コンラッドの28階にある日本料理のお店です。
きちんとした日本料理のお店には珍しく、景色が良くて、天井が高く、明るくて開放的な雰囲気。
ゴードン・ラムゼイの向かい側で、窓から見えるのは、すぐ下に浜離宮、その先にはお台場が。
この日は、晴れていたんだけど、やや靄がかかっている感じで、それでもかなり距離のあるゲートブリッジまで見えました。
昼は、浜離宮の緑が美しく、夜は、お台場の夜景が煌めく、良い景色。
食事前のテーブルセットは、シンプルでスタイリッシュ。
食前酒に、スパークリング日本酒というものを頼んでみた。
「獺祭」の発泡にごり酒だそう。
獺祭の香りと甘みに、爽やかな炭酸が加わって、食前酒にぴったり。
太刀魚一塩 花わさび 東京独活 加減酢
新玉葱摺り流し 塩麹の香り
和牛叩き握り 卸し山葵
どれも上品にまとめられていて、大変美味しかった。
左の和牛のにぎりは、脂の乗った牛が、適温で握られていて、口の中でとろけるよう。
真ん中は、この日は太刀魚ではなく鱒を使ってあって、まったりとした味にまったりした舌触りで、鱒の旨味を堪能できた。
すり流しは、流行りの塩麹もとても上品に使われていて、旬の新玉ねぎの甘みが、優しい味。
合鴨地部煮椀 春蕪 姫筍 蓬麩 葉牛蒡 和芥子
合鴨はとても柔らかくて、蕪も筍も麩も、お出汁も、何もかもが優しい。
突出するような鋭さはどこにもなくて、全てが丸い印象。
本日の水揚げ 三種盛り
この日は、鯛、海老、イカの三種。
どれも上質なことのわかるような舌触りで、とろけるようでした。
かます雲丹焼 鯛粽寿司 稚鮎蓼揚げ 出汁巻玉子
蔓菜白和え 伽羅蕗 燻し蚕豆 はじかみ
ここまでは、どれもが優しい味と舌触りだったんだけど、焼物は少しアクセントがあって、とてもバランスが良いと思った。
かますの雲丹焼きは、ウニの焼いた風味が非常に美味しかった。
お魚の焼き加減ももちろん素晴らしく、大変美味。
雲丹と一緒に食べるより、別々に口に入れた方が楽しめた。
鯛粽寿司は、茅の香りがとても良く、鯛の香りは立ちすぎず、もちもちとした歯触りが絶妙。
そら豆は燻製してあって、初めて食べる香り。これはすごく良かった。
白和えや、出汁巻き卵など、どれも日本料理らしい繊細な味付け。
金目鯛油蒸し 木の芽の香り 蕨 東京独活 かもじ葱
この日は、金目鯛ではなくて鱒だったような気がする。
今までよりパンチのある味付けで、甘辛く、他の品に比べて油分が多め。
魚の味が、少し強めな味付けに負けていなくて、とても好みだった。
そこに、たっぷり乗ったウドや葱が、とてもさっぱりしていて、素敵な組み合わせだった。葱は辛めで香り高く、油分と魚のくさみを消してくれる。
岩魚茶漬け ぶぶ霰 軸三つ葉 海苔香味干し
美味出汁 香の物 三種盛り
岩魚のお茶漬けは、しっかりとお魚の風味が出ていた。
これまた上品な出汁の味に、岩魚の味がしっかりとして、そこに三つ葉と海苔とワサビの香り。
ここまで何品も食べてきたので、普通に炊き込みご飯+汁椀よりも、お茶漬けはさらっと食べられるから良いなぁと思った。
でも、味は、さらっと食べるというには、少し魚の香りが強め。
本日の盛り合わせ
アイスクリームは、なんと、ふきのとうのフレーバー。ふきのとうの苦みと青みが、クリーミーなバニラと溶け合っている。
これは、好き嫌いがありそう。お子さまな私は、ふきのとうの大人な味は、嫌いでは無いけど、それほど好きでも無いかも。普通のアイスのがいいな(笑)
イチゴとパイナップルは大変美味しかった。フルーツはそのお店の良し悪しがよく分かるよね。
という感じで、お昼の会席料理が終わりました。
前半はとにかく優しい味で進み、後半はお魚の印象が強いです。お魚が苦手だと、別の種類の会席にした方がいいかも。
正直、感動するほどすっっごく美味しい!というほどではないんだけど、どれも一定のレベル以上で丁寧に作られていて、素材も良く、満足できました。
欲を言えば、どれか一品でも、印象に残るような感動あるものがあると、より嬉しいけど。
それでも、このレストランの、モダンな日本の雰囲気と、明るい開放感のある空気と、一定レベルの食事、費用対効果を、総合して考えてみると、なかなか良い場所なんじゃないかと思ってます。
やっぱり、食事は、ただ美味しいだけじゃなくて、素敵な雰囲気、楽しい語らいの場所があってこそだし(超絶に美味しいだけなのもいいけどね)。
楽しめました。