上野毛の多摩美の芸祭に行った、
むかし、多摩美のひとと付き合っていて、よく彼女のアパートでふたりですごした、
築何十年か経ってそうな、古いアパート、
ふと、その気になって、そのアパートまで行ってみた、
何年も前のことなので、たどりつけるかすこし心配だったけれど、体が道をおぼえていたし、一度しか入らなかった店もすべておぼえていた、どんないきさつで入ったかも、
そのときのことが、きのうのことのようにありありと思い出せる、
きっと彼女はもう忘れただろう、
そして、彼女がおぼえていて、自分が忘れていることも、きっとたくさんあるだろうけど、思い出に花を咲かせて、お互いの記憶をすりあわせる機会はもうない、
むかし彼女が住んでいた、よくふたりで過ごした古いアパート、いまではちがう人が住む、
でも、その現実のアパートじゃない、同じ形のアパートがどこかにあって、彼女と自分の姿をした、置き去りにした思い出が、いまでもふたりで幸せにくらしているような気がする、
仲むつまじく、笑いあって、
wire(毎年夏に横浜アリーナでおこなわれるテクノのイベント)行ってきました、
今年はhard ton(ハード・トン)が個人的ベスト・アクトでした、
hard ton
イタリアのヴェネチア出身ということ以外はほとんど情報がないハード・トンは、どうやら09年に突如としてレコードをリリースし、物好きな連中から注目を集めたようだ。
すでに当時の所属レーベルDissidentは閉鎖されていて、シカゴのジャック・ハウスとイタロ・ディスコを絶妙にミックスしたデビュー・シングル「Time To Jack」は、200枚限定だったこともありかなりのレア盤になっている。
蛍光塗料でペイントした裸体の巨漢が歌うこの曲のビデオはそれだけであっと言わせるインパクトがあるが、ライヴはさらに強烈だ。
ハゲひげ面の裸同然の巨デブがボンデージ・ファッションで客を挑発しながら、一瞬口パク?と目を疑うようなファルセット・ヴォイスで唄う“彼女”の姿は、まるきり地下ディスコ・クイーンそのものだ。
往年のDivineやGrace Jonesをも凌ぐ強烈なインパクト、そしてその歌い手の存在感にも負けない、味のあるエレクトロ・ディスコ・サウンド。
しかも、自己申告によれば、このサウンド、往年のアナログの名機や、TENORI-ON、KAOSSILATOR、ゲームボーイ(!)などを使って自作しているという。
危険なボンデージに身を包み、303ビキビキのハード・エレクトロで超かっこよかったです、

今年はhard ton(ハード・トン)が個人的ベスト・アクトでした、
hard ton
イタリアのヴェネチア出身ということ以外はほとんど情報がないハード・トンは、どうやら09年に突如としてレコードをリリースし、物好きな連中から注目を集めたようだ。
すでに当時の所属レーベルDissidentは閉鎖されていて、シカゴのジャック・ハウスとイタロ・ディスコを絶妙にミックスしたデビュー・シングル「Time To Jack」は、200枚限定だったこともありかなりのレア盤になっている。
蛍光塗料でペイントした裸体の巨漢が歌うこの曲のビデオはそれだけであっと言わせるインパクトがあるが、ライヴはさらに強烈だ。
ハゲひげ面の裸同然の巨デブがボンデージ・ファッションで客を挑発しながら、一瞬口パク?と目を疑うようなファルセット・ヴォイスで唄う“彼女”の姿は、まるきり地下ディスコ・クイーンそのものだ。
往年のDivineやGrace Jonesをも凌ぐ強烈なインパクト、そしてその歌い手の存在感にも負けない、味のあるエレクトロ・ディスコ・サウンド。
しかも、自己申告によれば、このサウンド、往年のアナログの名機や、TENORI-ON、KAOSSILATOR、ゲームボーイ(!)などを使って自作しているという。
危険なボンデージに身を包み、303ビキビキのハード・エレクトロで超かっこよかったです、

むかしむかし、小鳥が一羽いた、
小鳥はオリエントにある涼しげな宮廷に住んでいた、
小鳥は首に宝石のついた重たい首輪をはめていた、
花の香りや小さな噴水の水音を楽しみながら、小鳥は大理石の宮廷で幸せに暮らしていた、
ある日、主人のお客たちがいった、
「おお、あの緑の小鳥はなんと美しいのだろう!」
「あの小鳥はたしかに美しい、しかし緑色ではなく水色ですぞ、よくご覧なされ」
「いやいや、あの小鳥はオレンジです、見ればわかること」
お客たちは、小鳥の色が何色か意見をひとつにすることはできなかったが、全員、首輪のみごとさには圧倒されていた、
秋になり、いままで日陰を作っていた木々の葉も落ち、小鳥は空を見ることができるようになった、
ある日小鳥は、南に向かってとんでいく鳥の群れを見た、
小鳥もいっしょに行こうとしたが、首輪が重く、とべなかった、
日一日と寒さが増し、小鳥はとらわれの身のつらさを感じていた、
七日目の夜明け、小鳥は力をふりしぼって、首輪を首からふりおとした、
首には首輪のあとが痛々しく残っていた、
小鳥は血を流しながら、それでも自由の身となって高い空に舞いあがった、
海や砂漠を越えてとびながら、小鳥はこの世はなんと美しいのだろうと思った、
そして、ノスリやヘビの手からのがれ、危険とともに生きることを学んだ、
三十一日目、小鳥は南にある鳥たちの大きな集落にたどりついた、
仲間は小鳥を大歓迎してくれたが、小鳥はどうしてこんなに大歓迎されるのだろうと不思議に思った、
フクロウがわけを説明してくれた、
「虹色の小鳥は、わしらみんなに幸福と健康をもたらしてくれるのだよ」
小鳥はようやく、自分の羽が七色であることを知った、
虹色の小鳥は長生きし、世界中をとびまわった、
しかし、首輪を見るたび、首に残った傷あとがうずくのだった、
世界は七色の虹だが、人は自分に見える一色しか見ないで、あの緑色の虹はなんと美しいのだろう!と言う、
でも、バックに隠れて目立たない色があって虹であり、毎日の生活は、見付けられない目立たない色で形成されている、
小鳥はオリエントにある涼しげな宮廷に住んでいた、
小鳥は首に宝石のついた重たい首輪をはめていた、
花の香りや小さな噴水の水音を楽しみながら、小鳥は大理石の宮廷で幸せに暮らしていた、
ある日、主人のお客たちがいった、
「おお、あの緑の小鳥はなんと美しいのだろう!」
「あの小鳥はたしかに美しい、しかし緑色ではなく水色ですぞ、よくご覧なされ」
「いやいや、あの小鳥はオレンジです、見ればわかること」
お客たちは、小鳥の色が何色か意見をひとつにすることはできなかったが、全員、首輪のみごとさには圧倒されていた、
秋になり、いままで日陰を作っていた木々の葉も落ち、小鳥は空を見ることができるようになった、
ある日小鳥は、南に向かってとんでいく鳥の群れを見た、
小鳥もいっしょに行こうとしたが、首輪が重く、とべなかった、
日一日と寒さが増し、小鳥はとらわれの身のつらさを感じていた、
七日目の夜明け、小鳥は力をふりしぼって、首輪を首からふりおとした、
首には首輪のあとが痛々しく残っていた、
小鳥は血を流しながら、それでも自由の身となって高い空に舞いあがった、
海や砂漠を越えてとびながら、小鳥はこの世はなんと美しいのだろうと思った、
そして、ノスリやヘビの手からのがれ、危険とともに生きることを学んだ、
三十一日目、小鳥は南にある鳥たちの大きな集落にたどりついた、
仲間は小鳥を大歓迎してくれたが、小鳥はどうしてこんなに大歓迎されるのだろうと不思議に思った、
フクロウがわけを説明してくれた、
「虹色の小鳥は、わしらみんなに幸福と健康をもたらしてくれるのだよ」
小鳥はようやく、自分の羽が七色であることを知った、
虹色の小鳥は長生きし、世界中をとびまわった、
しかし、首輪を見るたび、首に残った傷あとがうずくのだった、
世界は七色の虹だが、人は自分に見える一色しか見ないで、あの緑色の虹はなんと美しいのだろう!と言う、
でも、バックに隠れて目立たない色があって虹であり、毎日の生活は、見付けられない目立たない色で形成されている、
