まずは形を
重さは？
カーブは？
帆には何を使う？
考えすぎたり
思い詰めながら
つくる
ずっとずっと長い時間をかけて
目をつむりながら
風を感じながら
ゆっくりとつくる
エンジンもできれば乗せたい
舵もつけたい
あれこれ考えて・・
先に往った船を見つめながら
汽船の音を聞きながら
海を眺めて・・
途中で、、海の真ん中で止まったらどうする？
その先には何があるだろう
考えながら
考えすぎながら
ずっとずっと大きな船をつくる
こんな重たいの浮くのかな？
重たいという気持ちが積み重なって
ある物体が生まれる
しかし、それは
あるものと掛け合わせれば
軽いものとなり
あるものに気づけば
柔らかくなる
遠くからの声に気付いて
波の囁きに気付いて
ゆるやかな曲線は
しなやかに弾いて
他のものが生まれる
船はそのまま
海辺を知りつくし
朽ちる
しかし
他のものが生まれたその場所は
以前と違う場所になる
風も変わる
もちろん雲も変わる
すべてすべてすべて
変わってゆく
新しい風
新しい波
新しい雲
新しい夢
新しい心
新しい太陽
ありがとう・・