小説 「恋に焦がれ恋に泣く・・・」 第二話
下には迎えのモリもっさん愛用バイクがあり、ヘルメットを投げ渡され乗れとの合図。僕は何も言わず、かなり大きなヘルメットをかぶり、彼の大きな肩に手を乗せ、バイクに跨った。場所は聞かされていないがバイクは走る。と映画のワンシーンのように思えるが、彼の家まで行って何を着たらいいか決めさせられた。やっぱり、どうもおかしいなと思った。それはなぜか、だって飲み会は僕と同じマンションのバイトの娘とやる予定だったからだった。女の子がバイト終わりに家でシャワーを入りたいと言ったから時間は少しあるらしい、だから僕を借り出したわけらしい。なんとも都合のいい僕だこと・・・。そんなこんなしてる間に彼はシャワーに入り、万全体制で飲み会に挑む準備ができた。僕はいつも結構、人に対して余裕があるが、今日ばっかしは違った。今さっき、来るメンバーを聞いたらバイトでかわいいと評判の娘が来るからだ。先輩を立てるか、それとも自分をアピールするかが悩みどころである。今になって、フラれた理由がわかったのかもしれない。僕はいつもその人を見ていた気がする。頭の良い彼女はそれを女の直感で感じたのだろう。バイクに乗り、また自分のマンションへ。階は最上階の8階、このマンションで一番高くて広い部屋だ。
僕はその部屋の住人の娘とは友達だから、よく知っていた。一度しか入ったことはないが、香水の香りが玄関を開けた瞬間ほのかに僕を包み込む、そんな部屋だった。玄関のチャイムを鳴らし中から声がした。部屋に入ると香りが変わっていたがそんな事は気にならなかった。そんなことより、みんなはもう来てるようだった。男が4人の女が4人の完全な飲み会というよりも合コンである。そこで目に飛び込んで来たのはカワイイといわれている綾子と呼ばれる女ではなく。その横にちょこんと座っている、歌手のYUKI似の女だった。なんとも言えない存在感で、周囲を覆いつくしていた。その娘の名前は”真由”と言うらしい。バイトではいつもメガネを掛けているらしく、影が薄いそんな娘らしい。実際、僕らは仲間なはずだから絶対知っているはずなのに、それほど影が薄いらしい。たわいもない、話をしながら合コンはつづく。僕は、真由とはほとんど話さなかった。気にはなるのだが、オーラに負けたのか結局その日は先輩を立てるので精一杯だった。
次の日、昼から学校があり朝日の眩しい中、みんな5時に帰った。帰り際にみんなそれぞれ携帯番号とアドレスを交換した。仲間内だからといって、携帯番号もアドレスも知らなかった。帰ってから、一人の女からメールが届いた。真由からだった。「真由です。今日は本当に知り合えてよかった(*^。^*) バイトでも、学校でも見たら話かけてね☆ じゃ~バイバ~イ」という他愛もないメールだった。
-つづく-
小説 「恋に焦がれ恋に泣く・・・」 第一話
大学の2年目がもう少しで始まるという頃に僕はそいつに出会った。
そいつは、なぜか僕の前をいつも通り過ぎていく風のような人だった。
あまり面識もないのに、むしろ話もしたこともあるかないか、そんな彼女はバイト先で同じ仕事をしている、いわば”仲間”のような・・・しかし、おかしいのはここだ、「なぜ、いつも僕の前を通り過ぎていく?」僕にはそいつが不思議でしょうがなかった。一度だけ話したのは、ちょうどクリスマスの時だった・・・。
クリスマス・イヴの夜、とぼとぼと大学から肩を落として歩いて自分の家と言うべきか、まあ~大学から遠くない距離にある一人暮らしのマンションに帰って来た。まあ~クリスマス・イヴに死ぬほど好きだった女にそれも電話でいきなり「別れて、理由は分かるでしょ?」って言われて馬鹿な僕には理由も分からず、ただただ、説得しにその女に会うために居所を突き止め学校にいると聞き、僕は走った。で、その後は言葉にするのも辛く寂しく、自分の無力を痛感させられる出来事だった。目撃者一名(僕)、こんなドラマみたいな芸能人だったらスキャンダルものの迫力のある光景だった。いわゆる、学校でエッチ!!おいおいってな感じだ。神様、ちょっと慌ててる二人を見てしまった僕は悪者ですか?と言いたい、ちなみに相手の男は僕の先輩だったり・・・、もうどうでもいいよってな感じであきらめるもなにもない。つき合ってた時間が真っ白くオール消去されたみたいだった。それで、とぼとぼ歩いていたわけである。クリスマス・イヴなのにフラれたし、今日は一人でワインとケーキで一人寂しく過ごそうと、マンションのむかえにあるスーパー(実はバイト先)なのだが買い物にいった。そうすると、入り口にバイト先の先輩、森本英雄がいた。あだ名はモリもっさん、最初はオッサンだったんだけれど、かわいそうだから僕が変えてあげた。そんな話はどうでもいい本題に戻ろう。モリもっさんは痛いところをヅケヅケと突いてくる。「今日あんた彼女は?(笑)」と言ってくるわけだ。だいたい顔見て分かってよと言いたい所だが、たぶんあの人は分かっていて言ってるんだろう、なんて性格の悪い奴だ。しかし、良い部分はこっから始まる。僕が別れたという話をすると、「今日な~イヴやろ?彼氏のいないバイトの娘集めて飲み会やるから来るか?」と天使のような一人寂しくなんて本当はしたくなかった。むしろ、誰かに聞いてもらいたいと思ってたところだったのちょうどよかった。僕はもちろん、行くと返事をする。モリもっさん良いやつってなわけだ。「もう少しでバイト終わるし、バイト終わったら呼ぶから」と言われて,
20分ばかしでシャワーに入ってそれ相応の恰好に着替える。「フラれたばっかりなのにコイツ大丈夫?」と思うかもしれないが、この時の僕は何も考えられなくてフラれたけど浮気してやるみたいな投げやりななんともいえない精神状況で今あるものに全力に打ち込むしか考えられなかった。そして、メールがモリもっさんからメールが来た「今終わったし迎えに行くから」そういって、少しの緊張をしながらドアをかけ出た。
-つづくー
