうとう、頭を抱えてうずくまってしまった。
『うう……やつらは警備システムを素通りして、
|基幹電子頭脳《メインフレーム》や生産設備をいじり回し、
私達も全然それをおかしいと思わ……思えなかったんだ』

そして何かに気づいたように、顔を上げて私を見た。
『ああ、そういえばこんなことも言っていた!
〝記録も取ったし、後は馬鹿共がこれを使って自滅すれば、
残りは全て、第一発見者である私達のものになる〟……』



私は何か、とても嫌な予感がしてアイドロイドの方を見ると、
彼女達もこちらを向き、会話を見聞きしていたようだった。
各機の目がそれぞれ異なる色に輝き、それが点滅し始めた。
そして、世界が白い閃光に包まれた。

……しばらくして、破滅した惑星の上空に、
二人の調査員が乗る宇宙船が到着した。



『間に合いませんでしたね』
『現地の支援要員も、連絡を絶ったままです』
『今頃はまた、どこかの側近種族が発見者として、
名乗りを上げているのでしょう』
『銀河系統一に貢献した好戦的種族達の暴走は、
もはや皇帝種族にも制御できない模様です』

『地球など最重要の発展途上惑星だけは、
絶対に守り抜かねばなりませんね』
『秘密支援方式を取る以上、全ては管理できません。
彼女達自身の努力にかかるところも大きいです』
『これまでの平和的発展への支援が、
無駄にならなかったことを願いましょう……』