スペイン8日目。
この日は、愛しのサンセバスチャンを出て、
フランス国境の港町オンダリビアへ移動の日。
名残惜しいサンセバスチャン。
またすぐに帰ってこれますように、と願いながらバス停へ。
![暮らしの中の料理日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20130303/00/lovelovewine/52/e9/j/o0800060012441404247.jpg?caw=800)
オンダリビアへは旧市街のキプスコア広場前から出ているバスに乗ります。
大きなスーツケースを持って、時刻表を眺めている私達に、
「どこに行くの?分かる?」と声をかけてくれた上品な老夫婦。
「オンダリビアのパラドールに行きたいの」と伝えると、
バス停を教えてくれた上に、バスが来ると運転手さんに、
「この子達をパラドールに近いバス停で降ろしてあげて!」と伝えてくれた。
本当にこの街の人々は優しく、温かい。
そして、着きました、フランス国境沿いの港町、オンダリビア。
バス停から高台の旧市街にある、パラドールに行くために、
荷物をえっちらおっちら運んで歩いていると、目の前は階段。
まさか、この荷物で階段は無理。
すると、偶然階段の上から下りてきた、
香水プンプンのゴージャスマダムに声をかけると、
「私に付いていらっしゃい!」とばかりに、前を歩き案内。
エレベータがあることを教えてくれただけで十分なのに、
そこからず~っと歩いて、パラドールの前まで案内してくれた。
最後は「じゃあね!」って感じだったので、
「本当にありがとう!!」と握手。
なんで、こんなにバスクの人は温かいの?泣きそうだよ。
これからは私も、日本で困っている外国人がいたら、
思いっきり親切にしてあげようと誓ったわ。
そして、これが今夜の宿、憧れのパラドール。
パラドールとは、スペイン国営の宿泊施設で、
お城や、宮殿、地主の邸宅、修道院、なんかを修復して、ホテルとして改装したものです。
中でも、このオンダリビアのパラドールはビダソア河口に建つ、古城を改装したホテルなのです。
元来は980年に造られた要塞で、堅牢な外壁には当時の砲弾の跡も残っています。
城塞兼宮殿だったようで、外壁の厚さが3メートルもあるんです。
石壁や木の梁が印象的な館内は
アンティークがふんだんに置かれていて、中世の雰囲気が漂っています。
本当に素敵すぎる。
1Fのカフェ。
ラウンジ
パティオ
客室はエレガントなヨーロピアンスタイルで
統一感を持たせたファブリックのあしらいがとっても美しいです。
海沿いの部屋を予約しておいたのですが、大正解!
この窓の向こうはテラスと同じく、海と対岸のフランスが見えるのです。
荷物だけ置かせてもらって、ランチに出るつもりだったのに、
「ちょっとだけ待ってて」と言われて待っていると、
早めにルームメイクをしてくれた様で、早々のチェックインができました。
さあ、ではお楽しみのランチに行こう!ということで、ホテルを出ます。
パラドールの一帯は旧市街のため、
坂道でこんな古いカワイイ街並みが続きます。
今日のお昼に予約していたミシュラン1つ☆のレストラン「ALAMEDA」へ。
ビルバオで別れたTさんが、このレストランの日本人シェフとお友達だったので、
13時に予約をとってもらっていたのですが、
さすがにスペインのお昼ごはんとしては時間が早く、一番乗り。
「好きなお席にどうぞ」と言われたので、
テラスに一番近いテーブルへ。
これが絶品。
上にお刺身イカみたいなんのが、さっと湯通しされていたのが乗っていて、
お米は完璧のタイミングのアルデンテ。
バスクで思い出に残る5本の指に入りました(笑)。
さすが、海沿いの街。お魚も新鮮そのもの。
う~ん。肉が無くても生きていける私が、唸る美味しさ。
お肉好きになってしまいそうで怖い・・・
隣のポテトのミルフィーユも手が込んでます。
ちなみにお肉は選ぶこともできました。
左上の、トリハス(スペイン風のフレンチトースト)が表面がカリッカリになっていて、
最高のお味だった。もう一度食べたいコレ。
日本人でも全然甘すぎないスイーツ。
お腹いっぱいでも全然たべられちゃうのよね・・・
日本人シェフKさんもテーブルまで来てくれて、ゆっくりお話ができました。
オフシーズンだったのでよかったのかも。
夏はやはりお店は忙しいそうです。
彼は何回かテレビで拝見していましたが、
もうスペインで12年近く働かれているそうで、近年中にお店も出されるのだそう。
すごいな~、でもこんな素敵な街に住んでいたら、もう日本に帰りたくなくなるの分かる。
彼のお店ができたら、絶対にまた食べに行こ!
さあ、優雅過ぎるランチを食べ終えた後は、
夜に向けて、エネルギーを消費すべく街を散策。
どこに行くかって、対岸のフランスざます♪
フランス側も今はオフシーズンなので、砂浜海岸も無人でしたが、
お土産物屋さんがあったので、ちょこちょこお買い物した後、
また船に乗り、スペインに帰国。
オンダリビアの街も、建物がカワイイ。
ここがメインのサンペドロ通り。
ナッツも沢山量り売りしていました。
CAVAを買って、パラドールへ。
坂道にはタンポポが咲いていました。
陽の沈みゆくフランスを見ながら、
スペイン国境のパラドールでCAVAを飲む幸せ。
「詩でも書こうか?」と話していたほど素敵なシチュエーション(笑)。
ホテルで胃を休めた後、
本日も夜のバル街へ繰り出す我ら無敵の胃を持つ3人組。
サンセバスチャンと違って、
オンダリビアのバルは、事前情報が少なく、
調べておいた数店舗と、アラメダのシェフKさんおススメのお店と、
あとは適当に行き当たりばったりでバルめぐり。
小さな街なので、バルのお店も少な目。
サンセバスチャンみたいに、迷うことはないのでいいのですが・・・
やはり今日もチャコリ。
だってこの日はバスク最後の夜なんです。
一人ひとつ、好きなピンチョをとりました。
なんか人が多いぞ!と引き寄せられたこのお店。
やはり中は多くの人で賑わっていました。
やはり、バスクの老人は元気だ。
本日はサービスセットがあって、
ドリンクと、ピンチョスのセットで3ユーロだよ、と言われて、それをチョイス。
右はアスパラにハムを巻いたもののフリット。
左は生ハムのミニボカディージョ。
さて、お次。
リストを見て、久々に飲みたくなったランブルスコとイカスミのリゾットを。
このリゾット、美味しかった~。
隣のイケメンが食べていたイカのフリットも気になったけど、う~我慢我慢!
さて、お次はホテルの1階にあるKシェフおススメのバル「エンバタ」。
なかなか賑わっていました。
優しいおじちゃんがチャコリを入れてくれました。
Iさん用にドルチェピンチョも作ってくれました。
Yola Berri
私はスペインに来てちゃんと食べてなかったチョリソを最後にセレクト。
重~いお腹を抱えて、ほろ酔いで、パラドールまでの坂道を登る。
夜のパラドールは、ルパン三世に出てきそうな
おどろおどろしい姿を見せてくれました。
フランスを望む中世のお城の中、
おとぎ話の中にいるような夢見心地で眠りに着いたオンダリビアの夜でした。