4月後半、大型連休、とはいえSTAY HOMEが今はとても大事だ。生きているといろんな経験をするものだ。
   以前わたしは、竹宮恵子氏、山岸涼子氏についてブログで触れた。今日触れる『マージナル』は萩尾望都氏の作品である。萩尾望都氏は竹宮恵子氏と同居しながら漫画を描いていた時期もある。時代とは凄いものだ…  


   本題。マージナルの世界観は
『マザが1人、他は男ばかりの世界』として最初に提示される。 

  この世界の中に一際、異彩を放つのが
『マルグレーブ』と呼ばれる存在だ。
         内容を詳しく書くと、今後読む方の楽しみも奪うことになるため、マルグレーブ、にフォーカスをした話をしたいと思う。

  マルグレーブは使命を持って、この、マージナルを統率している。 
  そして彼は、もともととても優秀な人間だったのが先天性の遺伝子の病があった。
  この作品においては、この遺伝子を持つもの、は子孫を残すことを禁じられている。

  仕事を淡々と目的に沿ってすすめるマルグレーブは冷淡とも冷酷とも見える。


  しかし、彼はあることを知らされる。彼の病は長生きはできないのは彼も承知の事実だったが、彼の友人である女性から、彼の知らなかった事実を聞かされる。
  

  自分は長生きできない。自分は子孫を残せない。
そんな彼はそれでも任務を遂行し続けた。

  なぜ…?
愛する人との子供が欲しい、愛する人と長生きしたい。

  しかし、自分がそれが不可能な存在だったならそれを望まないことが、誠実であると彼は思っていたのだと思う。だから淡々と与えられたことを、間違いなくこなすことに没頭した。


  彼のことをおそらくは愛していたであろう女性が、放った言葉がわたしに突き刺さった。
マルグレーブは資産家だったようだが

『彼はなんもなんでもくれると言ったわ!愛以外は全部!ならわたしは、もらうわ!』
(かなり中略しております)

       愛の形はそれぞれだ。
大事なものだからこそ、突き放すことも愛なのかもしれない。

  

漫画や映画ドラマ、今、家で楽しむ方法も増えてきた。わたしはぜひ、読んでほしい。

そして萩尾望都氏が描く世界の欺瞞や残酷さにその中の希望に、わたしはいつも感嘆するのだ。

お身体の健康を大事にされて、ぜひ作品を今後も発表してほしい。読者のわがままも添えておきたい。