「はぁ~。今日も寒いよね。でも頑張らないと!」
         ・
         ・
         ・
「ただいま。…っていっても誰もいないけど。」
「んー。そうだホットケーキもってセルザのと話でもしようかな?」

「セルザ~。って真っ暗?」

パーン!パパパーン!!
「えっ?きゃああ」

『メーリークリスマスーーー!』
声と共に竜の間が明るくなる

「み、みんなどうしたの?」
「そりゃあ、クリスマスパーティする為じゃない?」
「そんなんも分からんのか?フレイは?」
「えっ?だってパーティするなんて聞いてないし」
「そんなこと言ったら楽しみが半減するだけだよ?」
「…それって私限定で?」
「うん!」
「まあまあ。キールも私たちも日頃フレイさんには感謝しているので驚かせようって事になったのです。」
「でも、もし私がここに来なかったらどうしたの?」
「アンタの行動パターンは分かりやすいからな」
「…あはは」
「それよりもです!みなさんで今日の為に腕によりをかけて作ったごちそうやケーキそろそろ食べませんか?」
「それがいいようだ。」
「コハクもお腹すいたの~」
「それがいいようですね。」
「じゃ、パーティ始めるか。」
「お前仕切るんじゃねえヨ。」
「なんだと!」
「もう。喧嘩しないの!」
「「おう(ウ)」」
「そんなとこは気が合うのね。」
「「そんなんじゃねえよ(ヨ)」」
「そうですよ~。早く食べましょう~。」

「…ほんにお主らは変わらんのう。」

「ねえねえ。フレイさん。」
「なに?」
「プレゼントもあるんだから楽しみにしててね。」
「えっ?私プレゼントないよ。」
「アンタはそんな事気にするな。」
「でも…」
「そうそう~。これはみんなからの日頃からの気持ちなの~」
「そうです!気にしないで受け取ってもらえると嬉しいです。」
「そうだ。いつもはこちらが頼ってばかりだからな。今日くらいは素直になるといいのだが」
「みんな。ありがとう。」
「わらわにも感謝するがいいぞ」
「もう。セルザったら」


その日はみんなで楽しい聖夜を過ごしました。
毎年こんな風に過ごせたらいいな。


【女子の声】
(しかし、この中で誰か本命なのかな?)
(そうだね~)
(意外とあいつかも)
(えっと。一体なんのお話なのでしょうか?)
(うふふ。フォルテさんにはちょっとまだ早いかも~)
(そのようだ)
(えっ?それはどういう意味なのですか?)
(まあ、気にするな)
などという会話がなされていた。




【あとがき】
会話のみですが小話書けて良かった。
クリスマスネタなんて、次は来年まで無理ですからね。
一応オールキャラで書いたのですが、ちょっと偏りがあったかも。
いやなんていうか会話ですら書くのが難しいキャラが…。
しかもここ最近RF4のゲームをプレイしてないせいで余計に。
他の住人全員出そうかなとも考えたのですが、ちょっとカオスになりそうだったので婿嫁候補+セルザで。
ちなみにフレイはクリスマスも働いて帰ってきたところです。
みんなはフレイのその日の行動をリサーチ済みなので簡単にサプライズ出来ました。
ここまで読んでくれた方に感謝します。


「なぁ、ルフレ」
「なに?クロム」
「明日、ちょっと時間作れないか?」
「明日?ええいいわよ。」
「そうか。じゃ明日夕方になったら迎えに行くから、それまでは自由にしててくれ」
「? わかったわ」
そういうとクロムは天幕を出て行った。    
「明日って何かあったかしら?」

    ・  
    ・

「ふぅ~。ちょっと強引だったか?まぁいいさ。明日が楽しみだな。」

次の日

「ルフレそろそろいいか?」
「クロム。ええ、いつでもいいわよ。」
「そうか。じゃ行こうか。」
「ところで行くってどこに?それにその荷物は?」
「着いたらわかるさ。」
「え?でも…」
「ほらほら時間は足りないくらいだ。ほら行くぞ!」

ルフレの言葉を遮るように、手を引っ張って歩き出すクロム。
それは無言ではあるけれど、心地よい時間であった。

「クロムまだなの?」
「もうそろそろだ。あのあたりを抜けたところだったかな?」
「ちょっと【だったかな?】じゃないわよ?大丈夫なの?」
「ははは。心配性だな、ルフレは。」
「クロムが行き当たりばったりな事をするからよ。」
「なに大丈夫さ。もし何かあったとしてもお前の事は必ず守るから
「え?最後の方は何て言ったの?」
「あっと、心配するなって言ったんだ。」
「…本当にもう。」
「ほら着いたぞ。時間もいい頃だな。」
「え、もう?」
「ずっと喋っていたから、早かっただろ?」
「そうね。そういうことにしておいてあげるわ。」

森を抜けた頃あたりはすでに夜になりつつあった。
そして2人が見た景色はうす暗く、でも銀世界ともいえるほどきれいに光っていた。
暫くは立って見ていたが、どちらからともなく座り視線を逸らさずにずっと景色を眺めてる。

「…キレイだわ。」
「そうだろう?この時期のこの場所はこんなにキレイになるんだ。」
「ありがとう、クロム。こんなにキレイなところに連れて来てくれて。」
「礼を言われる事じゃないさ。俺はルフレとこの景色を見たかったんだから。」
「ううん。お礼を言わせて。」
「…そうだ。少し寒いだろ?これを着てろ。」
「でもクロムだって寒いでしょ?」
「俺はいいんだ。それにもしお前が体調を崩してしまったら、ここに連れてきた意味がない。」
「そうね。じゃこうしましょ?」

ルフレが毛布を後ろから掛けたので、2人はより一層と密着した状態になっていた。

「ふふ。これなら2人で暖かいでしょ?」
「いや…確かに暖かいが…」
「なに?文句もであるの?それとも他にいい方法でもある?」
「ないな。」
「じゃあ、これでいいじゃない。」
「そうだな。これなら2人で暖かいな。」

2人は寄り添って夜が更けるまで語り合っていた。
帰ると怒涛のごとく雷が待っていたとは知らずに…
聖夜という特別な時間を過ごした。



~その後~
「なんで誰にも言わずに行ったのよ!」
「いや、そんなに長い時間いるつもりはなかったからな。」
「それでも言っておくべきだわ!」
「そんなに怒るなって。お前だってあの時間ずっと楽しんでたじゃないか。」
「うっ。それは…」
「ほら見ろ!ルフレだって同罪だ。」
「と・に・か・く!最低でもフレデリクあたりに言っておくべきだわ」
「だから……… 」

ー口論中の2人を見守る人々ー
「あの2人いつまでああやって口論しているのかな?」
「さあ?気の済むまでじゃない?」
「本当に仲いいよね~」
「しかし、あんなところでいつまでも口論されては困りますね。」
「いいよ。好きなだけ言わせとけば。」
「そうですね。では、みなさんお茶にしませんか?」
「いいな。」
「賛成。」
「それでは行きましょうか。」


こうしてまた1日が過ぎて行くのだった。




【あとがき】
初クロム×ルフレでした。
しかも2人はまだ親友以上恋人未満な設定。
それにしても、この世界に銀世界とかクリスマスがあるのか分からないですが。
雪ならアリかな?と。しかしクロムさんの恰好だと余計に寒そうですね。
ちょっと最後はいちゃいちゃにもならなかったので、次があるのならいちゃいちゃさせたいな。
まぁ私の書くものは甘くないものばかりだけども(T△T)




あまり意味のない事かもしれませんが一応お知らせです。



ここのところ多忙過ぎて創作どころかゲームすらも出来ない日が続いてます。

たぶん年内は確実に忙しく、酷ければ来年の1,2月くらいまで忙しいかもしれません。

なのでその間お休みします。

可能ならば短いものでも書けたらアップしたいとは思いますが

絶対とは言い切れないので。

ただまだ2本しか書けてないのになぁ。




「はぁー」

今日何度目になるかも分からないため息を吐く。
あれからなにもやる気が起きなく部屋に籠もったまま過ごしている。
本当なら今日はシアレンスあたりに行くつもりだったが、今の状態で行ってもまともに出来るはずもなく時間だけが過ぎていく。

そんな時ドアからコンコンと控え目なノックが聞こえてきた。


「あっ。はーい。」


ノックと同じく控え目にドアが開いたその先にいたのは


「っ!ディラス!?」
「…よぉ」


朝あんな別れ方をしたから、まさか訪ねて来るとは思いもよらず焦るばかり。


「ど、どうしたの?」
「いや、なんだ。その」

ディラスにしては歯切れが悪く言葉を濁す。
沈黙が漂う中、先に言葉を発したのはディラス。
その顔は真剣でいてちょっと照れくさそうなそんな感じに見える。


「…お前、明日は時間あるか?」
「えっ?明日?」
「いや、ないなら別にいいが…」


一瞬ネガティブな考えが頭に浮かんだがそれを払いのける。



「ううん。明日は特に予定は入れてないから時間はあるよ。」


そう答えを聞くと真っ直ぐ私と顔を合わせてから



「…そうか。なら明日は一緒に出かけないか?」

「えっ?出かける?」
「ああ。そうだ。」
「……」
「……」
  ・
  ・
  ・
「…えっと、それってデートって事?」



突然明日出かけると言われて考えが追いつかず、復唱し確認をしてやっと【出かける=デート】という考えに行き着いた。
ディラスの方を見ると横を見ていて口に手を置いているが、それでも分かるくらいに耳まで赤くなっていた。



「……そうだ。俺はお前と…いや、フレイとデ…デートしたいんだ!悪いか!!」



最後の方はもはや逆ギレになっていたがハッキリと【デートがしたい】と耳に届いた。
そして聞こえた瞬間に今までつっかえていたものが取れたような気がして


「ディラス」


名前を呼んだその時、目には熱いものが溢れていた。


「ッ!お前なんで泣いているんだよ」


慌てたディラスに対しフレイは笑顔で答えた。


「だって、すごく嬉しいから。涙が出てきたの。」
「…嬉しいって…」

「今まで何回もデートに誘おうと思って…話しかけようとしたけどダメで…」

言葉に詰まりつつも話すフレイをそっと抱きしめた。


「えっ?ディラス?」
「悪い。不安にさせたな」
「ううん。私が勝手に思っただけだから気にしないで」
「勝手なのは俺の方だ!」
「え?」
「男としての、俺としてのこだわりがあったからなんだ。」
「それってどういう事なの?」
「…呆れると思うぞ。それでも聞きたいのか?」
「うん。ディラスの事だから聞きたい」

ギュッと抱きしめたままポツリと呟いた

「…そっか。じゃ言うぞ。」
「うん。」
「フレイが俺を誘ってくれようとしてくれたのは気付いてた。でもやっぱり初めては俺から誘いたいと思ったんだ。だから避ける形になってしまった。」
「うん。」
「本当は俺だって早く誘おうと思っていたが、いざお前を目の前にすると言葉が出なかった。だから今まで時間がかかってしまった」
「? じゃあどうして今言おうと思ったの?朝は避けてたのに。」
「ヴッ。そ、それは…。あー、まぁ情けない話だがマーガレットに忠告されたんだよ。…いや警告か?」
「メグに?」
「ああ。【今のまま逃げてたら呆れられて捨てられて、他の人に取られちゃうわよ】ってな。」
「そんなことないよ!私はいつだってディラスの事しか考えてない」
「っ!」

言った後にちょっと、いやかなり赤面状態になってしまったけれど、素直な気持ちを伝えれた事に安堵する。

「オレだってフレイの事しかないさ。待たせて悪かったな。明日、目一杯楽しもう。」
「うん!でもどこに行くの?」
「それは今から2人で考えればいいさ。」
「そうだね。明日楽しみだね」

ちょっと回り道をしてしまったけど、これがキッカケでお互いの気持ちが深くなった気がする。
明日どの服着て行こうかなと、今まで気持ちが嘘のように晴れやかな気持ちにさせてくれるのだった。


~おまけ~

【フレイの部屋で会話中のディラス心の声】
(っていうか、おまえはもっとモテる自覚を持て!他にも狙っているやつはいるんだからな!!)

ディラスの苦悩はまだまだ続くのです。




【あとがき】
意外に長く(?)なってしまいました。
しかも初め考えてた内容とちょっと変わってしまいましたし。
まだゲームはお一人様なので掴めてないところもあるかもしれませんがお許しを。
それにしてもデートって主人公からじゃなくて、たまには婿候補からも誘って来てくれたらいいのになぁとか思ったするのですがそれの方がめn・・いえ、なんでもないです。
しかし、私が書くとなんて甘くなんだろう?
もっと甘いの目指したいのですが今はこれで精一杯です><


フレイは悩んでいた。
ディラスと想いが通じ合ったのはつい先日の事。
しかし、それからデートに誘おうと決めてから早数日が過ぎた。
だけど、いまだに出来ずにいた。
なぜかというと、デートに誘おうと口を開きかけようとすれば、ディラスの方から話を切ってきたりはぐらかされたりするのだったから。
最近ではもしかして断るのが面倒だったから付き合ってくれたのかなとまで思い始める事もある。


「でも、ディラスだったら嫌な時はちゃんというはずだよね」


不安しか残らず考え込むばかり。


「よし!明日こそ何があっても誘ってみよう」



そう決心すれば、少し心が軽くなった気がした。







翌朝


畑仕事を終えディラスを探していた時メグに声を掛けられた。


「ねぇ、フレイとディラスって本当に仲いいよね」
「えっ?そ、そうかな?」
「うん。そうだよ。だってあのディラスが…」

「オレがどうかしたのか?」

「「えっ??」」


声が聞こえた方をみるとちょっと不機嫌そうなディラスが立っていた。


「あはは。えーっと。お邪魔みたいだから私もう行くね!」
「えっ?メグ?」


フレイが呼び止める間もなくメグはさっさと行ってしまった。
残されたフレイはディラスと2人っきり。
ちょっと気まずい雰囲気から変えようとしたところディラスが口を開いた。


「マーガレットと何を話してたんだ?」
「えっ?えーっとね」



ごまかしても仕方がないので、さっきまで話してた事を正直に言う。
といっても、肝心のところはディラスが現れたので聞けなかったのだが。
話を聞き終えたディラスは呆れ顔なりつつ気のせいかほんのり耳が赤い気がした。

(ろくな事言ってないとは思っていたが…。最後まで聞かれなくて助かった)

ディラスの内心など分かるわけもなく、ディラスを見つめていると本来の目的を思い出した。


「あっ!ディラス。あのね、あし…」
「っ!あー悪い。ポコさんから用事頼まれてたんだ。また今度な!」


そう言ってディラスはあきらかに慌てて、そそくさと足早に去っていってしまった。


「…ディラス」


そんな2人を見ていた影が一つため息を漏らした。


「本当になにやってるんだか…。仕方がないなぁ。」


そしてディラスの去った方へ消えて行った。