たくさんの客がレジに並び
レジ係は大慌て。
そんな中に、一際動作の鈍い
エプロン姿の美月が居た。
美月「(商品のバーコードを通すが)
あれ、な、何で反応しないの?」
おばさん「お姉さん、ちょっと
早くしてくんない?
他にもお客がいるんだからさぁ」
美月のレジには、ずらっと列が。
相変わらず、レジの機械は
商品を認識しない。
美月「あの、、、暗算しても
いいですか?」
おばさん「はい?」
美月「これでも私、高校時代は
全日本珠算選手権のチャンピオンです」
急に美月の動きが早くなり、
即座に空のカゴへ、
買い物品を入れて行く。
美月「(笑顔)しめて、3659円です」
おばさん「そ、そんなの
信用出来るワケないでしょ!」
美月「(キリッ)間違いありません」
おばさん「な、何なの、この娘。。、」
揉めている美月たちの元へ
店長がやって来る。
店長「な、何揉めてんの、辻褄さん?」
美月「店長、機械の調子が悪いので
暗算に切り替えました」
店長「切り替えましたぢゃないよ。。。
そんなの、お客様が、納得するワケ
ないだろう。すみません、
再計算させて頂きます」
美月「店長、その必要は」
店長「君の計算は合ってるだろうよ、
でも機械に通さないと商品管理と
レシートも出ないだろうが。
勝手な事はしないでくれ!」
美月「・・・・・・」
店長は客に頭を下げながら
美月を押しのけて
レジを変わる。
美月は、唇を噛み締めて俯き
その場を去るのだった。
美月(・・・どうせ私は、
計算しか取り柄のない
落ちこぼれだ。。。)
新月の夜、月は見えない。
自転車に乗らず、手で押しながら
スーパーを後にする美月。
落ち込んだ美月は、俯いていたので
前輪が、誰かの脚にぶつかる。
ガンッ。
卯川「イタッ」
美月「あっ、す、すみません、
考え事をしてたもので、、、」
卯川「あー、別にかめへんよ、
大した事ないわ。って、あれ、
・・・どっかで会った事、ない?」
美月「(不審な目付き)・・・一度も
会ってませんけども」
アロハシャツを来た卯川(35)は、
そんな美月に笑った。
卯川「何、急に警戒してんねんw
当たり屋でもないし、ウソつきでも
ないよ。お姉さんの名前は知らんけど、
・・・そのメガネ、見覚えあるわ」
ひょいっと、美月から
メガネを取り上げる卯川。
慌てて美月は、自転車のスタンドを立てた。
美月「ちょっと、警察を呼びますよ!」
卯川「おっとー、ならこっちも
チャリンコに当てられたって
言うでぇ。今日日、自転車事故も
怖いんやからw」
美月「な、何が目的なんですか、
メガネを返して下さいっ!」
取り返そうとする美月の手を交わし
背後に回って、両肩に手を置き、
メガネを掛けてやる卯川。
美月はドキっとして、動きを止める。
卯川「・・・なんか、思い出せへん?」
美月「・・・ひょっとして。。。」
卯川「ひょっとして?」
美月「(振り返り)ウサやん!?」
卯川は、おどけたポーズを見せた。
卯川「そう、この辺りでも
なかなか認知度の低い
どうでもええゆるキャラの
ウサやんでーす。ってウサやん、
ほんまは喋られへんけどなw」
卯川は、両手を広げて見せた。
美月の顔が、パッと明るくなる。
美月「私はウサやん、好きです。
あんまり可愛くないけどw
・・・あの時は、ありがとう」
卯川「礼はええよ、これでも
月の妖精で、正義の味方って
キャラ設定があるからなw
今は、ただのチンピラみたいやけど」
美月「・・・正体を明かしていいの?」
卯川「あ・・・、君、細かい事言うなよ。
そりゃあかんけど、まぁ、ええやんw」
月明かりのない、電灯だけの
薄暗い中、二人は笑い合うのだった。
つづく。。。
まるで僕らは エイリアンズ
禁断の実 頬張っては
月の裏を 夢見て
君が好きだよ エイリアン
この星のこの僻地で
魔法をかけてみせるさ いいかい?
(エイリアンズ by キリンジ)
世界の大半は、落ちこぼれだ。
リア充だけの世界ぢゃねぇw
俺は、そんなヤツらの代表で
味方なんだよ(´ー`)
